ORANGE RANGE『UNITY』とdelofamilia『filament/fuse』、最新2作をNAOTOとYAMATOが語る
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ORANGE RANGE・NAOTO / YAMATO 撮影=西槇太一
11月1日にEP『UNITY』をリリースしたORANGE RANGEのNAOTO(Gt)とYAMATO(Vo)に話を聞いた。「何かに偏るのではなく敢えてバラバラにした」という今回の作品は、これまでのキャリアを縦断するかのように曲ごとに違ったORANGE RANGE像が顔を覗かせると同時に、そのことが結果的に、1枚の盤として「ORANGE RANGEとは何か」という問いに対する答えを何よりも物語る作品となった。今回は同作を紐解きながら、同日にリリースされたNAOTOのソロプロジェクト・delofamiliaの最新アルバム『filament/fuse』(こちらはORANGE RANGEのカラーとは全く異なる、ミニマルなアート・ポップが展開されている!)についてもじっくりと話を聞いた。
――前回、「チラチラリズム」でのインタビューでも、久々の新曲だねっていう話をしたけど、今回の『UNITY』は、2年3ヶ月ぶりのEP作品になるんだよね。待望作でもあるわけだけど、今回『UNITY』を作る上で立てたテーマみたいなのはあったの?
NAOTO:ORANGE RANGEとしてミニアルバムを作るのも、すごく久しぶりなんですよ。インディーズのとき、1番最初に作ったアルバムがミニアルバムだったんですけど、それぶりで。
――メジャーデビューしてからは初めてになるんだね。ミニアルバムって、ある意味コンセプトアルバムにしやすい形でもあると思うけど、いままで作ってこなかったのは、敢えてのこと?
NAOTO:いや、気付いたら“あぁ、そういえばやってなかったね、ミニアルバム!”って感じ(笑)。だから、“久々にやる?”みたいな感じでしたね。今回は、聴いてもらったとおり。どうでした?
――いきなりな切り返しだね(笑)。そうね、今回の5曲は本当にそれぞれがバラバラな方向性だと感じたから、そのバラバラなところこそがコンセプトなのかと思ったんだけど。
YAMATO:そうですね、バラバラなのは敢えてですね。何かに偏るんじゃなくて、ORANGE RANGEっていうカラーは、夏曲があって、バラードがあって、ダンスミュージックがあって……っていう色が曲それぞれに勝手についてしまっているというか。そんなそれぞれのORANGE RANGE色を、分かりやすく5曲だけで表現したいなっていうことで並んだのが、今回の『UNITY』の5曲なんです。他にもいろんな曲があったんですけど、とっちらかってる感じがORANGE RANGE感なのかなって。バラエティー豊富な感じを表現したくて1個1個キャラが立った被ってない曲だけを揃えたら、こうなったって感じなんですよ。
――なるほど。フルアルバムになると、いい意味でのとっちらかった感じが出しにくいのかもね。
YAMATO:そうそう。なんか流れとか考えちゃうとね。そういう意味で『UNITY』は、“5曲で分かるORANGE RANGE”って感じかなって思いますね。
――この5曲を聴いても、ORANGE RANGEは本当にいろんな個性を持っているバンドであると思うけど、この5曲を15年という活動期間の中で当て嵌めるとしたら? 例えば「チラチラリズム」を初期タイプの曲として。
NAOTO:「チラチラリズム」を初期とするなら、「脳内ポップコーン」は中期っぽいよね?
YAMATO:あぁ、そうかもね。
NAOTO: 「アオイトリ」は後期かな? 『spark』(2013年7月24日リリース)のあたりな気がしない?
YAMATO:そうだね、「アオイトリ」は後期かもしれないね。「Second Hand」とかは、初期にもあったテイストではあるよね。
――「Second Hand」は、ストレートなラップを感じるよね。
YAMATO:そう。もともとHIP-HOPだったりラップから入ってるんで、そこは原点なんだと思う。それに「Second Hand」は、ストレートなラップ、HIP HOPをテーマに作った曲でもあって。だんだんそういうストレートな曲をやらなくなってきてたから、“あ、そういえば、最近作ってないし、ちょっと久々に作ってみる?”みたいな感じで。
NAOTO:そう。敢えて作らなくなったっていう感覚は本当にあんまりなくて。“あ、そういえば最近あんな感じの曲作ってないね”って気付いて作ってみる、っていうのがほとんど。自然とやらなくなったり、忘れてたりみたいな感覚。ふと、“あ、ああいうのいいじゃん! やってみよう!”って思い出して作ったり。だから、特に封印したものってないよね。
YAMATO:ないね。
――久々に立ち返ってみた感触は?
