ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン 青学(せいがく)vs比嘉 ゲネプロレポート速報
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ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン 青学(せいがく)vs比嘉
12月21日TOKYO DOME CITY HALLにて幕を開けたテニミュ。本番直前に行なわれたゲネプロは、全国大会に駒を進めた青学(せいがく)の新たな決意と、不器用なほどに勝ちにこだわる比嘉の本気が心に響いた。
『テニスの王子様』の中でもっともヒール感を醸し出している比嘉との戦いが描かれた今作は、信じられないような荒行を乗り越えて沖縄から全国制覇を目指してやってきた“ダークホース”比嘉と、毎試合ごとに確実に進化と成長を遂げてきた“エリート”青学(せいがく)とのぶつかりあい。常に漂う一触即発のピリピリとした空気に、比嘉の沖縄言葉はよく似合う! 海人の猛々しさで場を掻き回すインパクトは強烈だ。
全国大会緒戦の試合は全部で5試合。シングルス3を飾ったリョーマ(阿久津仁愛)vs田仁志(高田 誠)は、冷静さを失わずに勝機を見出したリョーマのクールな魅力が際立った。第二試合の不二・河村(定本楓馬・鈴木雅也)vs平古場・知念(岩城直弥・雷太)は、正面から勝負を挑む青学(せいがく)に対する比嘉が、“本気”で戦う心地よさを見出していく過程が清々しく、これぞ少年漫画ならではの手触りに。続く菊丸(永田聖一朗)vs甲斐(吉澤 翼)は、甲斐の必殺技“バイキングホーン”にちなんだ遊び心のある演出でひと味違ったステージングが飛び出し、立海メンバーも助っ人参戦。一方の菊丸もまさかの戦法で対抗、彼にしかできないシングルス戦を展開し場を湧かせた。そして第四試合は今作からテニミュ初登場となった比嘉のキャラクター、不知火・新垣(園村将司・松井遥己)と乾・海堂(加藤 将・牧島 輝)のダブルス。こちらは乾の先を見据えた冷静なデータテニスと海堂の粘りで青学(せいがく)の底力を見せつける結果に。
最終戦は、自らを“殺し屋”の異名を持つ比嘉の部長・木手(武藤賢人)vsリハビリから復帰した青学(せいがく)部長・手塚(宇野結也)。人並みはずれたバランス感覚で攻め入る木手と、立海陣にも“これが本来のテンション”と言わしめる、“これまで見たことのなかった”オーラと存在感をまとった手塚の鬼気迫るゲームだ。
このヒリヒリ感こそ、比嘉戦の持ち味! 汚い手を使ってでも勝ちをもぎとろうとする比嘉の意地、そしてその裏にしっかりと見える“テニス愛”──やはり、コートには真のヒールなどいないのだ。彼らはちょっと不器用なだけ…。どんな相手にも清く正しく立ち向かっていく青学(せいがく)とはまさに対照的な存在である比嘉が残していく、ちょっとビターな後味もまた、青春時代の貴重な勲章だ。
開幕に先駆け発表があったように、リョーマ以外の現・青学(せいがく)メンバーは、この比嘉公演が最後の本公演出演となる。とはいえ、お別れを前にしたセンチメンタルな気分は皆無。公演ごとに絆を深め、個性を際立たせ、常にブラッシュアップしてきた“今の青学(せいがく)”のすべてをステージから届けてくれている彼らの姿は実に頼もしい。また、カリスマ性を増した幸村(立石俊樹)を中心に結束を固める立海メンバーは、締めどころから抜きどころまで自在に担い、舞台全体を鮮やかにサポート。比嘉との因縁つながりで青学(せいがく)を見守ってくれた六角の佐伯(二葉 要)のスポーツマンシップも印象的だった。
