URBAN RESEARCHとコラボシングルを発売！　大阪発のR＆Bバンド Neighbors Complainインタビュー

大阪発のR＆Bバンド・Neighbors Complainが、アパレルブランドのURBAN RESEARCH×NANGAアウター新商品とコラボレーションした会場限定シングル「Life Goes On」を12月4日(月)にリリースする。ファンクやディスコ、幅広い年代のR&Bを昇華させたルーツへの愛溢れるサウンドと磨き上げられた演奏スキルが注目を集めるNeighbors Complain。2014年の結成からわずか3年にして京セラドームで国歌斉唱の大役を果たし、大阪サンケイホールブリーゼでのワンマンライブも超満員の大成功に収めた。さらに、R&BシンガーのJAY'EDやゴスペラーズのメンバーが所属するコーラスグループのThe J-M-Sのバックバンドに抜擢されるなど、物凄いスピード感でシーンを駆け上がっているバンドだ。彼らの結成のいきさつから、新作に込めた想い、そして年末の東名阪ワンマンツアーへの意気込みまで、メンバー全員に語ってもらった。URBAN RESEARCHの衣装をまとったスタイリッシュな写真にも注目！

――先ず、Neighbors Complainを結成するに至った経緯からお聞かせください。

Kash（Ba）：僕がドラムのTaka（Dr）と一緒にバンドを組んでストリートライブを始めたのが最初ですね。そこから、誰か鍵盤が弾ける人を探していた時にOto（Vo/Key）と繋がり、しばらくしてギターのGottiが加わり今の形になりました。で、ちゃんとバンドの名前が決まって活動が始めたのが2014年です。

――2014年結成といっていも、皆さんそれぞれキャリアがあるわけですね。

Oto：中高生から音楽をしている3人に比べると、俺は大学生からで音楽を始めるのが遅かったから複雑な想いもあって…。

Taka：ずっと野球をしてたからね。

Oto：「野球部上がりの俺なんかが…」と言う思いは常にあって、遅れた分を取り返さないといけないという気持ちで我武者羅にやってきました。

Gotti：両親がミュージシャンで、Oto（オト）って本名なんですよ。

Taka：親はどんな気持ちやったんやろ（笑）。

Oto：「自分のやりたいことをやったらいい」とは言ってくれてたね。

――それが大学生で音楽に取り組もうと決意したと。

Oto：そもそも「音楽だけでは、なかなかご飯食べていくの厳しいよ」と両親から言われていたこともあって、音楽をやるには至りませんでした。やっぱり、両親が音楽で食べさしてもらって育ててきてくれた人たちの言葉なので説得力がありましたから。だけど、高校の頃に聴いていたR&Bがどこか自分の中にはずっとあって、やりたかった歌をやろうと大学生の頃に決めました。まずは、ちゃんとピアノから練習しようと始めて、それから思い立って憧れのニューヨークに行き、刺激を受けて歌を始めることに。で、帰ってきたら同じように音楽がしたくてロサンゼルスに行ってたKashと、ボストンに行ってたTakaとたまたま大阪にいて出会うことに。マイケル・ジャクソンだとかブルーノマーズも大好きなんですけど、2人とは聴いている音楽をの方向性がすごく合ったので、一緒にバンドをすることに。最初の頃はバンド名もないままストリートでライブをしてましたね。

Kadh：そうそう、だからバンド名を聞かれても答えることができなかったね（笑）。

Oto：「ただただ演奏しているだけなんで」と（笑）。それで、たまにGottiを呼んで4人でまたストリートをやっていていたんですけど、徐々に「CDないんですか？」とか「グループ名は？」と聞かれるようになってきたので、何もないのは不味いなと思ってバンド名をみんなで考えました。それで決まったのが、ストリートライブをして近所迷惑をかけてるということで、英語にした“Neighbors Complain”に。字の並びもいいなと思って決めたんですけど、最初は書けなかったりしました（笑）。

――KashさんとTakaさんはどういった理由で海外に？

Kash：僕はゴスペルが好きでロサンゼルスに行ってました。すごい大きな教会がいっぱいあって、中に入ってみたり、いろいろなミュージシャンと一緒にやってみたりとかしていましたね。

Taka：僕はボストン大学に留学して音楽の勉強をしていました。

Gotti：僕だけ特に、どこにも海外には行ってませんでした（笑）。それが3人から話を聞いて海外に行きたいなと思っていたんですけど、約1年半前にみんなと一緒に海外デビューすることに。その時はストリートでお客様からいただいたお気持ちを資金にロサンゼルスに行って、レコーディングや「Makes You Move」のPVを撮ってもらったりしました。

――初めて海外に出てみて、やはり日本とは違いましたか?