YAMATO:忘れていた感覚を改めて呼び起こされた感覚だったかな。“あれ? 韻ってなんだっけ!?”みたいな(笑)。そんな感覚を思い出しながら、“あぁ、そういえば、昔、こういうのよくやってたなぁ”って。でも、やっぱり、今そこに立ち返って書くと、当時にはなかったことが書けたりとかもあったし、感じ方も全然違ってすごく面白かった。歌詞に関してもそうだし、楽曲の作り方とかも当時とは違ったから、そんな感覚を楽しみながら作りましたね。
ORANGE RANGE/delofamilia・NAOTO 撮影=西槇太一
――たしかに。今、ラップシーン、HIP-HOPシーン自体も年月を経て変化しつつあるからね。必ずしも韻を踏むものではなくなってきていたりするし。
YAMATO:そうなんですよね。ガッツリ韻を踏んでる人もいるけど、必ずしも韻を踏まなくてもいいっていう人と別れているというか。どんどんいろんなものが進化というか、変わってきているというか。そこもやっぱり自分達が今回「Second Hand」を作ったときに感じた感覚の変化でもあると思う。ニュージャンルが誕生する感覚なのかな? 音楽自体歴史が短いし、言ってみれば、HIP-HOPやラップが日本に入ってきたのだって、最近といえば最近だし。
――そうだよね。地球レベルで考えたら。
YAMATO:そう。だからね、いろいろと新しいことが増えていくことを、客観的に楽しんでる感覚かな。
NAOTO:「Second Hand」みたいな曲って、自分達が音楽をやる前から聴いて育って来たものだから妙にしっくりくるというか、懐かしさを感じたというか。そういう自分達と音楽との思い出も重なる曲だなって思いますね。
――そうだね。オールドスクール感が漂う1曲でもあるからね。
NAOTO:たしかに、そうかもね。ちょっとメロウな感じも初期っぽいのかもね。
YAMATO:そう。「ジャパニーズピープル」(2003年12月17日リリースの1stアルバム『1st CONTACT』収録)だったり、「謝謝」(2004年12月1日リリースの2ndアルバム『musiQ』収録)とか、そんな感じはあるかも。
NAOTO:うん。そう思うと、「Carnation」も初期かもね。
YAMATO:初期よりなのかもね。「落陽」(2003年11月27日リリース4thシングル)とか。
NAOTO:うん。「キズナ」(2005年8月24日リリース12thシングル)とかね。素朴な感じ。
――「Carnation」は、すごく沖縄感が漂う1曲でもあるよね。
NAOTO:そう。そこはすごく自然というか、意識的じゃなくてもそうなっちゃうのが本当のところで。この曲は、47都道府県ツアーをきっかけに生まれた曲でもあって、支えてきてくれたみんなに向けて、YOHが書いた1曲でもあったから、よりそういう素朴な感じになったのかなと。
――なるほどね。「アオイトリ」は後期のORANGE RANGEって言ってたけど、たしかに新たなORANGE RANGEを感じた1曲でもあった。作曲者であるNAOTOくん的には、どういう発想からここにいきついた楽曲だったの?
NAOTO:この曲は……話すと短いんですけど(笑)。
YAMATO:短いんかい!
NAOTO:映画『ありえなさ過ぎる女 ~被告人よしえ~』の主題歌として書き下ろしたんですよ。
――個人的に「アオイトリ」はギターの音色もすごく好きで。最初イントロでは、シンセベースが前面に押し出されているのかな?と思ったんだけど、Aメロ明けのフレーズで“あ、やっぱりギターの音だ!”と思って。その破壊的な感じの音がすごくフックになってるなと思って。
NAOTO:俺と一緒ですね(笑)! 俺もそこすごく好きで。YAMATOも好きって言ってたよね、そこ。
YAMATO:好き好き。そこすごく好き!
