中村太地さん「ヨハネス・ブラームス国際コンクール」ヴァイオリン部門3位入賞
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ヴァイオリン部門の入賞は日本人初
当サイトでも既報の通り、安藤真野がピアノ部門で優勝した「第22回 ヨハネス・ブラームス国際コンクール」、12日に最終ラウンドが行われたヴァイオリン部門でも日本人演奏家が3位に入賞した。その名は中村太地、1990年生まれの25歳、現在はウィーン国立音楽大学で学んでおり、2014年からはウィーン室内管弦楽団でも演奏している若きヴァイオリニストだ。
中村本人はこの結果について「3位と特別賞を頂きました。ファイナルの結果に関しては悔しさと思うところはありますがまた今後も精進していきたいと思います」と、Twitterでその心情を率直に語っている。だが、このコンクールのヴァイオリン部門で日本人の入賞は彼が最初であるし、またここで言及された特別賞が「作曲者の名を冠したコンクールにおいてブラームスの協奏曲を最も印象的に演奏したこと」への受賞なのだから充分に立派な結果と言えるだろう、ぜひ胸を張っていただきたいと思う。
こうしたコンクールの入賞は、あくまでも彼ら彼女らの長い演奏家生活の入口であって、決してゴールではない。けれども、さらなる活躍のための「多いなる第一歩」とはなってくれることだろう。今回受賞されたピアノ部門の安藤さん、ヴァイオリン部門の中村さんが自らの力で切り開いた前途が良きものとなるようお祈り申し上げたい。
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中村太地はこの夏休みにも日本でいくつかの演奏会を行っているので、コンクール前に彼の演奏を聴かれた方もいらっしゃるだろう。しかしウィーンで学ぶ学生であれば日本で彼の演奏を聴く機会はまたしばらくおあずけ、現時点では今年11月と来年の4月に演奏会の予定がある。
「彼がどんなヴァイオリニストか、今知りたい!」と思われる方は本人のYouTubeチャンネルより、今回同曲の演奏で特別賞を受賞したブラームスのヴァイオリン協奏曲より第一楽章をお聴きいただきたい。約一年前の演奏会のライヴ収録だ。