ORESAMA 次なるステージを感じさせたワンマンライブレポート 「もっと大きな景色を見にいきたい」
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撮影:山本れお
2017.10.21(Sat)『ワンダーランドへようこそ 〜in Shibuya O-WEST〜』
10月21日(土)、東京・渋谷にて、ORESAMAのワンマンライブ『ワンダーランドへようこそ ~in Shibuya O-WEST~』が開催された。この日の
ステージバックのスクリーンにポップなアニメーションが流れ、レーザー照明に包まれてメンバーが登場。カラフルな衣装を身にまとったぽん(Vo)が「今日はここにいるみんなで最高の夜にしましょう!」とフロアに呼びかけ、1曲目はキュートなラブソング、「乙女シック」でスタート。
撮影:山本れお
ライブメンバーは、ぽんと小島英也(Gt)のほか、バックDJにMONICO、ベースに三浦光義(パレードパレード)を迎えた4人編成。そのため、ディスコミュージックでありながらも、生音によるグルーヴもバツグンだ。2曲目「Listen to my heart」でも、イントロで竿物ふたりが息のあった演奏をみせる。
もともと、ぽんと小島は高校時代にバンドを組んでいたということもあって、ライブではバンド的なアプローチに長けている印象を受けた。楽曲の構造上、楽器のソロや見せ場も多いが、そうした場面で、ぽんは一歩後ろに下がって楽器陣をしっかりと引き立てる。また、音源ではシンセサイザーが前に出ていてデジタル色が強く感じられるためか、ライブではいっそう生音感や生き生きとした身体性が際立っていた。
続くMCで、ぽんは今回のワンマン発表からの3ヶ月を振り返った。あっという間の日々だったそうだが、プレッシャーからか、悪夢を見ることもあったという。しかし、そんな不安を抱きながらも、いざ集まった多くのファンを前にして、「本当にみんなORESAMA観にきたの?」と、やや自虐的に喜びを述べた
そして、「はじまりの曲です、聴いてください」と歌い始めたのは、TVアニメ『魔法陣グルグル』の主題歌「Trip Trip Trip」。フロアは、「待ってました!」とばかりの盛り上がりを見せ、ぽんもそれに応えるかのように笑顔いっぱいでステージを舞う。
撮影:山本れお
『アリスと蔵六』、『魔法陣グルグル』と、3クール続けてタイアップを担当したことで、ORESAMAの知名度が格段に上がったのは確かだろう。そのためか、ぽんが「今日初めてORESAMAのライブを観る人?」と会場にたずねると、半分ほどの手があがった。「何かきっかけがあって私たちのことを知ってくれて、いいな、好きだなと思って今日ここに足を運んでくれたと思うんですが、それって私たちの作ったものがみんなの中にある記憶や感情にリンクした瞬間があったからだと思うんです」と、ぽん。この場所に集まった全員にそんな“リンクした瞬間”がある。そう思うと胸がいっぱいになると、感無量の様子で言葉を続けた。
あっという間に前半パートを終え、フロントメンバーは一度ステージから退場。いったん照明が落とされ、MONICOのDJタイムがスタートした。ぽんが参加するONE Ⅲ NOTES の「Shadow and Truth」も流れ、フロアもノリノリで大喜び。
およそ5分間のDJタイムを終え、「流星ダンスフロア」の赤いフリルシャツに衣装チェンジしたぽんと男性メンバーが再登場。そのまま、10月25日にリリースされた「流星ダンスフロア」(『魔法陣グルグル』2クール目OP主題歌)を披露した。この曲は、ポップなメロディーの背景にエレクトロ・ファンク要素も大いに詰まっていて、間奏では見事なベースのスラップも炸裂するキラーチューンだ。
撮影:山本れお
そのままのテンションで、「オオカミハート」(『オオカミ少女と黒王子』EDテーマ)を演奏し、迎えたMCでは、2018年1月8日に渋谷WWW Xで次回ワンマンライブの開催を発表した。
「終盤戦ということで、今夜はこの曲でみなさんと踊りたいと思います」と始まったのは、「少女たちの終わらない夜」。この曲では、MONICOもマイクをにぎってフロントに降り立ち、ぽんとのデュエットを披露した。そのまま「絶対的 WINTER LOVE」、「アイヲシル」と毛色の異なる2曲を演奏し、早くも迎えたラストソングは、「ワンダードライブ」(『アリスと蔵六』OPテーマ)。ぽんは「私たちの再スタートの曲。この曲でみんなと駆け抜けたいと思います!」と言い放ち、<鏡よ鏡、わたし世界を変えたいの>と、力強く歌い出した。
アンコールでは、この日初めて小島がマイクを握り、「みんながアンコールくれたおかげでMCするチャンスがまわってきました。ありがとう」とはにかみ笑顔を見せる。さらに、メジャーデビュー以降のめまぐるしい1年間を振り返り、「本当に、応援してくれたみなさんのおかげです。改めてありがとうございます。とはいっても、まだまだ満足する気はないので、もっと大きな景色を見にいきましょうよ! 僕らつれてくんで、一緒に行きましょう!」と語気を強めた。
撮影:山本れお
ぽんも「いいことも悪いこともポップスに乗せて歌って、歌い飛ばして、また明日から笑顔で進んでいきましょう」と満面の笑みで語り、アンコールでは、「「ねぇ、神様?」」と「銀河」の2曲を披露。最後は4人1列になって頭を下げ、ステージを後にした。
アニメタイアップソングはポップチューンが多いが、しっとりとした大人っぽい楽曲からどこか懐かしさを感じさせるディスコナンバーまで、ORESAMAのさまざまな表情を見ることができたワンマンライブ。VJや衣装も含めてコンセプチュアルでありながらも、メンバーの親しみやすさやあたたかみが感じられ、自然と笑顔になってしまう一夜だった。次回ワンマンはWWW Xということで、今後どんどん飛躍をみせるであろうORESAMAに、より一層注目したい。
取材・文=まにょ 撮影:山本れお
M1乙女シック
M2Listen to my heart
M3Dreamin’ Pops
M4Trip Trip Trip
M5あたまからモンスター
M6耳もとでつかまえて
M7ヨソユキノマチ
<MONICO DJ>
M8流星ダンスフロア
M9オオカミハート
M10少女たちの終わらない夜 (original artist H△G)
M11絶対的 WINTER LOVE
M12アイヲシル
M13ワンダードライブ
<Encore>
EN1「ねぇ、神様?」
EN2銀河