ゲネプロ後の会見でリョーマ役の阿久津が「一本の中にたくさんのドラマがあります。ぜひ登場人物それぞれの姿を追って欲しい」と語ったように、すべてのキャラクターそれぞれに宿る、テニスにかける熱い思い、揺るぎない信念が混じり合い重なり合った歌声の力強さは本物。そう、カンパニー全員の本気と向き合い、アンコールの最後の最後まで、舞台上も客席も笑顔でいられるのがテニミュ。どんな舞台も一期一会。今しか見ることの出来ない煌めきは、今、劇場で目撃しよう。
囲み会見コメント
越前リョーマ役:阿久津仁愛
全42公演、怪我や体調に気をつけながら、熱い試合をひと試合ひと試合全力で重ねていきますので、応援よろしくお願いいたします。自分の見どころはシングルス3! 前回同様体格の違う相手との対戦で、前回は無我の境地を使ってなんとか勝ったんですけど、今回はリョーマ自身の生み出した作戦で“冷静に”勝ちます。あと、手塚部長が帰って来るのも見どころですよね。自分自身もリョーマとしても部長の試合を見るのは楽しいので、ぜひみなさんにも楽しんでもらいたいですね。この比嘉公演は冬の公演ですが、年をまたいで行なうということで、この寒さを吹っ飛ばせる熱い公演になればな、と思います。
手塚国光役:宇野結也
今回は手塚が怪我から復帰します。彼にとってはやっとの試合であり、僕にとっては初めての試合。この高揚感を大切にして、部長対決に全力を尽くしていきたいです。そして、青学(せいがく)メンバー全員でコートの上に立ち、試合をしたり芝居をしたり……やっと欠けることなく揃った僕たちの姿を是非観て欲しい。僕ら青学(せいがく)は今回が本公演ラストになるのですが、悲しいとかではなく、今まで培って来た者を存分に出し、青学(せいがく)らしく熱くてさわやかな風を起こせるように──42公演、全力を尽くしたいです。
木手永四郎役:武藤賢人
木手は比嘉の部長であり、みんなを集めた張本人なので、本番でも比嘉を引っ張っていけるように頑張ります。いろんな荒行やスパルタに耐えて来た比嘉の思いをステージ上にぶつけたいです! 比嘉はテニミュ初登場のキャラがふたり増え、よりパワーアップしています。ひとりひとりの個性もとても強いです。今回、新しい演出も加わり、ホントに見どころがいっぱいある比嘉公演。木手と手塚の対決にもぜひ注目していただければ。よろしくお願いいたします。
幸村精市役:立石俊樹
毎公演ベストを尽くして臨み、役として生きられるように追究し、最後まで頑張りたいです。病から復活した幸村が再びチームと一緒になる。そしてさらに徹底的に勝ちにこだわる姿をお見せします。今回もお客様に楽しんでいただけるように…そのためだけに、みんなで稽古に取り組んで来ました。3rdシーズンならではの演出の数々、ひとりでも多くの方に劇場で観ていただきたいです。最後まで新鮮に演じます。応援、よろしくお願いいたします。
取材・文=横澤由香
(C)許斐 剛/集英社・NAS・新テニスの王子様プロジェクト
(C)許斐 剛/集英社・テニミュ製作委員会
【原作】許斐 剛『テニスの王子様』(集英社 ジャンプ コミックス刊)
【東京公演】
2017年12月21日(木)~12月24日(日)
TOKYO DOME CITY HALL
【大阪公演】
2017年12月28日(木)~2018年1月7日(日)
大阪メルパルクホール
【福岡公演】
2018年1月13日(土)~1月14日(日)
福岡サンパレス ホテル&ホール
【愛知公演】
2018年1月19日(金)~1月21日(日)
日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール
【宮城公演】
2018年 1月27日(土)~1月28日(日)
岩沼市民会館 大ホール
【東京凱旋公演】
2018年 2月 8日(木)~2月18日(日)
TOKYO DOME CITY HALL
一般発売日:2017年11月19日(日) 10:00~
公式HP https://www.tennimu.com/
テニミュ・モバイル http://tennimu.jp