スガ シカオ20周年『スガフェス!WEST』、佐野元春からきんに君まで多彩なゲストと歓喜のフィナーレ
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『スガフェス!WEST』 撮影=渡邊一生
スガ シカオのデビュー20周年イヤーにおけるランドマークともいえる『スガフェス!』の大阪版、『スガフェス!WEST』が大阪城ホールで開催された。以下、オフィシャルレポートにてその模様をお届けする。
さいたまスーパーアリーナの『スガフェス!』が、スガ シカオと親交のあるアーティストをこれでもかと呼んで盛り上がるアーティスト主催フェス・スタイルであったのに対して、今回の『スガフェス!WEST』は、前半部分のkokuaと、後半部分のスガバンドが対バン形式で贈る、まさに20年分のスガシカオ楽曲をたっぷり味わえる贅沢な構成になっている。また、それだけでなくゲストも、佐野元春に大槻ケンヂ、片平里菜、それに、なかやまきんに君と濃厚な面々が集まった。
スガ シカオ 撮影=渡邊一生
夏のような日差しが降り注ぐ大阪城ホール周辺では、なりきりスガシカオ選手権『スガうたダンジョン』が特設ステージで行われていたり、スガが提唱する「かけすぎ部」とコラボしたメニューが並ぶ屋台など、お祭りムードに包まれている。また、FM802の番組公開収録では、スガシカオ本人が登場。デビューした’97年に初出演した同局主催の大型野外イベント『MEET THE WORLD BEAT』で披露した「黄金の月」の秘蔵音源が流れるなど、集まったファンから歓声が上がり、まるでライブ会場のような盛り上がりを見せた。
オープニングアクトの、とみいはなこ、藤田悠也、小松未奈とつづいて、次に現れたのは……「東京都から来ました、スガシカオです」、まさかのご本人様登場的な演出に会場が騒然となる。「フォノスコープ」「夜空ノムコウ」、最後は「ヒットチャートをかけぬけろ」を披露。自らデビューの頃まで時間を巻き戻すような選曲が、20周年の特別感とスガ シカオのプライドを感じさせた。
kokua 撮影=渡邊一生
この日のスガ シカオは金髪。それは「デビュー直後から支持してくれた大阪のみなさんに感謝を込めて金メダルを捧げたい!」という思いから。ヘアーサロンまでしつこく追いかけるオープニング映像のあと、重低音の宇宙的なSEの中、kokuaが登場。武部聡志(Key/バンドマスター)、屋敷豪太(Dr)、小倉博和(Gt)、根岸孝旨(Ba)、スガ シカオ(Vo)というラインナップの言わずと知れたスーパーバンド。横一列に各パートがフラットに並ぶ姿が、きちんと5人一組のバンドであることを主張しているようだ。放たれる1音1音の説得力がすごい。ぐいぐいと曲の世界に引き込まれる。とくに中盤の「砂時計」「私たちの望むものは」「黒い靴」の流れは圧巻だった。
kokua 撮影=渡邊一生
kokuaのパートでゲストとして登場したのは佐野元春。「YOUNG BLOODS」のイントロが鳴った瞬間、会場じゅうからハンドクラップの嵐が巻き起こる。曲終わりのMCでは、スガ シカオの声も完全に上ずっている。次は、スガがどうしても一緒にやりたいとリクエストした「情けない週末」。1980年のデビューアルバムに収録されているこの曲は、なんと佐野が十代の頃に作ったのだそう。それを聞いて思わず、「佐野さんと同世代だったら、おれ音楽やってなかったかも」と嘆息した。そして最後は名曲「SOMEDAY」。曲に行く前の「これからもずっと追いかけていきます」というスガの言葉がそのままイントロになっているかのようで、連綿と音楽が受け継がれていく様を垣間見たような気がした。
佐野元春 / スガ シカオ 撮影=渡邊一生
kokua最後はもちろんあの曲「Progress」。オリジナルメンバー&レコーディング時と同じ楽器、機材による完全オリジナル・バージョン。完璧にやり切ってスガバンドへバトンタッチした。
インターバルの時間には、なかやまきんに君がサブステージに登場。ボン・ジョヴィの「It’s my Life」のイントロに合わせて次々筋肉ポーズを決めていき、最後はシャウトとともに粉チーズを全部ぶちまける「マグマスパゲティー」なる料理の作り方を公開してくれた。スガ シカオのかけすぎ部との夢のコラボ完成の瞬間だ。
なかやまきんに君
スガバンドを従えてのライブは「あまい果実」からスタート。このパートでは、まず片平里菜がゲストに登場。大阪城ホールであえて弾き語りでのライブを選択し、4曲を披露。中でも「家族のことをドライに表現するのはおれだけだと思っていたけど、ここにもいた」とスガが評する「なまえ」のセッションが印象的だった。
片平里菜 / スガ シカオ 撮影=渡邊一生
そしてラスボス的に登場したのは大槻ケンヂ、いきなりの「日本印度化計画」から“爆笑トーク”(©スガシカオ)を挟み、日本のソウルファンクの名曲「とん平のヘイ・ユー・ブルース」を投下。同い歳でまったく違う音楽人生を歩んできたオーケン×スガシカオがファンクに交わった。
スガ シカオ / 大槻ケンヂ 撮影=渡邊一生
熟成されたkokuaに対して、スガバンドの魅力は、これからも変化していくアンバランスさにある。気持ちいいだけではない、異物感があることが、スガ シカオ楽曲の危なっかしさと相まって独特のグルーヴを生んでいく。「コノユビトマレ」で盛り上がる中、大量の風船が咲き乱れる光景を見たスガは「こんな最高の景色を本当にありがとう。一生忘れないよ!」とステージ上からメッセージを送った。本編ラストは「イジメテミタイ」、アンコールは「したくてたまらない」と、らしい選曲だった。
スガ シカオ 撮影=渡邊一生
スガ シカオを全国に先駆けて評価した大阪の地で、スガ シカオとファンの間で交わされた熱い抱擁は、幸せなグルーヴに包まれてフィナーレを迎えた。そして、新しい一歩が、またここから刻まれたことが何より感動的だった。
終演後には、会場内のビジョンで12月に初のアジアツアー『20th Anniversary Special Suga Shikao Asia Circuit』を開催することを発表。このツアーはスガのメジャーデビュー20周年記念イヤーの締めくくりとして企画されたもので、12月8日のシンガポールを皮切りに台湾、日本の3カ国で行われる。
撮影=渡邊一生
スガ シカオ 撮影=渡邊一生
■kokua
01.BEATOPIA
02.夢のゴール
03.Stars
04.街角
05.砂時計
06.私たちの望むものは
08.黒い靴
08.YOUNG BLOODS
09.情けない週末
10.SOMEDAY
12.Blue
13.午後のパレード
14.Progress
なかやまきんに君
15.あまい果実
16.Real Face
17.Party People
18.19才
19.最高の仕打ち
20.煙たい (w/スガ シカオ)
21.なまえ (w/スガ シカオ)
22.Come Back Home
24.黄金の月
25.アストライド
26.夕立ち
27.日本印度化計画
28.とん平のヘイ・ユー・ブルース
29.踊るダメ人間
31.日曜日の午後
32.真夜中の虹
33.アシンメトリー
34.奇跡
35.コノユビトマレ
36.イジメテミタイ
37.したくてたまらない
・2017年12月8日(金) シンガポール Zepp@Bigbox Singapore
・2017年12月17日(日) 台湾 Legacy Taipei
・2017年12月26日(火) 日本 EX THEATER ROPPONGI
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