THE SKIPPERS主催『PUNK THIS TOWN』が地元・池田で初開催、「来年も絶対にやります!」と高らかに宣言
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五月山ステージ・STANCE PUNKS
STANCE PUNKSは「原発ソング」からライブがスタート。 この日は“8月6日”という大切な1日、想いの込められた楽曲はシンプルながらも熱い芯を確認させてくれる。「パンクロックの時間だよ~」と、続いて「ザ·ワールド イズ·マイン」へ。ぐっとスピードを上げ、全身からあふれ出るフラストレーションを音にブチ込んでいくと、ちっぽけな悩みは音に乗っかり瞬時に昇華されてしまう。
STANCE PUNKS 撮影=KEIJU
「鬱憤抱えてるか? 今日は普通のフェスじゃない。PUNKがついてる。幸せいっぱいな人はあっちの出口に! ムラムラしてるやつは入口こっちー!」と、観客を煽り、「クソッタレ解放区~クソッタレ2」「stay young」へと続ける。無性に胸が熱くなるリリック、ストレートなパンクロックサウンドに煽られ、コザック前田や桑原康伸(Ba/ガガガSP)も乱入! その後も血潮に染み込む熱い楽曲陣を披露し、観客にパンクロックの真髄をしかと見せつけてくれた。
STANCE PUNKS 撮影=KEIJU
猪名川ステージ・KNOCK OUT MONKEY
「リハーサルの時間ももったいない!」と、突如ライブをスタートさせたKNOCK OUT MONKEY。「まとめて面倒見てやるからかかってこい!」と、w-shun(Vo/Gt)がけしかけると、波のようにドドドッと観客が前へ押しよせる。「Scream & Shout」ではフロアに身を乗り出し観客に支えられながら歌い、「この瞬間、この場所にパンク好きを集めたTHE SKIPPERSを前に、ぬるいライブをしたくない」と、THE SKIPPERSとは同世代であり、長年ライブハウスで共に闘い抜いてきたからこその意地とプライドが、さらに会場の沸点を突き上げていく。
KNOCK OUT MONKEY 撮影=KEIJU
ステージ袖で観ているJAGGERに向かって、「PUNK THIS TOWNをこれからもずっと続けていくべき。今日はオープニングセレモニーやと思ってます。来年も宜しくお願いします!!」と高らかに宣言。ラスト「Fight」では、観客の興奮が大爆発したお祭り騒ぎのまたとない光景を生み出した。
KNOCK OUT MONKEY 撮影=KEIJU
五月山ステージ・SHANK
13組の出演者の中でダントツのスピード感と楽曲数で、ダイバー∞製造バンドと化したのがSHANK。「MONKEY FUCK」「Life is…」と、3ピースならではの瞬発力高いソリッドなロックサウンドを次々にオーディエンスへぶつけていく。
SHANK 撮影=KEIJU
釣り好きとしても有名な彼ら、ステージ合間には客席にルアーを投げ込む“らしい”サプライズも。 「時間がないんで、曲いっぱいやって帰ります」と、MCもそこそこに「Departure」から、ギラギラと本性剥き出し&狂騒感たっぷりな楽曲陣をぶつけていく。さらに「Restart」からラストへ向けてフルスロットルで駆け抜けると思いきや、あまりのスピード感に持ち時間が余るという嬉しいハプニングが。 急遽2曲を追加、全12曲をハイスピードで突き抜けていった。
SHANK 撮影=KEIJU
猪名川ステージ・My Hair is Bad
「SHANKの次は任せとけ!」と前のめりにMy Hair is Badがライブの火蓋を切ると、衝動をかきむしるようなサウンドで、やりきれない悶々とした歌詞をストレートに届ける。「先輩の企画に出て、簡単には終われねぇ!」、「目をそらすな!」、「俺が変えてやる!」と激情のままに言葉を投げつけていく椎木知仁(Vo/Gt)。地元以外で初めて見たライブがTHE SKIPPERSだったこと、今や10年の付き合いとなり、JAGGERと酒を酌み交わし酔っ払った夜のこと。つのる想いを振り返りながら、リスペクトしているからこそ「一発食らわすような後輩でいてぇ!」と食らいつていく。
My Hair is Bad 撮影=イケガミ ノノ
喜びや怒り、憂い、あらゆる感情を即興でリリックにして問いかけた「ディアウェンディ」。そして、今この瞬間に懸けて全てを出し切りぶつかっていく「フロムナウオン」は圧巻だった。
