KEYTALK ストイックに走り続けてきたバンドだからこそ完璧なパフォーマンスで完走した全25曲
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KEYTALK 撮影=後藤壮太郎
Zepp Tokyo - KEYTALK爆裂疾風ツアー2017 ~みんなの街でパラリラパパパラダイス~
2017.7.13 Zepp Tokyo
年間にシングル&アルバムをトータルで3~4枚リリースしながら、さらに内容の違うツアーを複数本開催しつつ、シーズン毎のフェスにも多数出演する。それがここ数年のKEYTALKの活動ペースだ。彼らが初めて日本武道館のステージに立ったのは1年半前。それがもうずいぶん昔に感じるほど、いまもKEYTALKは出鱈目な速度でバンドの最高地点を更新し続けている。今年4月から全国29公演で行なった『KEYTALK爆裂疾風ツアー2017 ~みんなの街でパラリラパパパラダイス』も、まさにそんなツアーだった。今回のツアーで寺中友将(Vo / Gt)は「日本を背負うバンドになる」と初めて力強く宣言した。その言葉こそ、ここ数年の彼らのがむしゃらな姿勢の意味だったのだと思う。もはや夢と呼ぶには現実味を帯びてきた大きな目標のために、いまもKEYTALKは全力で走り続けていた。
KEYTALK 撮影=後藤壮太郎
KEYTALK 撮影=後藤壮太郎
満員のZepp Tokyo。ステージ前面の薄い幕にツアー名が映し出され、その幕が開くと同時にメンバーがステージに現れた。会場からは割れんばかりの歓声。「Zepp Tokyo、楽しんで行こうぜぇ!」という小野武正(Gt)の声を合図に、軽やかに響き割ったのは極上のポップソング「Love me」だった。そこからインディーズ時代からの人気曲「sympathy」を挟んで、八木優樹(Dr)作曲の「秘密」と武正作曲の「ダウンロードディスコ」という最近リリースされたばかりのハードコアチューンを立て続けに披露していく。今回のライブは、彼らが3月にリリースした最新アルバム『PARADISE』を引っさげたツアーでありながら、同時に「amy」や「夕映えの街、今」など懐かしい曲も数多く披露された。そんな新旧織り交ぜたセットリストは、KEYTALKが高い音楽性を持ちながら、どんなときも一貫してポップで親しみやすいバンドであることを感じさせるものだった。
KEYTALK 撮影=後藤壮太郎
KEYTALK 撮影=後藤壮太郎
王道ギターロックとEDMが融合した「Summer Venus」ではステージを覆いつくすほどのスモークに包まれながら、メンバーがパリピ感のある色メガネをかけてプレイすれば、フロアの熱量はますますヒートアップした。お客さんによる息の合った合いの手で会場が一体になる「YURAMEKI SUMMER」で、そんなフロアの狂騒がいったんピークを迎えると、ライブの様相が変わったのは、ステージをピンク色に染めた「桜花爛漫」からだった。KEYTALKの代表曲のほとんどを手がける首藤義勝(Vo / Ba)の珠玉のメロディが炸裂する「バイバイアイミスユー」、瑞々しい巨匠(寺中)曲「Stand By Me」など、KEYTALKの歌の魅力をたっぷり堪能できる時間が用意されていた。そのメロディをなぞるのは、巨匠の無骨でハスキーな歌声と、義勝の甘くクリアな歌声だ。全く違うタイプの声で紡がれるツインボーカルはKEYTALKのオリジナリティだ。ロックシーンでは“踊れるバンド”の括りで語られがちな彼らだが、その根底には絶対的に親しみやすい歌の訴求力がある。
KEYTALK 撮影=後藤壮太郎
KEYTALKの真骨頂とも言える疾走感のあるロックナンバー「ASTRO」から初期曲「S.H.S.S」をノンストップでつなぐと、いよいよライブはフィナーレへ向けて最高のテンションでのぼりつめていった。激しく明滅する光とスモークというかっこいい演出のなかで、ひらすら肉の部位を叫ぶ「One side grilled meat」や、フロアをもみくちゃにする最高のお祭りナンバー「MATSURI BAYASHI」を届けたあと、最後に巨匠が語りかけた。
KEYTALK 撮影=後藤壮太郎
