グラミー賞2年連続受賞のネルソンス率いるボストン交響楽団が11月に来日 ~現職音楽監督との日本公演は小澤征爾以来18年ぶり~
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Boston Symphony Orchestra and Andris Nelsons (Photo by Marco Borggreve)
アンドリス・ネルソンス指揮ボストン交響楽団が2017年11月に東京・名古屋・大阪・川崎で来日公演をおこなう。
1881年に創立し、今年で136年目のシーズンを迎える米国屈指の名門ボストン交響楽団は、本拠地ボストンでの公演のほか、世界で最も重要な音楽祭の一つと言われるタングルウッド音楽祭、同楽団の首席奏者で構成されるボストン交響楽団室内アンサンブルや、ボストン・ポップス・オーケストラなどで世界的に知られている。また教育プログラムや社会貢献活動も積極的に行うと共に、ITやヴァーチャルメディアを活用するなど、現代社会のニーズに応じた幅広い活動を行っている。
Boston Symphony Orchestra and Andris Nelsons (Photo by Marco Borggreve)
歴代の音楽監督は、初代ヘンシェルからゲーリケ、ニキシュ、クーセヴィツキー、ミュンシュ、スタインバーグと引き継がれ、13代目には小澤征爾が1973年から29年間、2002年に桂冠音楽監督に任命されるまで務めあげたことは特に有名だ。2004~2011年はレヴァインがアメリカ人初の音楽監督を務め、2014年シーズンからは国際的に活躍する俊英ラトビア人指揮者のアンドリス・ネルソンスが就任、瞬く間に2016年、2017年のグラミー賞を二年連続で受賞した(最優秀オーケストラ演奏賞 ※2016年ショスタコーヴィチ:交響曲第10番、2017年同第5,8,9番)。今回はそのネルソンス指揮による来日公演であり、現職音楽監督の指揮による演奏会としては1999年小澤征爾が率いた来日公演以来、実に18年ぶりとなる。
なお、今回3日間の東京公演では、11月7日に米国を代表するヴァイオリニストのギル・シャハムがチャイコフスキーの「ヴァイオリン協奏曲」、11月8日にボストン響首席奏者のエリザベス・ロウ(フルート)とジェシカ・ジョウ(ハープ)がモーツァルトの「フルートとハープのための協奏曲」を奏で、11月9日はハイドンの「太鼓連打」とマーラー「巨人」という2曲の交響曲の構成で、それぞれ違った魅力を聴き比べることができる。
さらに期間中は教育プログラムの一環として、ボストン交響楽団首席奏者によるマスタークラスや、無料公開リハーサル、ボストン交響楽団青少年プログラム(中高生対象、一般販売なし)も開催される。
Boston Symphony Orchestra and Andris Nelsons (Photo by Marco Borggreve)
■指揮者アンドリス・ネルソンス(音楽監督)よりメッセージ
「ボストン交響楽団音楽監督として、ボストン交響楽団と共にはじめて日本の地を踏むことができ非常に光栄に思います。日本は素晴らしい国ですし、かつて小澤征爾桂冠音楽監督がボストン響を率いていたこともあり、我々にとって非常に重要な歴史をもった国でもあります」
「日本在住のボストン響ファンの皆様には今回のレパートリーを是非お楽しみいただければ幸いです。ボストン響の比類なき音楽的資質を表現すべく、我々が選んだ楽曲です。ラフマニノフの激しく、感情的で表現力溢れる楽曲から、新しい思考を取り入れたマーラーの壮大な楽曲、ショスタコーヴィチによる1905年のロシア革命を鮮やかに描き出した楽曲、ハイドンの多彩な音色の楽曲まで、一連の交響曲作品は、思考、感情、インスピレーションを自在に表現するボストン響の類まれなる能力を表すのにふさわしい、幅広さと奥行きの深さを示す選曲となりました。さらに、ボストン響にとって至宝ともいえるゲストソリストの一人であるギル・シャハムを迎え、チャイコフスキーの名作、ヴァイオリン協奏曲を演奏いたします。またボストン響が誇る2人の名音楽家、首席フルート奏者のエリザベス・ロウと首席ハープ奏者のジェシカ・ジョウに焦点をあて、モーツァルトのフルートとハープのための協奏曲をお届けできることも大変光栄に思います」
