おっちゃん&ミンジュの怪しいK-Pop喫茶[第4話]顔より太もも

2015.10.5
コラム
音楽

よくある競輪場の風景(撮影:u1729)

おっちゃん「顔より太もも! うむ、おっしゃる通りである」
ミンジュ「は?」
おっちゃん「女性は脚なんか細けりゃ細いほどええと思うとるようやが、そう思うとる限り2次元キャラには勝てへんぞ。
3Dには3Dのリアルな良さっちゅうのがあるねん」
ミンジュ「いったい、なにほざいとるの?」
おっちゃん「いやなに、今やってるガールズケイリンのチャッチコピーが“顔より太もも。”ちゅうてな、納得出来るなーて感心しとったんや」
ミンジュ「はぁ? 仕事もせんとネットで競輪なんかやってたんか?(怒)」
おっちゃん「い、いや(汗)…仕事ですがな、仕事。K-Pop喫茶にふさわしいKアイドルの研究です」
ミンジュ「Kアイドルとガールズケイリンがどお関係あるゆうの?」
おっちゃん「そやから、ガールズケイリンゆうたら太もも、太ももゆうたらKアイドルでしょうが」
ミンジュ「そおなん? (じー)口から出任せちゃうか?」
おっちゃん「おや、Kアイドル界3大太ももをご存じない?」
ミンジュ「そんなテノール歌手みたいにゆわれてもなぁ」
おっちゃん「3大太ももは有名やからこの際に憶えておきなさい。
Sistarのヒョリン、MAMAMOOのファサ、そしてAileeや」

Sistar『I Swear』MVより(手前がヒョリン)

MAMAMOO『Um Oh Ah Yeh』MVより(右端がファサ)

ミンジュ「まぁなんとなく判るような」
おっちゃん「他にも3大細もも、河北麻友子、桐谷美玲、ツィッギーってのもあるけど」
ミンジュ「ツイッギーて誰だよ?」
おっちゃん「それ説明し出すと小森のおばちゃまから始めにゃならんから面倒や。
話を3大太ももに絞ると、この中で、ヒョリンは太股よりその怖い顔に視線が行き勝ち。ファサはただ太いだけで風情がない。
やはり太股は内側からの力感あふれるパッツンパッツンした質感が大事や」
ミンジュ「…(呆)」
おっちゃん「以前は理想的な太ももとしてf(x)のルナがおった。彼女は小学生時代に相撲や砲丸投げの選手やったので下半身が鍛えられ、パンパンに張っておった。
それやのに、ここ2年ほどで筋肉が落ちてほっそりしてしまいおった。Kアイドル界最大の損失や(しくしく)」
ミンジュ「泣くほどのことか?」
おっちゃん「そんな訳で、残ったのはAileeや。
この娘は可愛い顔、ワイルドな声、抜群の歌唱力と他の要素もバッチリ。それらを支えるパッツンパッツンと張り切った太ももたるや故宮博物館に展示してもええほどやった(涎)」
ミンジュ「どうせ豚の角煮(肉形石)と同一視しておるんやろうな」
おっちゃん「そやけど、彼女の太ももが我々愛好家の目にとまるにはしばし時間がかかったのじゃ。そもそも彼女の来歴は…」
ミンジュ「そっから振り返る気?」
おっちゃん「黙って聞かんかい!
Aileeはアメリカはデンバー生まれ。1989年ちゅうから少女時代の大半と同じ歳やね」
ミンジュ「…」
おっちゃん「両親はミュージカル歌手で、生まれつき素質は充分。マライヤ・キャリーの歌をカバーした動画がYoutubeで1000万ヒットを越えるなど、デビュー前から話題にはなっていた。
2011年現在の事務所のオーディションを受けて一発合格、ほとんど練習生の時期を経ずして、あっさりデビューの運びとなった」
ミンジュ「24歳(かぞえ歳)でデビューてのはずいぶん遅いよね」
おっちゃん「そやけどすぐ売れたからな。早くデビューしても8年も売れないままの誰かよりずっとええ」
ミンジュ「ひとこと余計やって(むかむか)」
おっちゃん「デビュー曲『Heaven』の、なんとも奇妙なMVは当時結構話題になったもんじゃ」

Ailee『Heaven』MV
 

ミンジュ「わ、マジで変。ヨーロッパ映画みたい」
おっちゃん「相手役のモデルがキリストにしか見えないとか、顔から顔が生えるようなキモイ映像処理とか、そんなとこばかり気になって、ヒロインのAileeはほぼ注目されず」
ミンジュ「確かにインパクトだらけの映像やからね(笑)」
おっちゃん「ただ、歌唱力がただ者じゃないことはよく判ったから、Aileeの名前は覚えてたよ。
ちなみにこのキリスト、本名はJAMES LEE MCQUOWNゆうモデルで、その後もいろんなMVに出て話題になっておった。
あのチョー・ヨンピルの楽曲にも出演してるんやで」