「今回のツアーでは、これからのKEYTALKが何を目指していくかをステージで宣言してきました。この先、日本を背負うバンドになるって口にしてきたけれど、この前、川崎のライブで、俺の声が出なくなってしまって(6月28日CLUB CITTA’公演)……来てくれたみんなが代わりに歌ってくれた。そのときに、KEYTALKは4人だけでやっていくんじゃないと思いました。もっと頼りになるバンドになるために、愛されるバンドになるために、おかしいかもしれないけれど、みんなの力を貸してほしいと思います」と。
どこまでも巨匠らしい誠実な言葉に会場から大きな拍手が送られると、最後に届けたのはタイトルずばりのエールソング「Oh!En!Ka!」だった。アルバム『PARADISE』のなかでも最後に収録されたストレートな応援歌は、底抜けに楽しくて、汗と笑顔でいっぱいになるKEYTALKのライブを、決してお祭り騒ぎだけでは終わらせず、私たちが明日からも立ち止まらずに歩いていくための、深い余韻を残してくれる歌だった。
KEYTALK 撮影=後藤壮太郎
KEYTALK 撮影=後藤壮太郎
今回のライブを通じて、KEYTALKは本当にバランスの良いバンドだと思った。武正がバンドの礎となる知性を、八木が親しみやすさを、義勝が繊細でロマンチックな感性を、そして、巨匠が愚直なまでの泥臭さを。それぞれに持つ他に代えがたい個性が、楽曲やMCの節々に見え隠れするからこそ、KEYTALKのライブは最高なのだ。
ここまで本編だけで全21曲。怒涛の勢いで駆け抜けてなお、さらにアンコールでは「黄昏シンフォニー」など全4曲が披露された。そしてトドメの一撃とばかりにド派手なライティングのなかで届けた最強のダンスロック「MONSTER DANCE」へ。ライブの最終盤にきて、4人が繰り出す演奏のキレは全く失われていなかった。それは一朝一夕でできるものではない。結成から10年。一見そんな雰囲気を感じさせない4人だが、とにかくKEYTALKはストイックに走り続けてきたバンドだ。だからこそ全25曲のステージを完璧なパフォーマンスで完走できるし、もっと言うならば、9月10日にはバンド最大規模の単独ワンマンとして横浜アリーナ公演も開催できるのだと思う。こちらの予想を超えて、私たちに素晴らし景色を見せてくれるKEYTALK。その快進撃はまだまだ止まりそうにない。
取材・文=秦 理絵 撮影=後藤壮太郎
KEYTALK 撮影=後藤壮太郎
2017年8月30日発売
初回盤
通常盤
02.タイポロジー
03.誓い
04.さよならを。夏、
<初回限定盤付属DVD>
「代々木でリリパパパラダイス 2017.3.29 at 代々木公園野外ステージ」
<収録曲>
Summer Venus / ダウンロードディスコ / 秘密 / STAY / Oh!En!Ka!
※
受付期間
1次:2017年8月30日(水)昼12:00~2017年9月04日(月)23:59
2次:2017年9月05日(火)昼12:00~2017年9月11日(月)23:59
※スペシャルグッズプレゼント応募ハガキ封入(応募締切:2017年9月13日(水)消印有効)
※CD・DVDの収録内容をスマホで簡単再生できる「プレイパス」サービス対応
ダウンロード有効期限: 2018年8月30日(木)まで
【配信情報】
iTunes Store、レコチョクほか主要配信サイトで8月30日より配信スタート
2017年12月9日(土) OPEN 17:00 / START 18:00 愛 知 名古屋CLUB QUATTRO
2017年12月10日(日) OPEN 17:00 / START 18:00 大 阪 梅田CLUB QUATTRO
2017年12月12日(火) OPEN 18:00 / START 18:30 福 岡 DRUM Be-1
2017年12月15日(金) OPEN 18:30 / START 19:00 宮 城 仙台MA.CA.NA
2017年12月18日(月) OPEN 18:00 / START 19:00 東 京 渋谷CLUB QUATTRO
一般発売:2017年10月1日(日)
※未就学児童の入場不可/小学生以上は
※その他ライブ情報など詳細はオフィシャルサイトへ http://keytalkweb.com/