NAOTO:よく最近、口でそのギターフレーズ歌ってるもんね(笑)。全体的にこの曲は、ドラムとギターとベースっていう音的にシンプルな構成だから、そういうこだわった音色がより目立つというか。
――敢えて音数を少なくしたの?
NAOTO:そう。この曲の肝だし、近年自分の中での音作りがそうなってきてるというか。全部排除していく傾向。これもいらない、これもいらないって、省いていく感じ。最近といっても、結構前からそうなってきてるかな。自分の中のブームというかね。スカッとしてる方が好きになってきてるというかね。
YAMATO:あるよね、その時々のそれぞれの気分って。
NAOTO:うん。15年とかやってくると、自分の感覚的に一周目なのかな?って思うというか。昔聴いてて好きだった音楽が、こういうちょっとスカスカなバンド感でもあって、今風の音がドンとガッツリあるものじゃなかったりもして、さっき話にも出てたHIP-HOPのオールドスクールを今新鮮に受けとめられるように、バンドサウンドの音の面でも一回りして、改めて好きになってる感じというかね。
――分かる分かる。なんだろうね、この感覚って。私も改めて最近レッド・ツェッペリンをずっと聴きかえしていたんだけど、やっぱりこれ以上に最高な音はない!って思えていて。
NAOTO:うんうん。レッド・ツェッペリンもちょっと鍵盤が入っていたりするけど、あれくらいで充分というかね。
――ちょっとペコペコな感じもするんだけど、またそこがね。
NAOTO:そう! そこがいいんですよ!
――「アオイトリ」のギター音もいなたい感じだもんね。
NAOTO:そうなんですよそうなんですよ! ギャップ萌えみたいな感じ。今、そんなことしちゃうの!?みたいな。
――途中拍子が変わるでしょ? あの構成は?
NAOTO:途中で3拍子や5拍子に変わるんだけど、全然無意識。その時に自分が弾いたリフが、たまたまそうだったって感じだったんですよ。夢中で弾いてたらそうなったんですよね。映画の台本をもらって、それを読んで書いたんですけど、それがすごく面白くて! 話の展開がすごくハチャメチャで。台本読んだ途端にリフが出て来たくらいすごかった。だから、3拍子にしようとか、考えてる暇がないくらい自分の中から湧き出てきた感じだったんですよ。
YAMATO:それくらい台本にインスパイアされたってことでしょ? そのハチャメチャ感が音になったなって感じなんだよな。
NAOTO:そう。映画もめちゃくちゃいいから観てほしいなと。本当にこの映画が無かったら、この曲は生まれてなかった。こういう発想は自分が曲を作る上では生まれてこない感覚だったから、面白いと思いますね。
ORANGE RANGE・YAMATO 撮影=西槇太一
――「チラチラリズム」は最初、沖縄のファミリーマート限定販売という特殊な形でのリリースで、RYO くんが、“NAOTOとHIROKIが2人で作るからこその個性”って言ってた“ザッツ・ORANGE RANGE”ナンバーだけど、こうして5曲の中に並んでも、やっぱり色濃くその色を放っているよね。
YAMATO:そう。本当にこの5曲は、いろんなORANGE RANGEを改めて知ってもらえる1枚になったと思うから楽しいと思う。今度ツアー(『ORANGE RANGE LIVE TOUR 017-018 ~UNITY~』)は、このアルバムをひっさげてのものになると思うので、楽しみにしててもらえたらと思いますね。『UNITY』の5曲を中心に、この5曲が表してる感じのセットリストでのツアーになると思うので、是非、聴き込んで楽しんでもらえたら嬉しいなと思います。
――中枢都市だけではなく地方都市にも足を伸ばすツアーでもあるから、普段ライブに行かない人達にも遊びに来てもらいやすいのかもね。
YAMATO:そうなんですよ。自分達でレーベルを立ち上げてから4~5年は、敢えてそういう場所を選んでツアーに行っているので。北海道だけでも何ヶ所か行ってますからね。東京もお台場とか渋谷だけが東京ではないと思うから、いろんなところでやりたいなと思って。
NAOTO:本当に今回のツアーは、自分達的にも楽しみがすごいですね!