チョー・ヨンピル『Hello』
 

ミンジュ「わー、ホンマや。スゲー」
おっちゃん「今では釜山港に帰っているそうや」
ミンジュ「嘘つけ」
おっちゃん「韓国だけやなく、日本やイタリアの事務所とも繋がりがある国際的モデル、それがキリストの正体や。
詳しくはこちらをどうぞ」
http://www.1883magazine.com/models/models/james-lee-mcquown
ミンジュ「いや、この人の情報はそんないらんねん。Aileeねえさんの話やろ?」
おっちゃん「あ、そうやったそうやった。まぁそんくらいデビュー曲ではキリストの印象が強くて、ワシらはAileeの太股に気付かんかったって話や」
ミンジュ「一生気付かんでよかったのに」
おっちゃん「その半年後、セカンドシングルの『見せてあげる』が発売された」

Ailee『見せてあげる』
 

ミンジュ「お、かっちょええ」
おっちゃん「そお。『Heaven』のなんともシュールな映像から一転して、ポップで色鮮やかな世界が展開される。
そこでワシらは気付いたのじゃ」
ミンジュ「太股に?」
おっちゃん「いんや。“あ、Aileeって美人なんやなー”って」
ミンジュ「今更かい!」
おっちゃん「そやかて『Heaven』ではキリス…」
ミンジュ「判った判った。何度もゆうな」
おっちゃん「このMVは大ヒットしたイ・ヒョリの『U-Go-Girl』とコンセプトが共通しているのやけど…」

イ・ヒョリ『U-Go-Girl』
 

おっちゃん「ヒョリが成熟した女性美を前面に打ち出しておるのに対し、Aileeは若さや初々しさが目立つ。
つまり美人やけど、どっちかとゆうと“可愛ええ”って感じや」
ミンジュ「まぁヒョリーねえさんと比べちゃうとね」
おっちゃん「可愛さとぶっとい太ももは両立が難しい。そこでワシらは可愛さに目を奪われ、太ももから視線が逸れる。
結果またしても彼女の太ももに気付かないままや」
ミンジュ「その論理展開は強引な気がするな」
おっちゃん「ま、まぁ、全然気付かなかった訳やないんやで。テレビとかで踊ってるの観たら“あれ、意外と逞しいのね”くらいは思うておったのさ、ははは、ははは」
ミンジュ「そんならそおゆうたらええやん」
おっちゃん「とにかく、太もも美女であることを隠したまま、彼女はこの曲でブレイクした。
当時はPSYの『江南スタイル』がアホのように売れていて、MVなんか世界中で20億回も観られたし、ミュージックバンクであの少女時代『Gee』の持つ9週連続1位という記録を破ったのも『江南スタイル』やった。
そのPSYの破竹の勢いを止め、1位に輝いたのがこの『見せてあげる』やったんや。」
ミンジュ「でも次の週にはまた『江南スタイル』が1位になったけどね」
おっちゃん「(かくん)チャチャ入れるんじゃねー!
そして翌年、彼女への見方を一変させた新曲が発表された。それが『U&I』や!(どーん!)」

Ailee『U&I』
 

おっちゃん「このMVで惜しげもなくさらけ出された超合金ロボのような太ももに、世界は刮目した。
凄いぞ、Ailee! 太いぞ、Ailee! これほどの逸材を見逃していた不明を我々は恥じた。
オーディションでIUを15回落としたくせにミンジュを合格させたJYPエンターテインメントくらい恥ずかしかった」
ミンジュ「放っとけや」
おっちゃん「太ももに加えて、進化した美貌とど迫力の歌唱。
彼女のキャッチコピーが“スウィート&パワフル”とはよお名付けたもんや」
ミンジュ「確かこの曲も1位になったよね」
おっちゃん「うむ。ミュージックバンクでは2週続けて1位じゃ。ワシはステージで舞い弾ける太ももをたっぷり堪能したよ」
ミンジュ「変態そのものの台詞を、最早さらっと言うようになったのね(呆)」
おっちゃん「その後もAileeは『Dont' Touch Me』などでも太ももを見せつけ、押しも押されもせぬ腿ドルへと成長していった」
ミンジュ「腿ドルてなんだよ。勝手に作るんじゃないよ」

