2015 北九州国際音楽祭

多彩な演奏家たちが織り成す、多様な「交歓と創造」


 四半世紀以上の歴史を誇る北九州国際音楽祭が、今年も多彩な陣容で開催される。テーマは『未来へのかがやき〜交歓と創造〜』。以下、主な公演をご紹介しよう。
 まずテーマにピタリと即しているのが「マイスター・アールト × ライジングスター オーケストラ」(10/17)。北九州市出身の篠崎史紀をはじめ、N響、東響、都響、読響のコンサートマスターや首席奏者などが居並ぶ「マイスター・アールト組」と、オーディションで選ばれた優秀な若手演奏家たちによる「ライジングスター組」が相まみえる、“オーケストラ職人と超新星たちの交歓と創造”のコンサートだ。彼らはコンサートマスター・篠崎のもとで丁々発止のリハーサルを重ね、各メンバーの自発性に溢れた演奏を披露。今回は、プロコフィエフ、モーツァルト、メンデルスゾーンの名交響曲が並んだプログラムも食指をそそる。
 海外組では、トゥガン・ソヒエフ指揮ベルリン・ドイツ交響楽団(10/31)。1977年生まれのソヒエフは、この楽団とトゥールーズ・キャピトル国立管、ボリショイ劇場の音楽監督を兼務しながら、ベルリン・フィル等に客演を重ねる、引く手あまたの上昇株。機能性とドイツ的な響きを併せ持つ同楽団(旧西独のベルリン放送響)とのコンビでは、清新な活力に充ちた演奏が期待される。また2010年ショパン国際コンクールの覇者、ユリアンナ・アヴデーエワの主張が明確なピアノ独奏も、未来の大輪の趣。ベートーヴェンの協奏曲や「英雄」交響曲が並ぶ王道プロも、俊英・才媛×名門の「交歓と創造」に相応しい。
 毛色の違うところでは、人気ジャズ・ピアニストの小曽根真と、スタジオを中心に活躍する日本のトップ・トロンボーン奏者、中川英二郎のコラボが目をひく(11/1)。小曽根は近年、内外主要楽団との協奏曲で賞賛を受け、中川も録音や放送、CMを多数受け持つと同時に、オーケストラ等と共演しているマルチな才人。今回いかなるテイストの「交歓と創造」が実現するのか? 当日発表される曲目を含めて興味津々だ。
 このほか、ウィーン・フィルの名コンサートマスター、ライナー・キュッヒルがその至芸を聴かせる公演(11/14)や、共に個性的な音楽が輝きを放つピアノの河村尚子、ヴァイオリンの佐藤俊介に、シュトゥットガルト放送響の首席クラリネット奏者セバスティアン・マンツ、バンベルク響の首席チェロ奏者ウルリッヒ・ヴィッテラーが加わった俊英グループによるフランス・プログラム(11/21)も見落とせない。さらには、ドイツ宮廷歌手のバリトン・小森輝彦によるサロン・コンサート(10/22)、教育プログラム、市民企画などもあって目移りするばかり…。
 秋は北九州で「未来へのかがやき」を体感しよう!
文:柴田克彦
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年10月号から)

10/17(土)〜11/21(土) 北九州市立響ホール、アルモニーサンク北九州ソレイユホール、西日本工業倶楽部 他
問:北九州国際音楽祭実行委員会事務局093-663-6567
http://www.kimfes.com

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