全米オープンの再現? そして日本の賞金王の行方は? 今季最高の注目大会『第44回ダンロップフェニックストーナメント』
全米オープンの対決再び。松山英樹とケプカとの熾烈な戦いから目を離せない
全米オープンの再現か!? 11月16日から行われる「第44回 ダンロップフェニックストーナメント」に、6月の全米オープンに勝利し、初メジャー制覇を果たしたブルックス・ケプカ(米)と世界ランク4位の松山英樹が参戦。アメリカツアーでしのぎを削る両雄が、日本の地で再び雌雄を決する。
全米オープン最終日、10番でケプカに1打差と迫り、メジャー初制覇が手に届きそうだった松山英樹。世界ランクでは上の松山の逆転を夢見た日本中のファンの声援をため息に変えたのは、バックナイン後半で連発したケプカのミラクルショットだった。メジャーを制するのはこうした“神懸かった”プレーが必要だが、その世界屈指のガチンコ勝負が日本のビッグトーナメントで見られるとあって、今大会はがぜん熱を帯びてきた。
アメリカツアーはまさにこれから。この季節から調子を上げて、2018年の最初のメジャー「マスターズ」を何があっても制したいと思っている第一人者は、松山英樹を置いてほかにはいないだろう。昨季、米ツアーで3勝をあげ、4大メジャーでも常に優勝候補の一人に挙げられてきた松山。そのプレッシャーにも耐えて優勝争いを演じた本人にとって、もはや欲しいのはメジャーの戴冠のみ。日本ツアーでは昨年の日本オープン、三井住友VISA太平洋マスターズを制して、もはや日本の舞台では少々狭く感じていただろう松山だが、ケプカが参戦し、このダンロップフェニックス2連覇を狙っているとなれば話は別。凱旋帰国とは言え、“血統”では純日本馬として、外国産馬に持っていかれることをみすみす見逃すことはできないはず。メジャー大会の再現となる今大会が熾烈なバトルになることは必至だろう。
一方、日本の賞金王の行方もまさに白熱中だ。男子プロゴルフツアーは、このダンロップフェニックスを入れてあと3試合。最後のゴールラインを“鼻差”で制するのは現在トップの小平智なのか、それとも宮里優作なのか、はたまたチャン・キム(米)、いや池田勇太なのだろうか。このダンロップフェニックスの順位、行方はかなり大きな意味を持つ。
改めて上位4選手の賞金額を確かめてみよう。先週の三井住友VISA太平洋マスターズを制し1位を奪還した小平は、1億5,455万円でこの団子レースをかなり優位なものにした。2位の宮里(1億3,494万円)、3位のキム(1億3,098万円)とは差は約2,000万円。確かに優位と言える差ではあるが、宮里もキムもハマると60台前半を出せる爆発力を持つ実力者だけあって、このダンロップフェニックスの結果如何では、まだまだ分からない差と言っていいだろう。
苦しくなったのは昨年の賞金王の池田勇太だ。先週、まさかの23位タイで、優勝した小平と2位の宮里に一気に水を開けられ、トップと約3,500万円差になってしまった。これから、上位3人が予選落ちするのは、不意の怪我などの突発的なことが起きない限り考えられない。それでも海外参戦、いや4大メジャー大会への思いを隠さない池田にとって、ケプカ、松山の参戦をも闘志に火をつける材料にするはずだ。優勝すれば2,000万円、3,000万円差を詰められるだけあって、今季最大の集中力で臨むのは間違いない。
シード当落線上の選手も、来年の出場権を賭けた試合に臨む。松山、ケプカ、日本の賞金王、シード権争いと男たちの真剣勝負がもうすぐ始まる。今季最大のヤマ場と言っていい、第44回ダンロップフェニックス。その舞台は整った。