フォト・ジュエリー・アーティスト　大園めぐ｜こんな日本アーティストがパリで活躍中 【第21回】

――フォト・ジュエリーを創作するキッカケはなんだったのでしょうか？

私の10歳の娘が難病になり、入院したことがキッカケでした。この時、偶然なのか必然なのか、入院前日に私は一眼レフを購入していたんです。娘の看病をしながらずっと病室で一眼レフの勉強をし、そのうち「病床の娘に美しい外の景色を見せてあげたいな」という思いにいたりました。そこで、病院の庭で“キラキラした世界”を探し見つけては撮り、娘にいつも見せてあげていたんです。

その時に撮影した、雨上がりのありふれた緑の葉が、カメラレンズを通すだけで全てが輝いて見え、その光の美しさに感動して涙が溢れて止まらなくなりました。その“美”に私はずいぶん心が救われてきました。

写真にジュエリーをちりばめるという作風に至ったのは、撮影した写真をプリントすると、あの光の感動が消えていたことによります。どうしたら、あの煌めく世界観を再現できるんだろう？と試行錯誤していくうちに、クリスタル、水晶、スワロフスキーなどをちりばめるという手法を閃めき、現在の制作に至りました。

大園めぐさんの作品

――今後の活動予定を教えてください。

今月11月に初めてパリで開催する個展の準備中です。海外では、パリだけでなく、ニューヨーク、イタリア、サウジアラビア、インドなどでも展示をさせてもらう機会が増えています。

来年は、日本国内でも「金沢21世紀美術館」や「上野の森美術館」での展示も控えています。

実は元々、私は画家になりたくて20歳でニューヨークに四年間単身留学しましたが、挫折し帰国した経験があります。その後、結婚、子育て、仕事をしながらも捨てた夢が忘れられずにいたのです。それがこうして、一人のアーティストとして、憧れの世界の舞台に活躍できるのは、応援してくれた家族や、フォト・ジュエリーを大好きでいてくれるお客様たちのおかげだと思っています。今月パリでの個展はまたひとつの節目。自信を持ってオープニング&クローズを迎える事が出来れば幸せです。

パリでの個展

11月27日　オープニング
11月28日〜 12月2日