女子プロゴルフも後半戦突入! 『大東建託レディストーナメント2017』前半戦総括と後半戦の注目選手は誰だ!?
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大東建託レディストーナメントが今年も7月27日より、山梨県の鳴沢ゴルフ倶楽部で開催される。同大会は今年からより実力が問われる4日間競技となり、今後のランキングの行方を占う大会になりそうだ。
2017年シーズンも夏場でハーフターン。昨年の賞金ランキング4位とすっかり上位常連組となったキム・ハヌル選手(韓国)は、パッティング精度が高まったことでさらに安定度が増し、今年のトーナメントを引っ張っている。現在、賞金も約9,000万円と、賞金女王獲得が視野に入ってきた。また、ここ数年、外国勢に賞金女王の座を明け渡している日本選手も、「ストップ・ザ・外国勢」を意識しているのは間違いない。その急先鋒がやはりパット巧者(平均パット数1.727で1位)の鈴木愛選手(24)だ。現在の獲得賞金額は約8,000万円で、キム・ハヌル選手にあと1,000万円と肉薄中だ。今大会はエントリーしていないが、もともと闘志を表に出す選手。賞金女王獲得宣言も飛び出し、彼女の後半戦の戦いから目が離せない。
以降、ランキング上位者を見てみよう。今期から日本ツアーに参戦し、いきなり優勝2回と周囲を驚かせたイ・ミニョン選手(韓国)が約6,500万円の3位と好位置につけている。最近の女子選手では珍しくロングアイアンを多用したり、パワーフェードを持ち味にした独特の戦い方も話題だ。そして、同様に今季2勝をあげている実力者のテレサ・ルー選手(台湾)が約6,000万円の4位と続いている。3季ぶりの優勝が話題となった上田桃子選手も上位に食い込む試合が多く、いつ2勝目を手にしてもおかしくないほど状態はいい。逆に調子がなかなか上がらないものの実力は折り紙付きの昨年・一昨年の賞金女王イ・ボミ選手(韓国)、元祖飛距離女王の渡邉彩香選手らの復活・復調も多くのファンが望んでいることだろう。熾烈な女性たちの戦いは熱を帯びてきた。
日替わりでヒロインが現れる女子プロゴルフ界は空前絶後のブームとなっているが、それを底上げしているのは若手の台頭であるのは間違いない。特に注目されるのは“勝利待望(未勝利)組”だ。今年、開幕戦のダイキンオーキッドレディスでアン・ソンジュ選手と競い合い、2位に入った川岸史果選手(22)は、中京テレビ・ブリヂストンレディスオープンで3位に入賞するなど、今期のベスト10フィニッシュは7回と新人らしからぬ落ち着きぶりで安定感抜群だ。先週のセンチュリー21レディスゴルフトーナメントでは終盤まで優勝争いし3位タイでフィニッシュ。2メートル前後のパットさえ入れば念願の優勝トロフィーは手にできたかもしれない。父親の川岸良兼選手譲りの飛距離は、飛ばし屋のひとりで同大会を制した穴井詩選手をしばしばオーバードライブし、ギャラリーを魅了している。
序盤はなかなかエンジンのかからなかった堀琴音選手(23)はここ数試合、優勝争いを演じ、いつ勝利の美酒を味わってもおかしくない絶好調ぶり。同選手も今大会はエントリーしていないが、後半戦の〝台風の目〟になることは誰も疑わないだろう。6月に行われたサントリーレディスでも優勝したキム・ハヌル選手にひとり気を吐き、1打差で惜敗。その後のアース・モンダミンカップ、ニッポンハムレディスクラシック、サマンサタバサガールズコレクション・レディーストーナメントの3連戦でも、4位、3位、5位タイとすでに優勝は秒読み態勢となっている。
そのほか、アメリカミニツアーに参戦するなど海外意識も高い、現在賞金ランキング15位の森田遥選手(21)や、飛距離では常連組となっている岡山絵里選手(21)、大器と呼び声高い柏原明日架選手(21)など…。この年代の層の厚さは、これからの女子プロゴルフ界には明るい話題。次の初優勝者が誰かは注目の的となっている。
そして6月のヨネックスレディストーナメントで待望の初優勝を遂げた青木瀬令奈選手(24)ら、2勝目を狙う選手からも目が離せない。1勝目は勢いや無我夢中のうちに獲れたと言うプロも多いが、それだけに2勝目を挙げればホンモノとも言われる。
27日から始まる大東建託いい部屋ネットレディスゴルフトーナメントで昨年、初優勝したささきしょうこ選手(21)にもこの期待が掛かる。今期、予選落ち6試合で現在賞金ランキング39位と苦戦はしてはいるが、トップ10フィニッシュが3回と上位にもしばしば顔を出している。ショットには定評があるだけに、パットさえ入れば連覇も夢ではない。そのほか2011年の伊藤園レディ以来の優勝が待望される藤本麻子選手(27)や、ドライバーの飛距離が伸び、上位にも顔を出すようになった木戸愛選手(27)、今年の全米女子オープンで飛距離世界一を獲得し、そのビッグドライブで人気急上昇中の葭葉ルミ選手(24)も、2勝目を虎視眈々と狙っている。
クラブやボールの進化で劇的に飛距離が伸び、女子のトーナメント観戦も面白くなってきた。270ヤード超という男子顔負けの飛距離や強烈なバックスピンもかけてくる現在の女子プロの技術。まだその目で見ていない人はぜひ、見て聞いて感じて欲しい。きっと今の女子プロの弾道に驚くに違いない。
(※記事内の順位等は2017年7月24日現在のもの)