水面に揺らめく約1万個の燈籠の優しい灯りと夜空に咲く花火の共演が美しい『宮津燈籠流し花火大会』
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丹後の夏の風物詩『宮津燈籠流し花火大会』が8月16日(水)、京都府宮津市の島崎公園一帯で開催された。初盆を迎えた故人の霊を供養する精霊船や燈籠の優しい灯りと、色鮮やかな花火の幽玄さが晩夏の宮津湾と上空の夜空に光り輝いた。その魅力を現地からレポートする。
会場である島崎公園に到着すると、宮津湾に流す燈籠を販売するブースが見えた。希望者は当日でも購入することが可能で、飛び入り参加ができるのは嬉しい。
先祖の霊を極楽浄土に送る精霊送りとして、江戸初期に始まった宮津の燈籠流し。その後、大正時代に花火を打ち上げ始めたことを契機に、現在の『宮津燈籠流し花火大会』の形になったという。
会場を見渡してみると、燈籠流しの準備が着々と進んでいる。観覧客が続々と集まり始めたので、有料観覧席に向かうことにした。
有料観覧席は宮津湾の目の前に設置されていた。ここで観覧すれば迫力があるに違いない。
日が沈んだ19時。紅白の燈籠と精霊船が宮津湾に流され始めた。優しい灯りが風に揺れ、少しずつ進んでいく。燃え上がる精霊船と約1万個の紅白の燈籠が湾内を埋め尽くすと、会場は幻想的な雰囲気に包み込まれた。
燈籠を流し終えると、花火大会がスタートした。はじめに、先祖供養の記念花火シリーズが続々と打ち上げられる。一発一発がどっしりと、とても綺麗に打ち上がった。
記念花火シリーズを終えると、いよいよオープニング。スターマインが次々と打ち上げられた。水上の燈籠と夜空に咲く花火のコントラストは、他では見られない情景である。情緒溢れる景色は思わず息を飲むほどの美しさだった。
祭りが終わり会場を後にすると、すぐ近くの店から良い香りが漂ってきていた。その香りにつられて入店したのは「カネマスの七輪焼き」。ここでは、丹後の海でとれた旬の魚介類や地鶏、野菜などを、目の前の七輪で焼いて提供してくれる。
さすがは新鮮な魚介類。身がぷりぷりしている。
さらに、宮津名物「黒ちくわ」もいただくことにした。しっかりとした歯ごたえで、魚のうまみが口の中に広がっていく。濃厚な味わいだ。
なぜ「黒ちくわ」なのかと聞いてみると、宮津湾近海でとれるイワシやアジなど、黒っぽい色のすり身を多くしようしているためにそう呼ばれているそうだ。ついつい日本酒がすすんでしまう旨さ。次に宮津に来たときにも必ず立ち寄りたいと思う店だった。
日本は楽しい。祭りも楽しい。花火まつりちゃんの旅は続く。