渡辺信一郎監督が描く『ブレードランナー ブラックアウト 2022』本編が公開に　脱走したレプリカントが起こした”大停電”の真相とは

『カウボーイビバップ』の渡辺信一郎監督による短編アニメーション『ブレードランナー ブラックアウト 2022』が、全世界に先がけて公開された。

『ブレードランナー ブラックアウト 2022』は、SF映画の金字塔『ブレードランナー』と、その続編『ブレードランナー 2049』をつなぐアニメーション作品。『ブレードランナー』は、フィリップ・K・ディックのSF小説『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』（原題：Do androids dream of electric sheep?）を原作とした映画だ。「レプリカント」と呼ばれる人造人間をはじめ、スコット監督が描いた独自の近未来世界は、小説・映画・アニメ・マンガ・ゲームなどその後のあらゆる作品に影響を与え、現在でもSF映画の金字塔と評されている。10月27日には、同作の続編にあたる映画『ブレードランナー 2049』が公開される。『プリズナーズ』などのドゥニ・ヴィルヌーヴ監督がメガホンをとり、前作の30年後＝2049年を舞台とし、あらたなブレードランナー＝K（ライアン・ゴズリング）や、デッカード（ハリソン・フォード）が登場する。

渡辺監督がメガホンをとった『ブレードランナー ブラックアウト 2022』は、『ブレードランナー 2049』のタイトルにちなみ、本日9月26日20時49分にYouTubeで解禁された。同時に、作品のコンセプトアートも公開されている。『ブレードランナー』にも登場したパン・アメリカン航空のロゴマークや、 知る人ぞ知る“強力わかもと”の広告を思わせる芸者ガールも登場。制作にあたって渡辺監督が、「アニメ版を制作するにあたり気を付けたのは、『ブレードランナー』に最大限のリスペクトを払うこと」と語ったように、ディティールにこだわって映像化されたことがわかるビジュアルとなっている。

 

『ブレードランナー ブラックアウト 2022』の舞台となるのは、デッカードが恋人の女性レプリカント・レイチェルと共に姿を消してから3年後＝2022年の世界。前作の舞台である 2019年から2049年にいたるまでの“空白の30年間”の中で、シリーズの鍵を握る“大停電（ブラックアウト）”のエピソードが描かれている。劇中では、イギーとトリクシー、男女2人のレプリカントが登場。2022年に、労働力として製造された人造人間・レプリカントが、“人間になるために”起こした事件が、大停電=ブラックアウトなのである。イギーたちは、大停電によって世界中の電子機器をシャットダウンさせ、レプリカントにまつわる全てのデータを抹消することで“人間とレプリカント”の境界線を崩そうとした。イギーが明かしたそのシナリオに、トリクシーは「私たち人間になれるの？」と問いかける。そして、計画が実行されたとき、世界が暗闇に包まれ、電子データのほぼ全ては破損し、レプリカントの製造は禁止されるのだった。アニメの中では、イギーが軍から脱走したレプリカントのひとりだったことが明らかに。そして、イギーと同じく軍から逃げ出したレプリカントとして、『ブレードランナー 2049』にも登場するサッパー（デイヴ・バウティスタ）が映し出される。果たして、大停電とサッパーは『ブレードランナー 2049』でどのような役割を果たすのか？

『ブレードランナー ブラックアウト 2022』では、監督・脚本を渡辺信一郎氏が、 キャラクターデザイン・作画監督を『ガサラキ 』の村瀬修功氏が、音楽をFlying Lotus（フライング・ロータス）が担当。イギーを松田健一郎が、 トリクシーを青葉市子が、 レンを古川慎が演じている。

映画『ブレードランナー 2049』は10月27日（金）全国ロードショー。