「最強のカップル」鹿賀丈史と市村正親コンビがついに10周年を迎える! ミュージカル『ラ・カージュ オ・フォール』記念イベント
鹿賀丈史、市村正親
ミュージカル『ラ・カージュ・オ・フォール 籠の中の道化たち』が、来年2018年3月9日(金)から、東京・日生劇場を皮切りに福岡、静岡、大阪にて上演される。主人公のジョルジュを鹿賀丈史が、ザザ(アルバン)を市村正親が演じるコンビになってから来年でとうとう10周年となる。その祝いの記念イベントが、10月31日(火)、ニューハーフショーを見せるシアターレストランとして有名な東京・六本木金魚にて行われた。
本作の公式サイトで募集され、抽選で当たった一般オーディエンス50人が見守るなか、イベントがスタート。脚線美を強調できるスリット入りのロングドレスを身にまとった美しいニューハーフダンサーたちは、この日仕様の華やかなダンスで観客を沸かせていた。その後、鹿賀と市村がステージ中央に登場、会場からは大きな歓声が沸き起こった。
本作は、南仏サントロペのゲイクラブ「ラ・カージュ・オ・フォール」のオーナー・ジョルジュ(鹿賀)と看板スターの“ザザ”ことアルバン(市村)というゲイのカップルが、一人息子の結婚をきっかけに、彼女の親との挨拶の時だけ“マトモな”家族に見せようととっくに捨てたはずの「男」姿に変装(?)してみたり…大切な家族のために奮闘する姿を描く。至るところに笑いの種が落ちているような舞台だが、いつしか家族や性別を超えて愛がどれだけ尊いか、家族のあたたかさなどが描かれる。
鹿賀は開口一番、「夫婦になって10年となりました。今日はなぜか女房(市村)がヒゲを生やしていますが」と笑わせる。実は現在『屋根の上のヴァイオリン弾き』の稽古中であり、役都合でヒゲを剃れない市村だった。そんな鹿賀のイジリを受けて「その2作の稽古をしつつ、今日は『ラ・カージュ…』でしょ!? 頭がおかしくなりそうです」と笑う市村は、確かにヒゲが目立つものの、仕草や話し方はザザという女性がすでにスタンバイしているようだった。
鹿賀とコンビを組んだ頃を振り返る市村は「10年前、(鹿賀)丈史と夫婦役でこの舞台をやりたいと言ったら、OKが出まして。そこからあっという間の10年でしたね。いい伴侶を得たなあとしみじみ思っています。僕らは(劇団四季在籍時代からの)古い友達で、20代の頃からもう45年くらいの付き合いになりました。その中での10年を夫婦として付き合ってきました(笑)。(突然鹿賀を見つめて)こんなヒゲが生えた私だけど邪険にしないでね! 末永くかわいがってくださいね」とザザらしくキュートに迫っていた。
鹿賀丈史、市村正親
そんな市村は『六本木金魚』という店舗について、座席の赤い照明や上下にスライドする舞台機構などを観察しながら「僕もそっち(客席)で舞台を観たいなあ」と興味深々。『ラ・カージュ…』の冒頭の曲が流れ始めた瞬間、実際の『ラ・カージュ…』という店はきっとこんな場所でやっていたんだろうと感じました。この曲の後、丈史が『ボンソワール!』ってステージに出てくるんだろうなって。舞台の記憶がよみがえるような曲の良さ、家族愛、そして『ありのままの自分たちを見せていこう』というメッセージがお客様の心に深く入る作品だからだと思います。ミュージカルを観ているというよりも物語に入り込んでしまう、そんな気持ちにさせますね」と力を込めた。
鹿賀丈史
市村正親
イベントの中では観客やマスコミからの質問に二人が答える時間が設けられた。鹿賀と市村の配役がもし逆だったらどうなるか?という質問に、市村は「実は丈史はザザをやりたがっているんです。でも10年前に『ザザは僕の役だからね』って釘を刺しておきました(笑)。もうそろそろ替わってもいいかもね?」と鹿賀に話を振った。鹿賀はその言葉を受け「昔『トーチソング・トリロジー』で女装したことがあるんです。もう一度それもやりたいし、『ラ・カージュ』のザザを演じてみたい気持ちもあるんだけれど…まあ、いっちゃん(市村)以上にザザに向いている人はいないと思いますよ」と全幅の信頼を置いていた。
もし、お互いの資質を一つもらえるとしたら何が欲しいか?という話になると、市村は「(鹿賀の)甘い声」と即答、逆に鹿賀は「めげない根性ですね」これには市村が膝から崩れ落ちて笑っていた。
また、昔はお互いの才能に嫉妬することもあったと語る市村。「僕は丈史のまわりをチョロチョロしているハエみたいな俳優だったから(笑)」と言えば、鹿賀は「いっちゃんは少し出ただけでその場のお客さんを全部かっさっていく、すごい俳優だなって思います」
鹿賀丈史、市村正親、ニューハーフダンサー
お互いの才能と努力を認め合い笑いと涙を共有し、切磋琢磨を続けてきた二人。今回の舞台もきっととびきりの絆の強さを見せてくれるに違いない。
鹿賀丈史、市村正親
取材・文・撮影=こむらさき
■日程:2018年3月9日(金)~31日(土)
■会場:日生劇場 (日比谷)
■作詞・作曲:ジェリー・ハーマン
■脚本:ハーベイ・ファイアスティン
■演出:山田和也
■出演:鹿賀丈史、 市村正親、 木村達成、 愛原実花、 真島茂樹、 新納慎也、 香寿たつき、 今井清隆、 森公美子 ほか
■料金(全席指定・税込):S席13,000円、 A席8,000円、 B席4,000円
■一般発売日:11月4日(土)10:00~
■公式サイト:http://www.tohostage.com/lacage/