フジロック、他のフェスにはない魅力探訪へ
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撮影=Masanori Naruse
7月28日(金)、29日(土)、30日(日)に新潟県 湯沢町 苗場スキー場にて開催される自然と音楽の共生を目指す日本最大級の野外ロックフェスティバル『FUJI ROCK FESTIVAL '17』。先週金曜には待望のタイムテーブルと最終ラインナップがオフィシャルサイトにて発表され、21回目のフジロックを華やかに彩るアーティスト総勢232組が出揃った。
それを受けて、本腰を入れて当日の自分タイムテーブルを練り始めた人も多いだろうし、参加を悩んでいる人にとっては正に’決め時’とも言えるだろう。そこで今回は、フジロックが取り組んでいる他のフェスにはない魅力をご紹介しよう。
■こどもフジロック
フジロックは’’大人の遊び場’’だという認識はもう古い。
近年、ファミリーでの参加が増加傾向にあるフジロックだが、それもそのはず、毎年10万人が来場し、昨年は総来場者数200万人を突破した。20年も経過すれば、開催当初に10代、20代だった人は親になった人もいるだろうし、30代、40代だった人の中には孫が生まれた人もいるだろう。
さて、「こどもフジロック」をご存じだろうか。こどもフジロックとは、フジロック20周年を記念してスタートした、‘子連れフジロック’というアクティビティを、みんなで助け合って楽しむための役立つ情報発信をするプロジェクトで、主にFacebookや富士祭電子瓦版と合同企画を組むなどして、女優、広末涼子や DJ/VJ のジョージ・ウイリアムズ、子どもたちの絶対アイドル・ケロポンズ、そして保育界の風雲児的カリスマ、柴田愛子先生などのインタビュー記事を紹介している。
フジロックの場合、その唯一無二の空間であるが故に参加するために他のフェスではしなくていい準備や山を越える移動手段など、超えなければならないものが少なくない。だからこそ桃源郷として位置づけるファンを多く持つのだが、子連れ参加者の場合にはさらなる負担が大人の背中にしかかってくる。
そこで、実際に持ち込む荷物しかり、精神的な負荷しかりを少しでも軽量化し、みんなで助け合って楽しもうぜというフジロックのオープンマインドから生まれたものである。フジロックの生みの親である日高代表(SMASH)は、「フジロックに3世代で来てもらいたい」と名言していることもあり、以前から保護者同伴の小学生以下は無料、昨年からは枠が拡大され、中学生以下無料だ。こうした好条件を活用して、親になったから諦めるではなく、子どもと一緒にフジロックをどう楽しむかを追求するのも新たな楽しみ方と言えるだろう。
詳細は、こどもフジロックFacebook(https://www.facebook.com/kodomofujirock/)で確認を。
■アトミックカフェ
1997年の初開催以来、フジロックは「自然との共生」をかかげ、「自然エネルギーへの転換」を考えるきっかけを提供していることをご存じだろうか。
フジロックは、環境・平和・人権などのNGO団体によるステージアピールや、NGOヴィレッジの開設など、さまざまな社会的活動を紹介する環境を整えてメッセージを発信している。
2005年以降は「地球温暖化」と「エネルギー」のあり方を考えるきっかけとして、会場内ジプシー・アヴァロンエリアにバイオディーゼル燃料や太陽光発電などのクリーン・エネルギーの導入し、実践。自然エネルギー重視のエネルギー社会への転換を促すムーブメントをサポート、その中のひとつが「アトミックカフェ」である。
「アトミックカフェ」とは、1980年代には加藤登紀子、浜田省吾、宇崎竜童、尾崎豊、ザ・ブルーハーツ、ルースターズ、エコーズ、BOØWYらが出演した「音楽を通じて反核・脱原発を訴えていく」がテーマのイベント。2011年のフジロック・フェスティバルでアトミック・カフェ・フェスティバルは復活し、昨年は SEALDs の奥田愛基氏が出演したことで「音楽に政治を持ち込むな」という主張をする人が現れるなどして話題になった。そうした日本ではタブー視されがちな事柄についての対話や、人の話に耳を傾けることで何かが変わっていくような場がフジロックには存在する。
撮影=宇宙大使☆スター
■フジロックが取り組む環境保全活動
フジロックでは、イベントで派生する環境負荷の軽減を試みると共に、未来に向けての様々な環境対策に毎年取り組んでいるのをご存じだろうか。
<フジロックの森プロジェクト 2017>
新潟県、湯沢町、苗場の人々と共に行っているプロジェクト。毎年無料で配布される冊子『フェスエコ』で使用されている「フジロックペーパー」の創出や「ボードウォーク」の整備など、もっと「森を楽しんでいただく」観点からさまざまな企画を検討し、フジロック会場周辺の森林の整備・保全を目指した活動をしている。
<NEW POWER GEAR>
2005年から廃油リサイクルによるバイオディーゼル燃料や太陽光などのクリーン・エネルギーを積極的に導入し、「新たなる電力」でフェスティバルのさまざまな歯車を動かしている。ジプシーアヴァロンステージの裏手に位置するNGO VILLAGEでは体験できる多くのことが用意されている。詳しくは下記<NGO VILLAGE>を参照。
撮影=宇宙大使☆スター
<ごみゼロナビゲーション>
巨大なゴミ箱の中にお姉さんやお兄さんが「割り箸はこちらで〜す!」と案内してくれ、それに対してこちらがお礼を言わなければならないのに、なぜか笑顔で「ありがとうございまーす!」と言ってくれるのがフジロック。
iPledgeが中心となり、ボランティアと参加するすべての人々が協力して、ごみの散乱を防止するとともに、ごみを分別し資源にする「イベント内資源循環」を行っている。
<NGO VILLAGE>
国際環境団体「FUTURE FOREST」に参加し、世界各地で植林を行うことでイベントで排出する CO2の相殺への挑戦や、地球温暖化防止を目的として設立された国際環境基金グローバル・クールの立ち上げに参加するなど、グローバルな環境保全活動に参画。このような地球規模の活動だけでなく、私たちをとりまく様々な問題に取り組み、比較的小規模なNGO団体による活動紹介の場「NGO VILLAGE」をアヴァロン・フィールド内にて2000年にスタートした。
草の根的な活動のサポートをするとともに、毎年テーマに沿ったアピールで“社会のカダイ”をわかりやすく来場者に伝え、アクションへ踏み出すきっかけを創り出すサポートをしている。ちなみに、今年のテーマは「エネルギー・環境」「国際協力」「ヒューマン」。
撮影=Yasuyuki Kasagi
撮影=Yasuyuki Kasagi
お祭り騒ぎ、バカ騒ぎはもちろん楽しい。しかしフジロックの会場には、こうした強いメッセージがそこら中に溢れているので、ほんの少し立ち止まって、触れたり、考えたり、気づいたりするのもまたフジロックの魅力のひとつだ。ぜひ音楽以外の部分にも目を向けて欲しい。
現在、
今週末の7月8日(土)、9日(日)にはプレイベント「FUJI ROCK DAYS」が渋谷で開催されるので、そちらで入手も可能。すべての詳細は、オフィシャルサイト(http://www.fujirockfestival.com)で確認を。
文=早乙女‘dorami’ゆうこ
日時:2017年7月28日(金)、29日(土)、30日(日)
会場:新潟県 湯沢町 苗場スキー場
・オフィシャルサイト http://www.fujirockfestival.com
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