My Hair is Bad 撮影=イケガミ ノノ
五月山ステージ・GELUGUGU
五月山ステージのトリはGELUGUGU。同じ地元・池田出身であり、THE SKIPPERSのJAGGERが音楽活動を始めるキッカケにもなった、結成21年を迎えるスカバンドだ。揃いの赤のボーリングシャツで決め込んだ彼らは1曲目「CHAMAX AND THE MAGICAL BOOK 2」でオーディエンスを全力で踊らせると、スリリングなホーンに心躍る「LOVE TRAIN」、タイトなスカビートが堪らない「TOXIC CRUSADERS A GO GO」と、ご機嫌なスカナンバーを次々に展開。さらに、池田で生まれた名曲「100 SKA」「ONE TWO」にはオーディエンスも息ぴったりに音に反応していく。 MCでは本イベントが生まれるキッカケでもある、1999~2001年に同場所で開催された野外イベント『Hot Spin Splash』について語り、再び地元の野外でライブができること、それを実現させたTHE SKIPPERSに感謝の気持ちを伝える。
GELUGUGU 撮影=KEIJU
そして「最後、全力で楽しんで」とトリのステージへエールを送り、ステージはいよいよラストへ。彼らのホームでもあったライブハウス・ベイサイドジェニーをタイトルに配した「BAYSIDE JENNY」へ。後輩へのエール代わりか、高らかにホーンが響かせ全8曲のステージが終了した。
GELUGUGU 撮影=KEIJU
猪名川ステージ・THE SKIPPERS
いよいよトリを飾るTHE SKIPPERSが登場。高まりきった会場のボルテージをガソリンに、トップギアで「APOLLO」、「FIGHT FOR US」が繰り出されると、待ってましたといわんばかりに拳がゾクゾクと突きあがっていく。市のゆるキャラ・ふくまるくんも最前列で釘付けになって頭を振ってエールを送る中、「この町でやりたかった!」とJAGGERが喜びを爆発させ「PUNK THIS TOWN」へ。MCでは感極まりながらも、しっかりと地元・池田で思い描いてきたことが実現できた喜びと感謝を真摯に伝えるJAGGER。「もっとかっこいいTHE SKIPPERSを見せたい! これからもずっとPUNK THIS TOWNを続けたいからしっかり生きざま見せて帰るぞーッ!」と「WAY OF LIFE」。
THE SKIPPERS 撮影=KEIJU
切り開いてきた道のりの分だけ、より説得力を増した歌詞がグッとくる。「高校を卒業して18歳の頃、ダサい自分が嫌やから夢持ってTHE SKIPPERSを結成して、池田を出てから15年。“フェスやって、カッコいい自分を見せに帰ったろうや”って。その夢が池田市の協力があって開催できました!」と想いの丈を語り、生まれ育った土地や家族、仲間、そして自分と向き合えたからこそ生まれた新曲「WHEREABOUT」を披露。叫び、歌い、一心不乱に踊る観客の汗と笑顔が広がる忘れられない情景を生み出した。アンコール「THAT TIME」、「FLY」で全てふり絞り、「来年も絶対にやります! ありがとうございました」と言葉を残して締めくくった。
THE SKIPPERS 撮影=KEIJU
メンバーがステージを後にしても、しばらく止むことのなかったダブルアンコール。余韻はそのままに、この日の興奮を求めてライブハウスに足を運んでみたり、あるいは触発されて音楽を始めたり、地元への貢献、何か新しいことを始めてみるのもいい。そんな風に思う1日だった。何より、ここ池田でしか観れない景色のために、来年の『PUNK THIS TOWN』開催を信じて待ってみたい。
取材・文=大西健斗(BUZZ THE BEARS、Northern19、ガガガSP、ニューロティカ、KNOCK OUT MONKEY、My Hair is Bad、THE SKIPPERS) / 黒田奈保子(POT、SIX LOJNGE、SHIMA、STANCE PUNKS、SHANK、GELUGUGU)
撮影=KEIJU(POT、Northern19、ガガガSP、STANCE PUNKS、KNOCK OUT MONKEY、SHANK、GELUGUGU、THE SKIPPERS)・イケガミ ノノ(BUZZ THE BEARS、SIX LOJNGE、SHIMA、ニューロティカ、My Hair is Bad)