野田洋次郎とのライブ初共演も実現、バンドの最新形を見せたSOIL&“PIMP”SESSIONS『晩秋のハリネズミ』東京公演

レポート
音楽
2017.11.20
SOIL&“PIMP”SESSIONS、野田洋次郎 2017.11.15 撮影=後藤倫人

SOIL&“PIMP”SESSIONS、野田洋次郎 2017.11.15 撮影=後藤倫人

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SOIL&“PIMP”SESSIONS「晩秋のハリネズミ」
2017.11.15 マイナビBLITZ赤坂

大根仁監督のドラマ『ハロー張りネズミ』のサウンドトラックとして制作したアルバム『真夜中のハリネズミ Music from and inspired by ハロー張りネズミ』と、野田洋次郎(RADWIMPS)をフィーチャリングボーカルに迎えたコラボシングル「ユメマカセ」で、復活後のバンドの好況を知らしめたSOIL&“PIMP”SESSIONS。音楽の自由度を享受し、表現した結果、配信版はトータル38曲(!)入りとなるほど。“DEATH JAZZ”を名乗る彼らは、まさにあらゆるジャンルと演奏のアイディアを飲み込み消化するモンスターバンドだ。そのことを今回のアルバムを軸とした東京のライブでも大いに実感させられた。

SOIL&“PIMP”SESSIONS 2017.11.15 撮影=後藤倫人

SOIL&“PIMP”SESSIONS 2017.11.15 撮影=後藤倫人

今回のライブは元晴(sax)が昨秋、脱退し、充電期間を経て今年4月に活動再開したワンマンライブ『PUMP IT UP』、そして8月に行なった東名阪のいわゆるジャズ箱ツアー『Summer Action』以来となるもの。フロアを埋め尽くした老若男女(大げさでなくまさにそうした客層なのが素晴らしい)が、演奏やグルーヴにダイレクトにリアクションする様子も、百戦錬磨のSOILファンらしいタフネスだ。

アルバムから早くも今のSOILのキラーチューンとなった感の「ハロー張りネズミのテーマ」はイントロの丈青(Pf)のリフ一発で大きな歓声が上がり、タブゾンビ(Tp)とサポートの栗原健(Sax / Mountain Mocha Killimanjaro)のパワフルなユニゾンもまるで歌モノが及ぼすアンセミックなパワーを漲らせる。「Blow Up」では丈青がノイジーなエレキギターのごときサウンドをショルダーキーボードで鳴らし、音源の何倍もの強烈な衝撃で会場を満たしていく。
 

SOIL&“PIMP”SESSIONS:社長(Agitator) 2017.11.15 撮影=後藤倫人

SOIL&“PIMP”SESSIONS:社長(Agitator) 2017.11.15 撮影=後藤倫人

SOIL&“PIMP”SESSIONS:タブゾンビ(Trumpet) 2017.11.15 撮影=後藤倫人

SOIL&“PIMP”SESSIONS:タブゾンビ(Trumpet) 2017.11.15 撮影=後藤倫人

SOIL&“PIMP”SESSIONS:丈青(Piano、Key) 2017.11.15 撮影=後藤倫人

SOIL&“PIMP”SESSIONS:丈青(Piano、Key) 2017.11.15 撮影=後藤倫人

新作を軸に序盤からハイテンションな演奏と分離のいい出音ですっかりグルーヴが醸成されたところで、社長(Agitator)が、久々のワンマン、そしてスタンディングのライブを大いに楽しんでいることをアピール。今回のステージでは彼がキーボードやシンセを担当する割合が増え、メガホンでアジテートし、バンド全体を指揮するようないつものパフォーマンス以外にも実際の音として、時にスペイシーだったり、ソウル要素であったりが加味されたことで、過去曲もぐっとアップデートされたことは間違いないだろう。「今回からやることが増えましたからね」と社長が冗談めかして言うと、丈青が「いや、社長うまくなったと思う。僕が入院してたから」と返し、さらに社長が「こんな人(丈青)の横で15年も聴いてたら、そりゃ色々盗めましたよ」と、丈青の手の怪我の件も笑いに転化していく。