Gotti：全然違いましたね！　向こうは街自体もすごく広くて大らかで、それって演奏にも影響が出てくるなと感じました。レコーディングについても、僕たちの憧れのミュージシャンをレコーディングしてきたような方だとかエンジニアの方と一緒にできたので沢山の発見もあって、自分たちの財産になるような経験になりました。

――レコーディングの準備も自分たちで？

Kash：僕がLAにいた頃のコネクションがあったので、色々と調べていきました。その時に知り合ったのが日本のエンジニアさんなんですけど、もう何十年もアメリカでやってるからほとんどアメリカ人みたいな人。だから日本とは根本的に違うやり方でレコーディングできたので、すごく大きかったですね。

――日本とは違う難しさはありましたか？

Kash：いえ、交渉なども含めてスムーズにできました。例えば日本だと空気を読むところがあると思うんですけど、初めに「ギャラはいくら！これはこう！」とはっきり決められるんですよね。音響についても日本語でニュアンスを伝えれば汲んでくれる。なのでアメリカらしい良さと日本の心もありつつで、良いところしかない環境でできましたね。

――スムーズでやりやすい環境だったんですね。

Kash：かなり良かったです。あと、スタジオって一般的には密閉された空間だと思うんですけど、そこは天井が窓になっていて外の空気が見えるんですよね。夕日が差してくる感じもまた良かったよね。

Taka：開放感は群を抜いてたね！

――Otoさんはいかがですか？一人でニューヨークに行った時とバンドで行くのとでは、気持ち的に違ったのではないかなと思うのですが。

Oto：アメリカに骨を埋めるぐらいに憧れが強くて何度も行ったり来たりしてたんですけど、結成から1年ちょっとでグループとして行けたというのは、たしかに気持ち的に変化がありましたね。「気持ちがあれば叶えられるもんなんだな」と気づくきっかけになり、それなら日本で頑張って活動を続けて、この4人にしかできないサウンドを作ろうと思うようになりました。

――皆さんも海外でのレコーディングを経て、意識的に変わったことはありますか？

Gotti：何より自信がつきましたね。あと、レコーディング以外にも小さいクラブだったりライブハウスで本場のアーティストのライブを観て受けた影響もあります。すごく楽しいショーを観ている感覚が強かったんです。なので帰ってきてからは、普通に演奏をするだけだと面白くないなと思うようになり、ダンスを習い始めたりライブの見せ方という面をすごく考えるようになりましたね。エンターテイメントとしてお客様が楽しめる要素を常に考えています。

Taka：僕は大好きなトニー・ロイスターJrというドラマーのギグに行くことができたんですけど、DJとドラムだけでライブをしていたんです。そのシンプルなセットで、なんでこんなにカッコいいんだとかなり衝撃を受け感動して、僕もいつかやりたいという目標ができました。DJでどんどん曲が変わっていくんですけど、全部に対応してドラムを叩く姿はただただ凄かった！

Kash：すごく自由で、サウンドもオープンで全体のアンサンブルとしても塊で迫ってくる感じと、個々が凄いことをやっていてもきとんと聴こえてくる感じがすごいんです。なので僕らは日本でやっていく以上、きちんと聴きやすくみんなに届けられるように作らないといけない部分も意識しつつ、そういうアメリカで受けた影響もきちんと出していきたいなと思うようになりました。

――ライブの反響も変わりましたか？

Taka：帰ってきて最初のライブの時に、20分ぐらいの短いライブやったのに、50分ぐらいに感じたと言われたりしましたね。それは嬉しかった。

――曲展開だとか音自体もパワーアップして、ボリューム感が増したんですかね。楽曲制作の面ではファーストアルバム『NBCP』収録の曲もそうですが、日本語詞の曲が多くなっている印象を受けました。

Oto：日本語詞の曲を作ることについては、僕の中でもすごく葛藤がありました。やはりアメリカで活躍したい一心だったので。もちろんアメリカの音楽に今も憧れはあるんですけど、今まで歩んできた道筋を日本人として日本語で自分たちらしく着飾ることなく、出していかないとダメだなと思うようになり挑戦することにしました。吸収してきたことを上手く料理していけたらと今は思っています。

Gotti：アメリカに行ってアメリカの良さを体感した結果、日本の良さも分かるようになったんですよね。それで日本語の大切さについても考えるようにはなりました。

――より伝えるということを意識するようになったのですね。

Oto：そうです！

――帰国後にはオリックスバファローズ対中日ドラゴンズの交流戦で、京セラドームにて国歌斉唱の大役も務められていますがこれはどういった経緯で？

Gotti：このグループを始めた頃から、 応援してくださっている方が、「もしかしたら国歌斉唱できるかもしれないですよ！」と協力してくださって、ありがたいことに実現したという感じで…。

Oto：そもそもNeighbors Complainは、人との繋がりでしか成り立っていないようなグループなんです。メンバーが集まったのもそうやし、メンバー以外に携わってくれている人たちがすごく増えてきたのもそうで、そういった中でお話をいただけることに。

