久野那美率いる「匣の階」が神戸でリーディング公演

2017.9.8
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舞台

イストワール第8話 匣の階『Port- 見えない町の話をしよう -』公演チラシ [デザイン]小泉しゅん [写真]紅たえこ


開港150年を迎えた神戸の街の「記憶」をめぐる、45分の朗読劇。

大阪の戯曲賞「OMS戯曲賞」最終選考に残った作家たちが、関西に縁のある人物や事件を題材にしたリーディング作品を発表するシリーズ「イストワール」。8作品目となる『Port- 見えない町の話をしよう -』が、神戸開港150周年記念事業「港都KOBE芸術祭」と連携する形で上演される。

今回作・演出を担当するのは「階」の久野那美。新作ごとに新たなユニット名を付けて、上演が終われば解散するというユニークな活動をしている。今回は「匣(はこ)の階」名義で、人物や事件ではなく神戸港という“場所”について語る作品を発表。神戸という土地が生まれ、港が生まれ、やがて時代の流れとともに形を変えていく姿を、四部構成のオムニバス形式で語っていく。しかもその歴史を具体的に見せるのではなく、一見他愛のない会話やモノローグを通じて、次第に土地の記憶(あるいは架空の記憶)を浮かび上がらせるという、一風変わった朗読劇に挑戦するそうだ。

参考記事→OMS戯曲賞で高評価を受けた作品の再演(久野那美の紹介記事)

常識から数センチほど浮き上がったような視点と詩的な語り口が特徴で、最終候補に残った「第22回OMS戯曲賞」の選考会では、委員の一人・渡辺えりに「生きる希望を見出された」とまで言わせしめた久野。来年1月には「第5回OMS戯曲賞」佳作受賞作品『パノラマビールの夜』を、何と20年ぶりに再演するので、ぜひその前にこの45分程度の小品で「階」の不思議な世界を味わってみては。公演特設サイトでは今回の台本の一部を公開しているので、ぜひ参考にしてほしい。

公演情報
イストワール第8話 匣の階『Port- 見えない町の話をしよう -』
 
■日時:2017年9月17日(日)・18日(月・祝) 17日= 20:00~、18日=13:00~/16:00~/19:00~
■会場:神戸アートビレッジセンター 一階ギャラリー
■料金:一般1,300円、大学・専門学校生1,000円、高校生500円 ※当日券は空席がある時のみ発行。小さな会場のため、事前予約をおすすめします。
■作・演出:久野那美
■出演:大西智子(あなざーわーくす)、七井悠(劇団飛び道具)、中村彩乃(安住の地/劇団飛び道具)、三田村啓示(空の驛舎)、プリン松、渡辺裕子
■公演特設サイト:http://floor.d.dooo.jp/hako/