新曲から意外な方向に展開していったメドレーは、ポップスから王道のジャズまで、SOILだからこそ“こんなのアリ?”な流れを作ることで、さらにフロアを引きずり込み、時に笑わせ陶酔させる。大阪のライブを見る人のためにここは蓋を開けてのお楽しみということにしておこう。
 

SOIL&“PIMP”SESSIONS:秋田ゴールドマン(Bass) 2017.11.15 撮影=後藤倫人

SOIL&“PIMP”SESSIONS:秋田ゴールドマン(Bass) 2017.11.15 撮影=後藤倫人

SOIL&“PIMP”SESSIONS(サポート:栗原健) 2017.11.15 撮影=後藤倫人

SOIL&“PIMP”SESSIONS(サポート:栗原健) 2017.11.15 撮影=後藤倫人

SOIL&“PIMP”SESSIONS:みどりん(Drums) 2017.11.15 撮影=後藤倫人

SOIL&“PIMP”SESSIONS:みどりん(Drums) 2017.11.15 撮影=後藤倫人

そしてメドレーで複雑かつパワフルなステージングに高揚したフロアに、秋田ゴールドマン(Ba)の印象的なフレーズ、そしてタブゾンビの哀感たっぷりなメロディが、ノワールな空気をまとって流れた「Silent Remedy」をフロアに染み込ませた後、社長の「Special guest for tonight!」というコールとともに、レアグルーヴィなピアノが流れ、野田洋次郎が軽快なステップとともに登場。悲鳴にも似た歓声が上がり、登場していきなりのスムーズなボーカルとスキルフルなラップ、そしてミュージックビデオでも見ることができた、あのコンテンポラリーダンスにも似たしなやかなムーブで一瞬にしてフロアをロックしてしまった。この曲を演奏している時のメンバーの笑顔もまた非常に印象的。お互いへのリスペクトの上で、お互いにとって新しいチャレンジが実現したことへの音楽家としての喜びが羨ましいほど溢れていたのだ。そしてこのコラボやドラマ出演についてのトークでは、野田のようなワイドパンツと瑛太のようなプリントシャツを社長が着ていたことをタブゾンビが暴露。「完全にマッシュアップですね!」とさすがの受けで笑いを起こす野田のウィットにも今回のコラボの楽しさが透けて見えた。

SOIL&“PIMP”SESSIONS、野田洋次郎 2017.11.15 撮影=後藤倫人

SOIL&“PIMP”SESSIONS、野田洋次郎 2017.11.15 撮影=後藤倫人

その後、メンバー紹介しながらのソロ回しの中でも、ハードロック、ヒップホップを生音に昇華したある種、新世代ジャズ的なビートなど、様々なジャンルを盛り込んだみどりん(Dr)のタイトなドラミングにもバンドとしての現在形を感じながら、ポピュラーな「ルパンのテーマ」ではホーンの二人が格闘めいたソロを吹きまくる。酸素ボンベを何本消費したんだろう?というほどの熱演だ。サンバのリズムに乗せてのコール&レスポンスでフロアも全員参加と相成った「Fuller Love」の一体感、そしてパンクやヒップホップ以上に、奏法もサウンドもアグレッシヴな「SATSURIKU ニューウェイブ」など、5人+1人の人間力で、オーディエンスの潜在的なパワーも自ずと引き出された圧巻の本編。インストで涙が出るという稀有な経験をしたが、何もそれは不思議なことじゃない。何が突き動かされて自分でも驚くような反応をするのか? その計り知れなさの強度を今のSOIL&“PIMP”SESSIONSは増している。すでに次作に取り掛かっているという事実も納得だ。

今の彼らを目撃したいリスナーは、12月8日、長岡亮介ペトロールズ)をゲストに迎える大阪公演をチェックしてみてほしい。


取材・文=石角友香 撮影=後藤倫人

SOIL&“PIMP”SESSIONS 2017.11.15 撮影=後藤倫人

SOIL&“PIMP”SESSIONS 2017.11.15 撮影=後藤倫人

 

