西沢幸奏が探し続けて手に入れた「ロックンロール」はどこに向かうのか、冷静と情熱の狭間で燃える思いを語る
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西沢幸奏 撮影:大塚正明
『第1回フライングドッグオーディション』を勝ち抜き、TVアニメ『艦隊これくしょん-艦これ-』ED主題歌「吹雪」でデビューした西沢幸奏(にしざわしえな)。ポニーテールにセーラーの付いた服で歌う姿が印象的だった彼女が今、ギターをかき鳴らしながら初の全国ツアー 『SHIENA NISHIZAWA LIVE TOUR “Break Your Fate”』で全国を回っている。ファーストインプレッションからガラリと雰囲気を変え、ロックテイストな一面を押し出してくる彼女に話を聞いた。
――デビューして二年半くらいですが、この二年半環境や心境の変化はありましたか?
ガラリと変わりました!デビューしたときは普通の高校生だったので、ものすごいわがままだったし、でも、プロとしてやっていく上でそうじゃないんだよ!っていうのを大人の方から教わったり、ステージ上で学んだりしましたね。
――オーディションに参加した時の心境というのはどんなものだったんですか?
絶対合格してやろうって思ってました!ずっとシンガーとしてデビューしたくていろんな道を探していたんですけど、ネットで『第1回フライングドッグオーディション』を見つけて、アニソンもアニメも好きだし、私の声もアニソンに合うんじゃないかな、とは思ってたんです。その時が高校3年生だったんですけど、高校在学中にデビューというのが自分の中で決めていたことだったんで。
――じゃあ夢を叶えてはいるんですね。
ギリギリでしたけど、叶えることが出来ました。デビューも2月だったんで、ギリッギリ目標クリアでした。
――オーディションの現場は如何でした?
最終審査に残ったのが15人位だったんですけど、全員同じ控室で、私から見たら皆さん場馴れしてる感じで、イメージ的には誰も会話して無くてシリアスな雰囲気……と思っていたんですけど、みなさん談笑されてるんですよね。このオーディションはあそことくらべてこうだったよ、とか。私は初めてで怖かったんですけど、逆に燃えましたね!当時は怖いもの知らずだったんで。
――何か怖いものが今はできた?
自分の音楽が本当に認めてもらえるかどうか、ですかね。自分の音楽には自信を持ってはいるんですが、前と違っていろんなものと戦った上ですごく考えるようになりました。
撮影:大塚正明
――僕も最初に「吹雪」で知ったわけですが、曲も外見もかなりロック色が強くなってきましたね。
これはお客さんから求められている気がして変わっていったんですよね、2ndシングルの「Brand-new World」は「吹雪」よりデジロック色が強くて、そういう曲を歌っている時のお客さんの反応がすごい良かったんですよ。今回出したアルバムを作る時にスタッフさんに「私はロックで行きたい、それが求められている気がする」ってお話をさせてもらってこうなった、というところはありますね。
――確かに今のギターを持ってかき鳴らしているのは似合っていると思います。
4枚シングルを出させてもらって、それぞれに自分の中の色んな色を探して、その時々のベストの答えを出してきたんですけど、結果的にアルバムでロック!という物を出せたので良かったと思いますね。
――こんなにギターを掻き鳴らす印象は最初無かったですね。
本当はオーディションの時もギターを持ちたかったくらいなんですよ(笑)。
――ちなみに、ご自身が1リスナーとなった時に、好きなアーティストとかはどんな方なんでしょうか?
私はFoo Fightersが好きなんですよ、本当に好きで!ずっと画像検索でデイヴ・グロールって調べてるくらい(笑)。
(編集部注:デイヴ・グロールはアメリカのロックバンドFoo Fightersのボーカル。伝説のバンドNIRVANAのドラムとしても有名)
――NIRVANAではなくてFoo Fightersなんですね。
そうなんです!
――たしかにFoo Fightersの「The Pretender」のMVとかを思い出すと、ギターを掻き鳴らす感じは似ているかもしれませんね。
(西沢幸奏憧れのFoo Fighters)
そうそう!私本当にアメリカのマッチョなおじさんになりたいんですよ(笑)。 私は実際は日本人で小さい女の子なんですけど、ああいう迫力をどうにか出せないかっていうのは凄い思いますね。
――ギターに関してなんですが、中学生くらいから練習していたと聞いております。どの辺の曲を練習してたんですか?
私はYUIさんが大好きだったので、初めて弾いたのは「Rolling star」ですね。
――ロック色の強いギターだと?
中学校二年生くらいからアヴリル・ラヴィーンとか、SUM41とかを聴くようになって。エレキギターを習っていた事もあるんですけど、その先生がハードロック好きな方で、ディープ・パープルやBON JOVIとかレニー・クラヴィッツとかを練習してました。練習するために聴いていたらどんどん好きになって、邦楽だとBase Ball Bearさんとかすごい好きです。
――かなり洋楽強いんですね。
当時中学生だったのもあって、邦楽も洋楽もあまり区別なく聴いていたんですよ、逆に今になってもっと洋楽を知りたい!って思いが出てきましたね。
――最近だとどの辺がお好きなんでしょう?
