『フジロック'25』を振り返る! 夏フェス王者フジロック、大盛況のわけ

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『FUJI ROCK FESTIVAL'25』 (C)Masanori Naruse

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『FUJI ROCK FESTIVAL'25』(以下、フジロック)が、7月25日・26日・27日の3日間、新潟県湯沢町苗場スキー場にて開催された。1997年に富士山麓で産声を上げ、苗場に会場を移してから26年目の今年も出演アーティスト数は200組以上、来場者数は7月24日の前夜祭から延べ4日間で12万2,000人(24日16,000人、25日33,000人、26日39,000人、7月27日34,000人)を動員。土曜1日券、3日通し券が売り切れとなるなど、コロナ禍以前の来場者数にほぼ戻った。


■夏フェス王者フジロック、大盛況のわけ

出演アーティストのラインナップ、『フジロック』でしか味わえない大自然の中で音楽を楽しめる独自の環境、フェス自体のファンであるリピーターの存在など、今回の大盛況に繋がった理由は様々あるはずだが、中でもラインナップの発表方法をドラマティックに変えたことが大きく影響しているように思う。

昨年までの『フジロック』は、出演アーティスト情報を本番に向けて小出しに開示していき、参加者のわくわく感やフェスへの期待感を徐々に高めていく手法をとってきていたのに対し、今年は第1弾ラインナップを出演日別に発表するスタイルへと変更。20数年続いてきた慣例をガラッと刷新する大きな変化を見せた。これにより、来場者は参加計画をいち早く練れるようになった。それに加えて、「3日通し券」や「1日券」のほかに、「金曜ナイト券」「Under22 1日券」「 Under17 1日券」などの個々のニーズに合わせた券種を幅広く用意したことで、来場者にとって、より参加しやすいフェスへと進化し、人で溢れかえる『フジロック』の姿が鮮やかに蘇った年となった。

撮影=SPICE編集部

そして昨年に引き続き、Amazon MusicがPrime VideoとTwitchを通じて『フジロック』を全世界無料独占ライブ配信し、“おうちでフジロック”を盛り立てた。会場内にいてもステージ開始を待つ間や列に並びながら別の場所にあるステージの様子を楽しめるとあって、便利に利用されていた。また、『フジロック』は日本のみならず全世界から人々が来場するフェスだが、インバウンドも例年以上に増加していた印象だ。


■音楽ファンに絶大な支持をされた『フジロック』充実のラインナップ

フレッド・アゲイン(FRED AGAIN..) (C)Masanori Naruse

ラインナップもまた、音楽ファンを唸らせる充実の内容だった。初日のヘッドライナーを飾ったフレッド・アゲイン(FRED AGAIN..)は、フェス側の機材トラブルで開演が1時間半も遅れるという前代未聞の事態に。しかし『フジロック』からのアナウンスが随時なされていたことに加え、本人がSNSを使って状況を説明したり、同時間にFIELD OF HEAVENに出演したエズラ・コレクティブ(EZRA COLLECTIVE)を観に行こう!と呼びかけたりもしていたこと、さらには天候も悪くなかったのでオーディエンスの多くは立ち去ることなく彼の登場を待っていた。ようやくライブがはじまると、トラブルをものともしない圧巻のショーで観客を魅了! あっという間に終わってしまった。「待った甲斐があった!」という声があちらこちらで聞こえてくるほど大満足させたパフォーマンスは間違いなく今年のハイライトのひとつ。

ヴルフペック(VULFPECK) (C)Taio Konishi

2日目のヘッドライナーとして登場したのは、待望の初来日にしてヘッドライナーを務めたヴルフペック(VULFPECK)。音楽が人によって創られていくこと、音楽が楽しいものであることを目に見える形で表現された最高のステージだった。今年3回しかライブを行わない彼らが、そのうちの1本として日本の『フジロック』を選んだ理由が気になっていたが、その答えはこのショーに込められていたように思う。大自然の中で音と歌声がサラウンドした、とても美しい多幸のひと時はその場にいたオーディエンスに生きるエナジーをもたらしていた。

