歴代優勝者は賞金王になる!? 今季の賞金王レースを占う「ダイヤモンドカップ」開催
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難コースのカレドニアン・ゴルフクラブを制するのは誰か。今季の賞金王レースを占うダイヤモンドカップは注目の試合だ
ダイヤモンドカップ―。かつては三菱ギャラントーナメント、キリンオープンゴルフという名称でも開催されたことがあった人気ゴルフトーナメントで、大洗ゴルフ倶楽部や狭山ゴルフ・クラブ、東広野ゴルフ倶楽部など、日本屈指の名門、難コースで開催されることで有名な大会でもある。毎年、違う都道府県で開催されるサーキットトーナメントで、今年は9月21日(木)~24日(日)まで、カレドニアン・ゴルフクラブ(千葉県山武郡横芝光町)で行われる。
話は日本プロゴルフ選手権になるが、“真の実力者だけ勝利する”ことを目標に開催されている日本の4大メジャーの一つで、戦略性のあるゴルフコースで行われている。1926年から開催され、格式のあるナショナルオープンである日本オープンゴルフ選手権(1927年から開催)より歴史のある大会だ。日本オープン同様、ラッキーやフロックでは優勝できず、“最高のパフォーマンスを発揮した最高のゴルファーだけが結果を出せる”大会のため、会場もそれに応えられるコースが選ばれる。今年のダイヤモンドカップゴルフは、その日本プロゴルフ選手権の2000年大会の会場となったカレドニアン・ゴルフクラブが選ばれた。
とにかくこのコース、フェアウェイに平坦なところが少ない。世界で200以上のゴルフ場を設計している名匠、J・マイケル・ポーレット氏の手によるもので、ゴルフ発祥の地であるスコットランドのリンクスを意識して作られた。トッププレーヤーのテクニック、精神力を試されるコースでもある。
ドライバーでナイスショットを打っても、2打目で絶好のライが約束されるわけではないため、どちらかと言えばアイアンやウェッジを上手く操れるショットメーカー向きのコースとも言える。2000年の日本プロゴルフ選手権の時も、優勝(佐藤信人プロ)スコアは4アンダーで、アンダーパーはたった9人とトッププロらを苦しめた。それだけでも、どれほど高難度のコースか分かろうというものだ。それから約20年。コースも改修はされているが、格段に進化したクラブと技術向上で、現役のトッププロたちがこのカレドニアンを、どれくらいのスコアで回るのかも興味が沸く。
さて、今年の男子ツアーもこのダイヤモンドカップを入れて残るはあと11試合。秋以降は高額賞金大会が目白押しとなるので、ほとんどのプロたちはこの季節からギアを一段上げてくる。同大会は真の実力者でないと捻じ伏せることはできず、逆に言えば後半の戦いを占う大会とも言える。それだけにこの難コース、カレドニアンをトッププロたちがどう攻めるのか、ゴルフファンには堪らない見どころになるだろう。
昨年はアジアンサーキット枠で出場した台湾の詹世昌(センセイショウ)選手が、最終日に62というビッグスコアを出して大逆転優勝を遂げた。しかし、詹世昌はともかく、歴代優勝者には面白い傾向がある。
最新の過去7年をみてみよう。2010年と2015年の大会でこのダイヤモンドカップを制した金庚泰(キム・キョンテ)は、その年の賞金王になった。2011年大会優勝の小田孔明は2014年の賞金王に、2012年と2014年大会を制した藤田寛之は2012年の賞金王に、そして2013年大会を制した松山英樹も同年の賞金王に輝いている。ダイヤモンドカップを制するものは、賞金王への“優待
獲得賞金額が約7,587万円(9月18日現在)と、日本人トップの宮里優作が、今年のトーナメントレースをかなり有利に展開している。同じく積極的に海外に挑戦している小平智も前週4位となり(賞金ランキングも4位)、初の賞金王へ意欲を示している。飛んで曲がらないドライバーは現男子ツアー内でも一目置かれている。だが、今大会は成長著しい今平周吾に注目したい。身長165センチながら、ドライビングディスタンスは平均291ヤードを超える。そのほか平均ストロークパット数なども上位に入る安定ぶりで、5月に行われた関西オープン以来の2勝目をあげたいところ。前週のANAオープンでは優勝を逃しプレーオフでも惜敗。それでも2位タイの賞金924万円を上乗せしてランキング2位を堅持。目下、平均ストローク№1で唯一60台(69.89)に乗せている、今季安定感抜群の小平智(ANAオープンでは4位)を若干ながら引き離した。控えめな性格のため、人を押しのけるくらいのどん欲さが加われば一気にランキングトップとなる可能性もある。
そして昨年の賞金王、池田勇太も後半戦の目玉になるだろう。今年、海外に積極的に参戦したが4大メジャーすべてで予選落ち。惜しかったのはマスターズと全米オープンで、いずれも1打差で苦渋を舐めた。全英オープンと全米プロは2日目にともに79と撃沈。調子が悪かったわけではないにもかかわらず結果が伴なわなかった。その腹立たしい気持ちを国内戦にぶつけ、8月のRIZAP KBCオーガスタで今季初優勝を遂げた。2年連続の賞金王獲得も明言しており、秋の陣は前半戦の遅れを一気に挽回する意気込みで臨むはずだ。まさにそれを証明するかのように、前週のANAオープンで今季2勝目を挙げた。賞金ランキングも2200万円を上乗せし、一気に13位から6位にジャンプアップ(約5748万円)。秋は賞金総額2億円(優勝賞金4000万円)の大会も目白押し。かつての名馬、ディープインパクトのような“まくり”でファンに強烈なインパクトを与えるつもりだ。
ますます目が離せない男子ゴルフ秋の陣のファンファーレは鳴った。アジアパシフィックオープンとしてタイやフィリピン、南アフリカ、アメリカなど全世界から約20か国の選手が集うダイヤモンドカップ。世界中を転戦するゴルフファイターも一攫千金を狙っている。難関コースのカレドニアンの戦いは、ファン必見のエキサイティングな試合となるはずだ。