Nickelbackに今さらハマっていますね(笑)。OASISとかも!邦楽だとASIAN KUNG-FU GENERATIONかな。
――ビックネームばっかり!
アジカンに関しては「ソルファ」が最高傑作だと思ってた時期もあるんですけど、今の曲も本当にかっこいいと思いますね!
――アニソンシンガーで気になる人はいますか?
ボーカルのMayuさんとはプライベートでも仲良くして頂いてるんですが、MYTH&ROIDさんは凄いと思いますね。めっちゃ曲がかっこいいし、あまりアニソンに無かったスタイルの曲が多い気がして刺激になります。
撮影:大塚正明
――先ほど、アジカンは今の曲も凄い良い、というご意見はありましたが、ご自身のキャリアの中でも既に曲のストックが何曲もあると思いますが、やはり常に最新曲が最高、という思いがあるんですか?
そこは常に冷静でないといけないと思うんです。海外での公演のセットリストを決めるときとかも、今の私がいいと思っているセットリストを持っていけばいいというわけではないと思うんです。例えばこの国ではこのアニメが人気だからこの曲を歌おうとか、そういう冷静な目線を持っていないといけないとは思います。
――さて、プライベートの話も聞ければと思うんですが、オフの日は何をされているんですか?
ゲームしてますね……。ゲーム大好きなんですけど、ゲーマーって言うとやりこんでいる感じするじゃないですか、新しいものに食いつくタイプなので、あくまでもゲーム好きってことで(笑)。
――最近は何を?
『NieR:Automata』ですね!めっちゃ面白いです!
――でももうすぐ『ドラゴンクエストXⅠ』も出ますが。(取材日は7月25日)
ですね、両バージョン買いますよ!ゲーム好きというかドラクエ好きって言ったほうがいいんじゃないかと思うくらいですから。
――そこまでドラクエを愛しているのは理由あるんでしょうか?
単純に一番無心でずっとやっているのがドラクエなんですよ、あとは愛着が湧くんですよね。結構あるあるネタが多いゲームだと思うし、鳥山明先生のイラストのお力でモンスターも好きになっちゃいますからね。
――なるほど。
ドラクエって最初から最後まで流れに乗ってプレイしていける気がしてるんですよね。『ファイナルファンタジー』はある所で一気に自由度が高くなるのでどこに行っていいかわからなくなっちゃう時があるんですよ(笑)。だから私の中ではドラクエがちょうどいいというか、合うんですよね(笑)。
撮影:大塚正明
――そしてツアー真っ最中ですが、半分くらい終わりましたがどうですか?
まさに武者修行という感じですね。ソロツアーなんですが、衣装とかメイクのことも含め、これまでは全部やってもらっていたのですが、自分でやってみて準備の大変さも身をもって感じてます。楽器抱えて会場に入って、音出しチェックもやって、メイクして……。
――やってることはバンドマンですね。
レコード会社の方々にも「コレはバンドマンのやり方だよ」と言われました(笑)。でも凄い燃えますね!今こういうことをさせてもらえるのは恵まれてるなって思いますね。
――お客さんの反応はいかがですか?
各地で微妙に反応が違うんですよ、九州でも福岡と熊本で全然違っていて、福岡は思いっきり声を送ってくれるんですけど、熊本は内面で燃えているというか(笑)。ぜんぜん違うんだなって思いますね。
――このツアーは東京公演がないですもんね、地方に行かれることに関してはどう思われますか?
うーん、どんな所でも待っていてくれてる人っているんですよね。そういう人がいるならかならず私から逢いに行く!という気持ちは持ち続けたいですね。
――今後、どういうアーティストになりたいですか?
たくさんライブをして、経験を積んでライブアーティストになりたいです!
――フェスとかに出たい?
出たい……!(笑) でもまずロックバンドの人とかとお話してみたいですね。アニソンアーティストの人とも仲良くさせていただいてますが、なかなかロックバンドさんとの接点はないので、色々聞いてみたいというのはあります。
――うちのSPICEでそういう企画やりたいですね。
是非!是非お願いします!(笑)
――では、最後にファンの方にメッセージをお願いします。
ここまで読んで頂いてありがとうございます。西沢幸奏のライブ、音楽、少しでも気になった方がいらっしゃいましたら是非一度会いに来てもらって、私の音楽に触れてほしいです!待ってます!
撮影:大塚正明
インタビュー:加東岳史 撮影:大塚正明
2017年8月5日
盛岡Club Change (岩手県)
2017年8月6日
space Zero (宮城県)
2017年8月11日
広島Cave-Be (広島県)
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2017年8月13日
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