男役から女優へ～早霧せいなの「転換期」を楽しむショータイム！『シークレット スプレンダー』

2017年11月5日（日）、東京・TBS赤坂ACTシアターにて元宝塚歌劇団・雪組トップスターの早霧せいなが退団後初となるステージ『SECRET SPLENDOUR シークレット スプレンダー ～Super StarsによるSpecialなShowtime～！』をスタートさせた。初日の前日には公開ゲネプロと会見が行われ、同劇場のロビーに早霧が登場。現在の心境などを語った。

退団してまだ3か月強。ショーの内容について話が及ぶと「男役としての部分も残しつつ、一人の女性として『表現者』としての転換期である今を切り取ったショーになるのでは」と語る早霧。だが、早霧だけをフューチャーするショーにするつもりはないそうで、「他の共演者とのコラボレーションも楽しんでいただきたいですね。歌や踊り、寸劇など盛りだくさんな舞台なので」と見所を語った。

宝塚時代と今との違いについて問われると「やはり組に存在しているときはいつも同じ組子たちと一緒に作品を作るという環境でした。卒業して、このショーのために集まった出演者たちとスタッフの方と作り上げる……そこは大きな違いでしょうね。男性がいる、というだけでなく、知らない人と一緒に稽古をすること自体が新鮮でしたから」そう語る早霧は具体的な違いについて、「リフトする側からされる側になってどうしていいか戸惑いました。今も戸惑っています」これには詰めかけた報道陣からも笑いが起きていた。

退団後、何か新しいことを始めたか？という質問が飛ぶと、早霧は「新しいことをするというより、退団後の生活を楽しんでいますね。でもこのショーを考える3か月だったかもしれません」。卒業後の表現者・早霧せいなとしては「これまでやってきたことプラス、違うものを要求されていくんじゃないかなと思っています。それゆえ、自分自身を磨かないといけないのでは、とも思っているんです。でも、今は男役から変化する過程のちょっとした違和感があってもいいと思うんです。その違和感をあえてお客様にも楽しんでいただきたいです」と笑顔を見せた。

会見の後で行われた公開ゲネプロでは、雪組のトップお披露目公演となった『伯爵令嬢』、そしてファンからの人気の高い『哀しみのコルドバ』のナンバーをはじめ、映画音楽、ミュージカルナンバーなど、歌って踊って、ときに笑いも交えて早霧の魅力を詰め込んだ2時間半のショーを本番さながらに披露していた。

ショーのタイトルの意味を「シークレットは秘密、スプレンターは輝き、というその名のとおりです。観に来てくださるお客様に、このショーを観たら『秘密』の意味が分かりますよ」と語る早霧。その言葉の意味をぜひ劇場で確認していただきたい。

取材・文・撮影＝こむらさき