――最近フェスでORANGE RANGEを見て、新たにファンになった人達も楽しめそうだね。
YAMATO:そうそう。ホールだから、老若男女問わずゆっくり自分のペースで楽しんでもらえるツアーでもあるんで、初めて観るっていう人にもオススメなので、是非!
――ところで、10月14日に地元ゴザの闘牛場で行われた『テレビズナイト017 in 闘牛場FINAL』はどうだった?
YAMATO:本当にすごくいいフェスになったと思います。自分達もそこに憧れて、あの場所で行われてた沖縄最大のロックイベント『ピースフルラブ・ロックフェスティバル』に出たいがためにバンドを頑張ってた感じでもあったから、あの場所がなくなっちゃうのは本当に寂しいことだったんだけど、一つ、大きな思い出をみんなで残せたことが本当に嬉しいというか。沖縄の音楽をみんなに知ってもらえたと思うし、またいつかこういうフェスをやれたらいいなって思いましたね。すごく豪華な面子が集まってくれて、力を貸してくれたことにも感謝してるし、来てくれて、一緒に盛り上がってくれたお客さんたちにも感謝してます。めちゃくちゃいいライブ、史上最高のライブが出来たなって。ずっとあの時間に浸っていたいくらいいいライブになったから、次回はそこを超えていく気持ちで頑張れたらなと思います。
NAOTO:うん。本当に良かったもんね。思い入れが強いぶん感動したし。BEGINとか大先輩も力を貸してくれたんだけど、改めて、“BEGINってすごいな”“沖縄の人達ってすごいな”って思ったんですよね。
YAMATO:オマエも沖縄の人だからね(笑)。
NAOTO:(笑)。なんかそこも改めて嬉しかったりもしたしね。沖縄という場所が生み出す音楽の素晴しさを感じることができた1日だったなって思いますね。そんな沖縄をいっぱい感じられたライブを、四星球の康雄(北島康雄)がステージの袖で涙しながら観てて、その姿を見て俺は泣きましたね(笑)。そういうのも、このフェスならではだと思いました。
YAMATO:闘牛場は、アリーナとして生まれ変わるみたいなので、そこで新たな歴史を築いていけたらいいなと思います。
ORANGE RANGE・NAOTO / YAMATO 撮影=西槇太一
――ではここからは、11月1日にリリースされたNAOTOくんのソロプロジェクト・delofamiliaの6枚目のアルバム『filament/fuse』の話を訊いていけたらと思います。delofamilia は2007年から活動を始めているけど……まだあまり知られていないよね。
NAOTO:そうなんですよ。ヒッソリやってるんです(笑)。隠れてやってる感じというか(笑)。delofamiliaは完全に趣味なので、そういうことは、ヒッソリとやるのがいいのかなって感じなんで。
――いや、でも本当にカッコイイし、心地良いから、多くの人に触れて欲しいって思う音楽だよね。
YAMATO:そう。delofamiliaは本当にカッコイイ音楽だと思う。ORANGE RANGE とは対極にあるというか。みんなソロをやるときって、全然違った一面が出ると思うんですよね。NAOTOの場合もそうで。言葉がみつからないけど、普段にはない陰湿な部分が出てるというか。
――そうだね、深層心理的な部分が出るというか。
YAMATO:ブラ―/ゴリラズとか、トム・ヨーク/レディオヘッドとか。陰と陽じゃないけど、そういうのが出てる気がしますね。
――そうだね。また違う吐き出され方だよね。NAOTOくんの中には、もともとこういう音楽ルーツがあったの?
NAOTO:うん。ORANGE RANGEをやる前からこういう音楽が好きだったし、普段聴いてる曲がこういう感じの音楽なんですよ。“何かが好きで作る”という根本的なところはORANGE RANGEと変わらないし、作り方も同じなんだけど、ORANGE RANGEの場合はそこにいろんな考えが入ってくるんですよ。バンドだし5人いるし、ボーカルが3人もいるし、ニーズもあるからいろんな考えがあってアレンジしたりもするし。でも、delofamiliaはニーズもへったくれもないし、何もアレンジする必要もないし、まわりのことも考えなくていいし、何もこねくり回す必要もない。ちょっとRie fuに気を遣うくらいで。
――なるほど。delofamiliaを形にしようとしたとき、絶対的に女性ボーカルという存在は頭にあったの?