「素晴らしい音楽をお届けすることはもちろんのこと、私たちは日本の美しい情景や刺激に満ちた大都会に触れ、素晴らしい和食を堪能する機会も非常に楽しみにしております。寿司は私個人の大好物なのです。また、非常に寛大で温かく、親切な日本の皆さまと交流できることも心待ちにしております。日本の聴衆の皆さまは、いつもボストン響を温かく、称賛と愛情をもって迎えてくださいます。そして何よりも大切なことは、我々の演奏によって、お客様に真のインスピレーションを感じ取っていただければと思います。またお会いするときまで覚えていて頂けるような心に残る演奏をお届けしたいと思います!」
(ボストン交響楽団ニュースリリースより引用、日本語訳)
アンドリス・ネルソンス(音楽監督) インタビュー:「ボストン交響楽団 日本ツアー2017」サントリーホールで11月開催
■プロフィール
指揮:アンドリス・ネルソンス(音楽監督)
1978年ラトビア・リガ生まれ。ラトビア国立歌劇場のトランペット奏者としてキャリアをスタートさせ、北西ドイツ・フィル首席指揮者、ラトビア国立歌劇場首席指揮者、バーミンガム市交響楽団音楽監督を経て、2014年にボストン交響楽団第15代音楽監督に就任。翌15年にはボストン響との契約が2021-22年シーズンまで延長される。2017-18年シーズンにはライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団のカペルマイスター(楽長)に就任。ベルリン・フィルやウィーン・フィル、ロイヤル・コンセルトヘボウ管など、欧州の主要オケにもたびたび客演している。ボストン響とは15年に欧州の主要首都8都市で計12公演を行い、ルツェルン、ザルツブルク、グラーフェネックの音楽祭に参加。16年には2度目の欧州公演を行い、ドイツ、オーストリア、ルクセンブルクの全8都市を廻った。また2014-15年シーズンから、ショスタコーヴィチの全交響曲ライブ演奏収録を行っており、第1弾では「ムツェンスク郡のマクベス夫人」からパッサカリアおよび交響曲第10番を収録。第2弾は交響曲第5、8、9番および劇付随音楽「ハムレット」を収録し、それぞれ2016、17年のグラミー賞(最優秀オーケストラ演奏賞)を受賞した。
Andris Nelsons (Photo by Marco Borggreve)
ヴァイオリン:ギル・シャハム(11/7)
1971年生まれのギル・シャハムは、現代で最も傑出したヴァイオリニストの一人である。非の打ち所がない完璧なテクニックと、独特の温かみと高潔さが合わさって、アメリカにおける巨匠としての名声をほしいままにしている。81年エルサレム響およびイスラエル・フィルとの公演でデビュー。2008年にエイヴリー・フィッシャー賞を受賞。12年にはミュージカル・アメリカから年間最優秀器楽奏者に選出され、その演奏は「特別なヒューマニズム」を奏でる、と評された。グラミー賞受賞者でもあり、ベルリン・フィルやパリ管をはじめ世界中の名だたるオーケストラや指揮者と共演している。使用楽器は1699年製ストラディバリウス「ポリニャック伯爵夫人」。
Gil Shaham (Photo by Luke Ratray)
フルート:エリザベス・ロウ(11/8)
2004年入団。ボストン交響楽団室内楽アンサンブルのメンバーとして「20世紀フランス室内楽作品集」の録音に参加しグラミー賞にノミネート。ソリストとしてもボストン響と共演多数。卓越した指導者としても知られ、指導を受けるために全米から生徒が集う。現在ニューイングランド音楽院およびタングルウッド・ミュージック・センターで教鞭をとる。
Elizabeth Rowe (Photo by Marco Borggreve)
ハープ:ジェシカ・ジョウ(11/8)
2009年入団。アメリカやフランスなどの国際的な主要コンクールに入賞。ニューヨーク・シティ・オペラの首席ハープ奏者を5シーズン務め、その他にもスイス・ロマンド管やロンドン響、ニューヨーク・フィルとも共演。ソリストとして参加したボストン交響楽団室内楽アンサンブルの録音はグラミー賞にノミネートされた。現在ボストン大学、ニューイングランド音楽院などで教鞭をとる。
Jessica Zhou (Photo by Marco Borggreve)
管弦楽:ボストン交響楽団