Ailee『Dont' Touch Me』
 

おっちゃん「この時は10kgもダイエットしたと聞いておったんやけど、全然そういう風に見えないところが素晴らしい。さすが韓国を代表する腿ドル。
しかし、これ以後はバラードやらOSTやらでややおとなしめの活動が続いてな。日本デビューなんかもあったし、腿ドルファンには寂しい時期が続いとったんやが、ついにこの夏カムバックするというので、ワシらは喝采を上げたよ。
祝いに金華ハムを食いまくった」
ミンジュ「話を盛るんやない」

Ailee『Mind Your Own Business』
 

おっちゃん「この曲では太ももを前面に出してはおらんけど、迫力ある歌声は健在。コミカルな芝居を取り入れたりと、全体にイ・ヒョリ的ポジションへとシフトしつつある」
ミンジュ「そやね」
おっちゃん「それはまぁ正常進化や。それでも最後に元カレの股間を蹴り上げるなど、ドMを喜ばせるに仕掛けもあってちゃんと楽しめるし、ステージではハモンセラーノのごとき太ももが跳ね回り、我々を魅了するに違いないと期待しておった。そやのに…(がっくし)」
ミンジュ「そやのに?」
おっちゃん「9月7日、MVの撮影中に車のラジエーターが足の上に落ちてきて、開放性の骨折をしてしまったんじゃ」
ミンジュ「開放性って?」
おっちゃん「骨が見える状態ってことや」
ミンジュ「ひえー、聞くだに恐ろしい(ぶるぶる)」
おっちゃん「ラジエターなんか金属の塊で、何キロもあるからなぁ。全治4週間と言えば相当な重傷やで。
実際すぐ手術受けたって話やし、右足はギプスでガチガチや。
そやけど、その怪我をおして、1/3ほど残ってたMVの撮影も終わらせ、9月下旬からの活動も予定通りこなしておるそうや」
ミンジュ「そやけど踊れないんでしょ?」
おっちゃん「うむ。スツールに座ったまま歌ってるみたいやな。全治4週間というと活動期間まるまるやと思うから、生でダンスを観る機会はないかも知れんな」
ミンジュ「えー? 一所懸命練習して来たろうに、可哀想」
おっちゃん「アホか! 可哀想なのはずっと待ってたのに太ももを拝めないワシらやないかっ!」
ミンジュ「…(サイテー)」
おっちゃん「とにかく、活動中にもかかわらず、足を故障するなんてことは、割とよくある。
2009年の2月には少女時代のティファニーが怪我してギプスのままステージに立ち、ダンスは残り8人で踊ったし、f(x)のAmberも靱帯の怪我で半年くらい活動を休んだ。
T-araのファヨンは例のいじめ問題のきっかけとなった怪我がある。
そう言う意味じゃAileeはちゃんとステージに立ってる訳で、“意志”があると言えるやろうね(ニヤリ)」
ミンジュ「やめなさいよ、趣味が悪い」
おっちゃん「まぁ出来ればこの機会にリハビリでエアロバイクいっぱい漕いで、競輪選手並みの太ももを手に入れて貰いたい。勝率9割を越える小林優香選手くらい立派な太ももを」
ミンジュ「また競輪かい!」
おっちゃん「まぁ競輪選手もある意味“K”アイドルってことで(えへへ)」
ミンジュ「くだらねーわ!」

 


※T-araのいじめ問題…2012年8月にメンバーのファヨンが他のメンバーからいじめられているという噂がネットで持ちきりとなった。
ファヨンと他メンバーの不仲説は前からあったのだが、ファヨンが足を怪我し日本武道館でのコンサートに参加出来なくなった件で、他のメンバーがツイッターで“意志の問題(つまりステージに立つ意志が足りない)”、“演技の天才に拍手”などと実際にファヨンを責めるような会話を交わした。
これに対しファヨンは“場合によっては意志だけでは無理なこともある。”と抗弁したが、すべてツイッターを通じてのことなのでフォロワーに筒抜け。すぐにメンバー内でいじめが起きているとファンが気付いて騒ぎ出した。
この時点で、それまでどちらかと言えば問題児であまり評判のよくなかったファヨンは被害者となっており、関係者の認識と立場が逆転。それに気付かず所属事務所の会長がファヨンを悪者として解雇したことで、更に騒ぎが大きくなった。
結局当時ガールズグループの中でセカンドトップと言える位置にいたT-araは多くのファンを失い、国内人気は大きく下落することとなった。
この件に関しては関係者が口をつぐんでいるので、未だに多くの謎が残されている。

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