NAOTO:それは大前提。もともとずっと聴いてた音楽がそうだから、そこは本当に大前提としてありましたね。
ORANGE RANGE/delofamilia・NAOTO 撮影=西槇太一
――3曲目の「Enter The Mirror feat.波多野裕文」は、少し毛色が違うけど。
NAOTO:ボーカルが違ったりはするんだけど、こういうアルゼンチン系の音楽ってずっとやってきてるんですよ。っていうか、ぶっちゃけると今回のアルバムに収録されている10曲って、この前のアルバムとほとんど同じなんですよ。この前のアルバムは、その前のアルバムとほぼ同じなんですよ。ずっと焼き直し。曲は違うけど、やってることはずっと同じなんです。ボーカルとか歌い方が違うだけ。
YAMATO:つまり、delofamiliaの芯ってことなんだよね。
――まさしくアートだね。
YAMATO:そう。本当にそうだと思う。delofamiliaのやってる音楽って、本当にアートだと思うからね。
NAOTO:ジャケットもミュージックビデオも、全部合せて一つの作品になってるというか。サウンドとしては、すごくミニマルな感じというか。最小限なんですよね。同じことを繰り返すっていうこと。
YAMATO:これまでのアルバムどれを聴いてもdelofamiliaでしかないからね。でも、やっぱりどれも同じながらもそれぞれのdelofamiliaであるから、すごく心地良くて。
NAOTO:1枚目はちょっと違うけどね(笑)。自分的にまだちょっと落ち着かない感じがあって。だから、2枚目からくらいかな、delofamiliaの形がみえたのは。そこからは本当にただただ追求。冒険をしないことがdelofamiliaの良さでもあるというか。それこそがコンセプトでもあるのかな。
――なるほど。ライブの魅せ方としては?
NAOTO:ライブはね、逆にすごく難しくて。本当に上手くいかないというか。だからね、今回のアルバムを引っさげてのライブっていうのもやらないんですよ。
――上手くいかないっていうのは?
NAOTO:いままでライブは、体制としては5人くらいサポートメンバーを入れてやってたりとか、オーケストラを入れてたりして何回かやったんですけど、なかなかしっくりしたものにならなくて。バンド形態ではあるんだけど、普通のバンドではないというか。
ORANGE RANGE・YAMATO 撮影=西槇太一
YAMATO:なんかね、俺も何度か観に行ったことがあるんだけど、delofamiliaって本当に異質な空間だからね。NAOTOのド趣味な部分だし、ORANGE RANGEとはまったく違う立ち位置でステージに立つから、いつもは後ろに居る人が前に立つし、なんかちょっと見てるこっちが緊張するの(笑)。NAOTOも緊張してるんだと思うけど、ORANGE RANGEのNAOTOが好きでdelofamiliaのライブに来てる人達も、みんな緊張してて。それが伝わってくるっていうか。NAOTOって、前に出て主張する人ではないから、なんかしっくりこないんだよね。本人もヨタヨタしてるし。独特な空気感は出てるんだけど、なかなか難しいよね。ORANGE RANGEとは違い過ぎるから。
NAOTO:分かる! そうなんだよね。だからね、なんか上手くいかないんだよね(笑)。3年前のツアーはライブハウスでやったんだけど、照明を一切無くして、バーカウンターとドラムの譜面台だけの明かりしかなかったの。
――うわぁ、でも、その空間でdelofamiliaの音聴けたら最高だろうな。真っ暗な夜空の下で聴きたいとも思うし。
NAOTO:でも、それがなかなか上手くいかないというかね。何もない場所で鳴ってるのが1番合う感じというか。
YAMATO:なんもないとこに、スピーカーがあって、そこでゆっくりと座って聴いてほしいんだって。そこで音の質感だったりを感じてほしいって。空気感とかも含めてね……って、自分で言いなよ!(笑) なんで俺がdelofamiliaの宣伝してんの!?
