美しさと怖さが絡み合う……紀伊山地の“混沌”を収めた写真集『狼煙』が発売 世界遺産・熊野古道を25年間に渡って撮影

2017.10.1
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(C)SoheiTerui

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写真家・照井壮平氏による写真集『狼煙(のろし)』が2017年10月2日(月)に発売される。

同写真集は、和歌山県・和歌山市を拠点に活動する出版レーベル“道音舎(みちおとしゃ)”から刊行される。照井氏は、和歌山市在住の写真家で、これまで熊野古道・大峯・高野山など、自ら暮らす紀伊半島を撮り続けてきた。その数々の作品は『ナショナルジオグラフィック』などにも掲載される、海外からも評価を得ている。

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照井氏によるエッセイより:熊野古道にそびえる一本杉は、全て枝が熊野那智大社の方角に向かって伸びていると言われています。樹齢80年なんて聞くと、木と人が重ね合わせてきた時間のスケールに圧倒されてしまいます。この国が大きな災害に見舞われた日も、ぼくが人生の危機に直面し ていたあの時も、ここでどっしり立っていたのだなと……。


写真集『狼煙』は、都市部からの視線で視覚化された熊野像に違和感を持った照井氏が、“聖地”の発生原点を追い求めるように山野を駆け巡り、25年間に渡り撮影を続けてきた写真集。照井氏が同作で写し撮るのは、「美しい」、「神々しい」といった従来のイメージとは異なる、「どろりとした濃厚な自然」だという。『狼煙』には、美しさと怖さが絡み合う紀伊山地の“混沌”を、全112ページの中に写真とエッセイの形にして収めている。

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照井氏によるエッセイより:日高川を撮影中、龍神村のダムで猪の足を見つけたんです。まだ子どものウリ坊の、ちっちゃな足の先だけがポツンとありました。風が吹いたら貯水池に落ちてしまいそうな場所です。トンビが置いたのかな。山中では白骨化した鹿なんかもよく見ます。小動物に喰われ、微生物に分解され尽くした姿は 生き物として見事やなと思います。すごろくに例えると、あがりの状態。
 
 

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照井氏は、10月5日から8日に開催されるTOKYO ART BOOK FAIRへの出展や、11月3日から9日の期間に『狼煙』の写真展を開催するなど、今後も写真家としての精力的に活動していく。

書籍情報
写真集『狼煙』

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照井壮平
出版:道音舎

出版日:2017年10月2日
価格:6,400円(500部限定)
ページ数:112ページ(日本語+英語)
販売店:『狼煙』公式サイト/和歌山市内書店(荒尾成文堂/多屋孫書店など)/代官山蔦屋書店
『狼煙』公式サイト:http://pub.michi-oto.com/noroshi/
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