クシシュトフ・ウルバンスキ(指揮) 東京交響楽団
話題の新鋭指揮者&ソリストが描く鮮烈な響き
東京の音楽シーンを彩る若手指揮者たちのなかでも、とりわけ注目に値するのが東京交響楽団の首席客演指揮者、クシシュトフ・ウルバンスキではないだろうか。1982年、ポーランド生まれ。昨年はベルリン・フィルの定期演奏会にデビューを果たした。現在、アメリカのインディアナポリス交響楽団音楽監督、ノルウェー・トロンヘイム交響楽団首席指揮者を務め、2015/16シーズンからは北ドイツ放送交響楽団首席客演指揮者に就任。まさに飛ぶ鳥を落とす勢いの活躍ぶりだ(しかもイケメン!)。
そのウルバンスキと東京交響楽団が10月の定期演奏会で披露するのは、ブラームスの「悲劇的序曲」、モーツァルトのヴァイオリン協奏曲第5番「トルコ風」(独奏:ステファン・ジャッキーヴ)、ストラヴィンスキーのバレエ組曲「火の鳥」(1945年版)の3曲。リハーサルの段階からスコアを暗譜して臨むというウルバンスキは、作品を一から洗い直すことで、慣習にとらわれない清新な音楽を作り出してきた。今回も発見の多いコンサートになることだろう。「火の鳥」は人気の高い1919年版ではなく、後年に改訂された1945年版を選んでいるあたりも、ウルバンスキなりの理由があってのことか。
モーツァルトで独奏者を務めるジャッキーヴは、1985年ボストン生まれの新鋭。こちらも若い。すでにボストン交響楽団やシカゴ交響楽団などアメリカの名だたる有力楽団と共演を果たしている注目株だ。大いに期待したい。
文:飯尾洋一
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年10月号から)
東京交響楽団 第634回定期演奏会
■日時:2015年10月17日(土)18:00
■会場:サントリーホール
■出演:指揮:クシシュトフ・ウルバンスキ、ヴァイオリン:ステファン・ジャッキーヴ
■曲目:
ブラームス:悲劇的序曲 作品81
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲 第5番 イ長調 K.219 「トルコ風」
ストラヴィンスキー:バレエ組曲「火の鳥」(1945年版)
■問合せ:TEL: 044-520-1511 平日10:00~18:00
■公式サイト:TOKYO SYMPHONYセンター http://tokyosymphony.jp/
※新潟公演:10/18(日)17:00 第92回新潟定期演奏会(りゅーとぴあコンサートホール)
■問合せ:りゅーとぴあ専用ダイヤル025-224-5521