ヴァンパイア・ウィークエンド(VAMPIRE WEEKEND) (C)Taio Konishi

最終日のヘッドライナーは、ヴァンパイア・ウィークエンド(VAMPIRE WEEKEND)。前回2022年にGREEN STAGEを大いに揺らしたパフォーマンスから時をあけずにヘッドライナーとして起用された彼ら。これまでライブの定番だった「Cousins」「Walcott」などは封印し、新譜を中心にした内容で“聴かせる”姿勢が見られた。また、ラストに奏でられた「Hope」でしっとり幕を閉じたのも新鮮で、過去とは一線を画すかのような演出が印象的だった。バンドの現在地を改めて知り得る貴重なライブとなった。

エズラ・コレクティブ(EZRA COLLECTIVE) (C)Hachi Ooshio

ハイム (HAIM) (C)Masanori Naruse

ザ・ハイヴス(THE HIVES) (C)Ruriko Inagaki

ヘッドライナーだけではない。今年も『フジロック』には200組を超えるアーティストが出演した。海外勢では、カトパコこと、カトリエル&パコ・アモロソ(CA7RIEL & PACO AMOROSO)やリトル・シムズ(LITTLE SIMZ)、ハイム (HAIM)、バーミングタイガー(BALMING TIGER)、フォー・テット(FOUR TET)、オーケー・ゴー(OK GO)、エズラ・コレクティブ(EZRA COLLECTIVE)、ギャラクティック(GALACTIC)、ティコ(TYCHO)、ザ・ハイヴス(THE HIVES)など、海外音楽シーンを縦横無尽に駆け上っている新人からキャリア数十年を超える大御所が存分に音を鳴らした。

山下達郎 (C)能美潤一郎

Suchmos (C)Taio Konishi

日本の音楽界からは、恒例になりつつある邦楽レジェンド枠に山下達郎が登場。妻の竹内まりやも登場してコーラスを響かせると大歓声が湧き起こった。この時が今年のグリーンステージ最大動員数を記録したはず。初出演となった佐野元春 & THE COYOTE BAND、再始動後の苗場カムバックとなったSuchmos、11年ぶりの出演となったMIYAVIがWHITE STAGEに登場。STUTSがGREEN STAGEに登場した頃に今年一番の雨が降ったが、逞しいフジロッカーたちはそれも楽しみ踊っていた。EGO-WRAPPIN’は初めてFIELD OF HEAVENのトリを担った。

RADWIMPS (C)Taio Konishi

森山直太朗、Creepy Nuts、RADWIMPS、羊文学らも登場。フジロックバンドとしておなじみのROUTE 17 Rock’n’Roll ORCHESTRAでは山下久美子が初登場。それぞれのゲストボーカルとの演奏もさることながら、松葉杖で登場した甲本ヒロトの「世の中がどんどん壊れていくのはなんでか分かるか? 新しくなるためだ!」という言葉に感銘を受けた。

サンボマスター (C)Hachi Ooshio

そして、サンボマスターは、やっぱり松葉杖の甲本ヒロトと真島昌利をステージに引き込むことに成功! ロックの神様との初共演を果たし、聴く者の心をたぎらせる熱いロックンロールでRED MARQUEEに大感動の渦を巻き起こした。

文=早乙女 ‘dorami’ ゆうこ


 

 

 

イベント情報

FUJI ROCK FESTIVAL 2025
7月25日(金)、26日(土)、27日(日)
新潟県 湯沢町 苗場スキー場

▼ FUJI ROCK FESTIVAL  オフィシャルサイト
https://fujirockfestival.com
 

ポップアップストア情報

BLANKEY JET CITY×THEE MICHELLE GUN ELEPHANT  POP-UP STORE 

■東京
場所:UNIVERSAL MUSIC STORE HARAJUKU 1F・3F
期間:2025年7月25日(金) 〜 2025年8月6日(水) 営業時間:11:00~20:00
https://store-harajuku.universal-music.co.jp/

■広島
場所:広島PARCO 新館9Fイベントスペース 
期間:2025年8月15日(金) 〜 2025年8月27日(水) 営業時間:10:00~20:30
https://hiroshima.parco.jp/

■名古屋
場所:名古屋PARCO 西館6F PARCO GALLERY
期間:2025年9月5日(金) 〜 2025年9月15日(月・祝) 営業時間:10:00~20:00
https://nagoya.parco.jp/

■大阪
場所:心斎橋PARCO 9Fイベントスペース
期間:2025年10月10日(金) 〜 2025年10月20日(月)
営業時間:10:00~20:00
https://shinsaibashi.parco.jp/

BJC×TMGE  POP-UP STORE 特設サイト https://sp.universal-music.co.jp/bjc-tmge-pop-up/