――実際に歌われてみていかがでしたか？

Oto：3万人の観衆が一気に静寂になって、アカペラで歌うという緊張感は凄まじかったです。しかも国歌って、最初の出だしの音程がすごく大事で歌うのがとても難しい。なので最初の音程に全てを注ぎ込んで、それからは正直、頭が真っ白でほとんど覚えていないです（笑）。

――Neighbors Complainの魅力って、なんだと思いますか？

Oto：4人の個性がはっきりしていることが、何より強みなんじゃないかなと思っています。曲がカッコいいと言われるのも嬉しいですけど、やっぱり曲には人柄が出てくると思うので、そういう意味では僕はこの4人でやれて良かったなと思うことがあります。

Gotti：あとはR&Bをやっているバンドって、実はすごく少ないんですよね。ピンポイントなところをやっている面もあると思います。それもR＆Bって年代ごとに違うので、それをすべてミックスさせたような音楽性も魅力かなと思います。

――今までに比べると、ソウルやR＆Bといったブラックミュージックがルーツのダウンビートが若者を中心に人気で注目されていると思うのですが、そういった今のシーンについてはいかがですか？

Gotti：僕たちは単純にずっと好きでやってきただけなので、そこまで意識とかはしていないですが、単純にラッキーだなと思いますね。

――ただただR＆Bを演奏したくて、ストリートライブをされていたぐらいですもんね。

Kash：そうですね。500回とか比じゃないぐらいやってきたよね。

Taka：ほんとに、場所もやり尽くして開拓とかしてましたから。

Kash：僕らのファースト・ミニアルバムのタイトル曲「Decision」のPVになってる場所は、僕らにとって一番思い出深いホームみたいな場所ですね。外やけどホーム（笑）。

――そうしてストリートで磨き上げ培ってきた経験が、海外レコーディングを経てブラッシュアップされ、12月4日（月）には会場限定シングル「Life Goes On」をリリースすることに。アパレルブランドのURBAN RESEARCH ×NANGAアウター新商品とのコラボレーションから生まれた楽曲とのことですが、どのように制作を？

Gotti：みんなでそれぞれ曲を持ち寄って選びました。アルバム『NBCP』ではディスコビートといったダンスチューンが多いんですけど、それとはまた違う踊れるアッパーチューンになっています。これまでにはない、がっつりとギターの歪んだディストーションがかかったロックテイストの曲になっていて、“新生Neighbors Complain”といえる一曲だと思います。

Taka：四つ打ちのダンスビートじゃないけど、ドライブ感のあるグルーヴを出せていると思います。ネイバーズファンなら「おっ！」と思ってもらえる、ネイバーズらしい要素もあると思いますね。

Kash：ちょこちょこエッセンスが入ってる感じね。

――“とりあえず一歩踏み出してみる”や“life goes on／歩いてきたこの道が／life goes on／間違いじゃないなら”など、歌詞が今のバンドの状況にリンクするのではと感じました。

Oto：正にその通りです！　今の自分自信をそのまま表現できてるようで、今のNeighbors Complainの温度感を表現することに集中しました。新しい次の一歩を踏み出すことって、勇気がいることだと思うんです。だけど人生は二度と帰ってこないものだから、僕らがストリートを始めてからここまで関わっていただける人が増えたみたいに、聴いてくれた人が新しい一歩を踏み出して変われるような、ちょっとしたきっかけを作れる曲になれば嬉しいなという想いを込めて作りました。

Gotti：アルバムをリリースしてから、まさにこの今のタイミングにベストマッチな歌詞ですね。

Oto：なかなかプレッシャーではありましたけど、 次の一歩に全身全霊を込めたのがこの1枚になります。気合を込めました。

――そんなシングルを引っ提げて、東名阪でのワンマンライブが決定していますが、どういったライブに？

Gotti：シングルをリリースして、僕たちも新たな一歩を踏み出しているので、ライブも今までより更に一歩上にいかなダメだと思ってます。なのでワンマンライブでは、今までとは違う“新生Neighbors Complain”のステージを届けたいなと。観ていて楽しく、そして踊れるようなライブをお届けします！

Kash：どこを切っても楽しくて飽きないようなライブで、ステージも客席も一体になるような熱いステージにしたいですね。

Taka：本当にすごい濃いライブになると思います！　是非ライブに来ていただいて、Neighbors Complainを一度体験していただきたいですね。そこでもし気に入っていただけたら、CDを聴いてさらに知ってほしい。

Kash：ライブを1回見てもらえたら、それで好きになってもらえる自信があります。ライブの“生”を体験してほしいなと思います。

Oto：中身がないものは絶対に作っていません。みんなの想いをぎっしりと詰まった曲しかないので、ぜひ聴きに来てほしいです！

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取材・文＝大西健斗　撮影＝森好弘