C・キムも加わり賞金王争いが激化 大注目の『2017 三井住友VISA太平洋マスターズ』が幕開け!

2017.11.8
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第45回を迎える『2017 三井住友VISA太平洋マスターズ』。2017年の男子ゴルフツアーも大詰め。賞金王争いの行方や石川遼の復活など話題は尽きない

三つ巴が四つ巴に―。11月9日開幕の『2017 三井住友VISA太平洋マスターズ』を入れて、今季の男子ゴルフツアーも残り4試合。ここにきて賞金王争いが激化し、賞金王レースは俄然面白くなってきた。

今年の前半戦は、昨年からJGTO(日本ゴルフツアー機構)の選手会長を兼任しながら本業のゴルフも好調の宮里優作がツアーを引っ張ってきた。そこに平均ストローク、バーディー率、トータルドライビングで1位(2017年11月5日現在)と、ほとんどの部門で上位に入るほど安定感を増した小平智、そして昨年からの(賞金王)連覇を目指す池田勇太が秋の陣に“まくり”を入れて三つ巴の様相を呈していた。そこに待ったをかけるように現れたのが、先週の「HEIWA・PGM CHAMPIONSHIP」で池田を1打差で抑えて優勝し、リーディングプレーヤー(約1億3097万8000円)となった屈指の飛ばし屋、C(チャン)・キムだ。これで今年の賞金王の行方はほぼ4人に絞られ、『2017 三井住友VISA太平洋マスターズ』が、この熾烈な賞金王争いの鍵を握る大会となった。

今大会の舞台となる太平洋クラブ 御殿場コースは、本当に気持ちのいいコースだ。富士山の裾野に広がる雄大なホールロケーションは、プレーヤーのみならず、観客すら魅了するレイアウトとなっている。高速かつ富士山方面からくる芝目は、各プレーヤーを悩ませる。パッティングスキルとともに、どう曲がるかをイマジネーションできないと攻略できないグリーンなのだ。

バンカーや池なども巧みに配置され、それを避けようとラフに入れると高速グリーンではまず止まらない。ドライバーはもちろん、アイアンショット、アプローチショットの精度や技術も要求される。もちろんミスショット後の修正、攻略も見ものだ。最終のロングホールは517ヤードとプロにとっては短いホール。池越えとなっているため、欲をかいて無謀に攻めるとコースの罠にハマる。しかし、ショット力とともに、しっかりホール攻略すればバーディーやイーグルのご褒美ももらえるためこの18番を定点観戦するのも面白い。ともかく、ゴルフ愛好家でまだ訪れていないプレーヤーなら、一度はこのコースに足を運んでみるといいだろう。

さて、現在ランキング5位の今平周吾はWGC(世界ゴルフ選手権)HSBCチャンピオンズ(10/26~10/29)に出場を果たしながら、3日目にスタート時間を勘違して遅刻で失格。帰国して出場したHEIWA・PGA CHAMPIONSHIPでも上位4選手がすべて決勝ラウンドに進んだのに対して、今平は痛恨の予選落ち。約8235万9000円(11月5日現在)と4位の小平(1億1455万500円)とは約3200万円差と開いてしまった。常に上位争いを演じている上位4人を逆転するには、非常に厳しい状況となっている。

一方、C・キムは前週優勝の4000万円が効き一気にトップに躍り出たが、2位の池田勇太が約1億1714万7000円、3位の宮里優作が約1億1493万7000円というように、1~4位の差は1643万円ほど。同大会で優勝すれば確実にリーディングを獲れるので、各選手とも心技体すべてをベストに持ってくるはずだろう。

太平洋クラブ 御殿場コースを制した歴代の優勝者を見てみよう。昨年は松山英樹が2位を7打差でぶっちぎって優勝。2011年にはやはり松山英樹が、倉本昌弘、石川遼に続き3人目となるアマチュア優勝を飾り話題となった。かつては尾崎将司、中嶋常幸、伊澤利光など賞金王になった選手や、リー・ウエストウッドやダレン・クラークなどアメリカ、欧州ツアーで活躍するトッププレーヤーが制する大会でもあったが、ここ数年は日本ツアーを主戦場にしている選手が優勝を飾っている。

片山晋呉は2008年、2015年と2度優勝。石川遼も2010年、2012年に優勝と同コースとの相性は良い。谷原秀人も2013年に制している。これら勝利したメンバーを見てみても、三井住友VISA太平洋マスターズが世界基準の大会であることが分かろうというものだ。ちなみに、片山晋呉は今年9月に行われたISPSハンダマッチプレー選手権での優勝(賞金5000万円)で自信を取り戻し、その後トップ10入り3回とかつての好調さを取り戻しつつある。

そうなると、どうしても注目したくなるのは石川遼だ。デビューした2008年以来の4試合連続予選落ちは本人にとっても予想外の結果だろう。常にアメリカツアーを意識してプレーしていたためか、自身でゴルフを難しくしている感も否めない。しかし、やはり精神面でのダメージがあるように思える。前述した片山も1勝を挙げて好調を取り戻した。今の石川に必要なのは、理論や理屈よりも、本来の才能を信じての結果だけだろう。

来季はまたシード権を獲るべく、渡米しての挑戦が始まる。その前に、石川自身も14勝を挙げたこの日本ツアーで復活のきっかけを是が非でも掴みたい。この太平洋クラブ 御殿場コースは2勝を挙げている好相性コースなのだからなおさらだ。2008年は中日クラウンズ、日本プロゴルフ選手権、マンシングウェアオープンKSBカップ、三菱ダイヤモンドカップゴルフと4大会に予選落ちした後、ミズノオープンよみうりクラシックで予選通過し(56位タイ)、連続予選落ちを4週で止めた。プロ経験は今年で10年目となり、海外で勝つべく努力してきた石川にとって、このワースト記録を更新したくはないはずだ。今大会の石川のプレーには、メディア、業界関係者だけでなく多くのファンたちも注目することだろう。

2017年の男子ゴルフツアーも大詰め。賞金王争い、復活を賭けるプレーヤー、シード権当落ちにいるプレーヤーと、悲喜こもごも。壮大な太平洋 御殿場コースに壮絶な戦いの火ぶたが切られるのはもうすぐだ。

イベント情報
『男子ゴルフトーナメント「2017 三井住友VISA太平洋マスターズ」』

 日時:11月9日(木)~12日(日)
 会場:太平洋クラブ 御殿場コース(静岡県御殿場市)
 主催:三井住友VISAカード、TBSテレビ、太平洋クラブ 
 特別協賛:VJA、三井住友銀行、SMBC日興証券
 主管:日本ゴルフツアー機構
 後援:日本ゴルフ協会、日本ゴルフトーナメント振興協会、静岡県御殿場市、
    毎日新聞社、スポーツニッポン新聞社、BS-TBS、静岡新聞社・静岡放送
 賞金:総額2億円(優勝4000万円)
 :前売り券 3600円(予選)、5400円(決勝)、
      前売りペア券 6800円(予選)、1万200円(決勝)
      前売り通し券 1万5000円(各日共通5枚つづり)
      プレミアムパス 1万円(大会特製特製ストラップ付/100枚限定販売)

 
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