ボストン交響楽団の初公演は1881年にさかのぼり、今年で136年目のシーズンを迎える。本拠地ボストンでの公演のほか、世界で最も重要な音楽祭の一つとして挙げられる夏のタングルウッド音楽祭、同楽団の首席奏者で構成されるボストン交響楽団室内楽アンサンブルや、ボストン・ポップス・オーケストラは世界的に知られている。また、「エデュケーション・コミュニティー・エンゲージメント・プログラム」を通じて、ボストンとタングルウッドでの教育プログラムや、ボストンの街全体を巻き込んだ教育・社会支援活動も積極的に行っている。その他にもインターネットやヴァーチャルメディアなどの手段を幅広く活用し、変化の激しい現代社会を常に意識している。音楽監督は初代のヘンシェルからゲーリケ、ニキシュ、クーセヴィツキー、ミュンシュ、スタインバーグらへと引き継がれ1973年には小澤征爾が13代目音楽監督に就任。小澤は桂冠音楽監督に任命される2002年まで29年間務め、2004~11年はレヴァインがアメリカ人として初めて音楽監督を務めた。2014年シーズンからは国際的に活躍する若手ラトビア人指揮者アンドリス・ネルソンスが音楽監督に就任、同楽団の新たな時代の幕開けとなった。
Boston Symphony Orchestra and Andris Nelsons (Photo by Marco Borggreve)
アンドリス・ネルソンス指揮ボストン交響楽団
<各公演共通>
特別協賛:KDDI株式会社
後援:アメリカ合衆国大使館
■日時・曲目:
2017年11月7日(火)19:00開演(18:20開場)
・チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35 (ヴァイオリン:ギル・シャハム)
・ショスタコーヴィチ:交響曲第11番 ト短調 作品103「1905年」
2017年11月8日(水)19:00開演(18:20開場)
・モーツァルト:フルートとハープのための協奏曲 ハ長調 K299 (K297c)
(フルート:エリザベス・ロウ/ハープ:ジェシカ・ジョウ ―ボストン交響楽団首席奏者)
・ラフマニノフ:交響曲第2番 ホ短調 作品27
2017年11月9日(木)19:00開演(18:20開場)
・ハイドン:交響曲第103番 変ホ長調 Hob. I-103「太鼓連打」
・マーラー:交響曲第1番 ニ長調「巨人」
■会場:サントリーホール 大ホール
■
■主催:サントリーホール
■公式サイト:http://www.suntory.co.jp/suntoryhall/feature/BSO2017/
<名古屋公演>
第35回名古屋クラシックフェスティバル
■日時:11月3日(金・祝)17:00開演
■会場:日本特殊陶業市民会館フォレストホール
■曲目:
・チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
(ヴァイオリン:ギル・シャハム)
・マーラー:交響曲第1番 「巨人」
■問合せ:中京テレビ事業 052-588-4477
■主催:中京テレビ
<大阪公演>
第55回大阪国際フェスティバル2017
■日時:11月4日(土)16:00開演
■会場:フェスティバルホール
■曲目:
・チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
(ヴァイオリン:ギル・シャハム)
・ショスタコーヴィチ:交響曲第11番 「1905年」
■問合せ:フェスティバルホール 06-6231-2221
■主催:朝日新聞文化財団/朝日新聞社/大阪フェスティバル協会/フェスティバルホール
■協賛:アイリスオーヤマ/朝日放送/京都銀行/大和ハウス工業/日立製作所
<川崎公演>
■日時:11月5日(日)15:00開演
■会場:ミューザ川崎シンフォニーホール
■曲目:
・チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
(ヴァイオリン:ギル・シャハム)
・マーラー:交響曲第1番 「巨人」
■問合せ:ミューザ川崎シンフォニーホール 044-520-0200
■主催:ミューザ川崎シンフォニーホール/サントリーホール
KDDI スペシャル
ボストン交響楽団 首席奏者によるマスタークラス(フルート:エリザベス・ロウ)
11月6日(月)19:00開始 ブルーローズ(小ホール)
KDDI スペシャル
ボストン交響楽団 無料公開リハーサル
11月7日(火)10:30~12:00(予定) 大ホール
※要応募、募集は締め切りました。
KDDI スペシャル
ボストン交響楽団 青少年プログラム
11月8日(水)11:00~12:15(予定) 大ホール
中高生を対象とした学校単位での参加となる特別プログラム。一般販売なし。
詳細はサントリーホールのホームページにて http://www.suntory.co.jp/suntoryhall/feature/BSO2017/