ライブ情報
SOIL&”PIMP”SESSIONS 晩秋のハリネズミ
<大阪公演>
日時:2017/12/08(FRI)
場所:大阪BIG CAT
OPEN/START 18:15/19:00
<チケット>
STANDING 前売 ¥4,000(D代別)
前方指定席 前売 ¥5,000(D代別)(SOLD OUT)
 

 

リリース・配信情報
「ユメマカセ EP」
2017年8月2日発売 ※配信限定
M1ユメマカセ/ SOIL&"PIMP"SESSIONS feat. Yojiro Noda
M2ハロー張りネズミのテーマ/ SOIL&"PIMP"SESSIONS
 
iTunes Store、レコチョク、moraなど主要配信サイトにて配信中
<iTunes Store>
https://itunes.apple.com/jp/album/id1260855872?app=itunes&ls=1
<レコチョク>
http://recochoku.jp/song/S1005388860/
<mora>
http://mora.jp/package/43000005/VEAWA-34495/


シングル SOIL&"PIMP"SESSIONS feat. Yojiro Noda「ユメマカセ」
2017年8月23日(水)発売
VICL-37318 ¥1,200+税
★初回生産限定スリーブケース仕様/通常盤 
<収録内容>
1. ユメマカセ / SOIL & "PIMP" SESSIONS feat Yojiro Noda 
※TBS系 金曜ドラマ『ハロー張りネズミ』主題歌
2. CRAWLIN' / SOIL & "PIMP" SESSIONS
3. ハロー張りネズミのテーマ(真夏のハリネズミ) / SOIL & "PIMP" SESSIONS
4. ユメマカセ(Instrumental) / SOIL & "PIMP" SESSIONS


アルバム『真夜中のハリネズミ Music from and inspired by ハロー張りネズミ』
2017年8月23日(水)発売
[CD] VICL-64835 ¥2,500+税
★初回生産限定スリーブケース仕様
<収録内容>
1. ハロー張りネズミのテーマ
2. 人生
3. Blow Up
4. Under The Red Mound
5. Great Buddha
6. Reasoning
7.この静寂の中で
8. Puzzle
9. On The Lotus
10. Feel Nothin’
11. Soilent Remedy
12. Magnetic
13. The Man From A.K.T.K.
14. Rambling Pass
15. Blue Sky
16. Love Step
17. ハロー張りネズミのテーマ 〔グッドナイト・ハリネズミ ver.〕
18. All Over Again
19. ハロー張りネズミのテーマ 〔真っ昼間のハリネズミ ver.〕


アルバム『真夜中のハリネズミ Music from and inspired by ハロー張りネズミ [COMPLETE EDITION]』
2017年8月23日発売 ※配信限定
<収録内容>
1. ハロー張りネズミのテーマ
2. 人生
3. Blow Up
4. Under The Red Mound
5. Great Buddha
6. Reasoning
7. この静寂の中で
8. Puzzle
9. On The Lotus
10. Feel Nothin'
11. Soilent Remedy
12. Magnetic
13. The Man From A.K.T.K.
14. Rambling Pass
15. Blue Sky
16. Love Step
17. ハロー張りネズミのテーマ(グッドナイト・ハリネズミ ver.)
18. All Over Again
19. ハロー張りネズミのテーマ(真っ昼間のハリネズミ ver.)
20. ハロー張りネズミのテーマ(昼下がりのハリネズミ ver)
21. What About
22. Once in a Lifetime 
23. Raindrops
24. Fall in Love Too Easily
25. Heartful
26. Doubt
27. Reminiscence
28. Kodo
29. 柱
30. Friction
31. Converge
32. John Zombie
33. Jinari
34. Dakara?
35. Old Paper
36. Explorer
37. Another Sky
38. Flower of Children
 
iTunes Store、レコチョク、moraなど主要配信サイトにて配信中
<iTunes Store>
https://itunes.apple.com/jp/album/id1267750208?app=itunes&ls=1
<レコチョク>
http://recochoku.jp/artist/2000859403/
<mora>
http://mora.jp/package/43000005/VEAWA-34550/
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