NAOTO:(笑)。まさにそのとおり。YAMATOが今言ってくれたとおりなんですよね。delofamiliaで伝えていきたいことって、曲調とかメロとか歌詞とかそういうところじゃなくて、気配や質感というか、そういうものなんですよ。だから、曲をライブで観るというよりは、その音と質感そのものを感じてもらいたいというか。音そのものの長さとか響きを感じてもらいたいなって。ライブはね、まだ自分達の中で、表現の仕方が定まっていないんだと思う。
――質感ってすごく分かる気がするな。雰囲気というか、空気感だよね。
NAOTO:そうそう。
YAMATO:delofamiliaはね、相当音にもこだわってるし、完全に音で勝負してる感じなんだよね。勝負っていう言い方はおかしいかもしれないけど、本当にそうなんだと思う。
NAOTO:そう。なんかね、スケールの大きさは求めてないというか。delofamiliaは、もっともっとスケールが小さいところで鳴っててほしい音というかね。ちっちゃなものであってほしいというか。
――すごく分かるな、その感覚。心地いいって感じるのってすごく難しいよね。BGMになる音楽って、案外限られていると思うから。まさに、delofamiliaの音はそこなのかなって思う。
NAOTO:BGMって最高だと思う。とにかくスピーカーで聴いてほしい。今の時代、自分の部屋にスピーカーがある人って少ないのかもしれないけど、実家とかお爺ちゃん家とかのステレオで。それで1回でいいから聴いてもらいたい。ゆっくり質感を噛み締めながら聴いてもらえたら最高だな。
取材・文=武市尚子 撮影=西槇太一
ORANGE RANGE・NAOTO / YAMATO 撮影=西槇太一
2017年11月1日発売
1. アオイトリ *映画『ありえなさ過ぎる女 ~被告人よしえ~』主題歌
2. チラチラリズム -UNITY ver.- *沖縄ファミリーマート30周年記念TV-CMソング
3. 脳内ポップコーン 4. Second Hand 5. Carnation
2017年11月1日発売
1. agenda 2. race 3. Enter The Mirror feat. 波多野裕文(People In The Box) 4. if it fall
5. peace 6. rooms 7. pyramid 8. World is Weeping 9. DLOP 10. delight
2017年10月25日発売
(CD) VICL-64865/¥2,800+税
1. Kick Ass 2. Go! Go! 島人!! 3. 俺オレゴン 4. JUNK! 5. Don't Stop Me
6. Ding Dong Sound 7. Black Water 8. ずっと… 9. COME ON BABY
10. 最初で最後のダンス 11. Memory 12. Dream Dream Dream
2017年
11月22日(水) 東京かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール open18:00/start18:30
11月24日(金) 京都・ロームシアター京都 open18:30/start19:00
11月26日(日) 群馬・みかぼみらい館 open17:00/start17:30
12月1日(金) 岩手・二戸市民文化会館 open18:00/start18:30
12月3日(日) 秋田・由利本荘市文化交流館 カダーレ open17:00/start17:30
12月9日(土) 長崎・長崎ブリックホール open17:30/start18:00
12月10日(日) 佐賀・鳥栖市民文化会館 open16:30/start17:00
12月12日(火) 鹿児島・宝山ホール open18:30/start19:00 問:BEA 092-712-4221
12月15日(金) 東京・中野サンプラザホール open18:15/start19:00
12月16日(土) 東京・中野サンプラザホール open16:45/start17:30
12月22日(金) 富山・クロスランドおやべ open18:00/start18:30
12月23日(土) 滋賀・守山市民ホール open17:00/start17:30
2018年
1月7日(日) 大阪・オリックス劇場 open17:00/start17:30
1月8日(月) 兵庫・三田市総合文化センター 郷の音ホール open16:30/start17:00
1月13日(土) 愛知・アイプラザ豊橋 open17:00/start17:30
1月14日(日) 三重・シンフォニアテクノロジー響ホール伊勢(伊勢市観光文化会館) open17:00/start17:30
1月20日(土) 静岡・裾野市民文化センター open16:30/start17:00
1月21日(日) 埼玉・東松山市民文化センター open16:30/start17:00
1月27日(土) 山口・スターピアくだまつ 大ホール open17:00/start17:30
1月28日(日) 岡山・ロマン高原かよう総合会館 open17:00/start17:30
2月3日(土) 栃木・小山市立文化センター open17:00/start17:30
2月4日(日) 神奈川・厚木市文化会館 open16:30/start17:00
2月11日(日) 高知・県立県民文化ホール オレンジホール open17:00/start17:30
2月12日(月) 愛媛・松前総合文化センター open17:00/start17:30