想像をはるかに超えるエンターテインメント シルク・ドゥ・ソレイユ『ダイハツ キュリオス』が開幕
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FINALE(フィナーレ) オフィシャル提供
世界が認めるエンターテインメント集団、シルク・ドゥ・ソレイユによる『ダイハツ キュリオス』東京公演が2018年2月7日から7月8日まで開催される。1984年の設立以来、世界6大陸、450都市以上、1億8千人以上の人々を魅了し続けた同集団。日本では1992年『ファシナシオン』から2016年『トーテム』まで全13作品を上演してきた。今回の『キュリオス』は同集団の創設30周年を記念して制作された特別な作品。これまでモントリオール、シカゴ、ニューヨークなど20都市以上で、280万人を超える人々に感動を与えている。東京公演開幕直前の6日に行われた、公開リハーサルの様子をお伝えしたい。
『TELEGRAM-AERIAL BICYCLE-(エアリアル・バイシクル)』 オフィシャル提供
『キュリオス』は「好奇心」や「骨董品」という意味を持つ。舞台は19世紀の産業革命の時代を彷彿とさせながら、どこか近未来を感じる雰囲気。目に見えない世界が存在すると信じている主人公のシーカーが、あちこちから集めた骨董品などのコレクションの中から間に合わせのアイテムで作った機械の世界に足を踏み入れるところからストーリーが始まる。風変わりなキャラクターたちが主人公の想像力を刺激しようと、詩やユーモアで世界をひっくり返そうとした時、骨董品たちが目の前で命を宿していく。
欧米では11時11分になると「Make a wish!」とツイートしてお願い事をする人が多いように、1が並ぶ「11:11」は偶然が重なり合うような幸運の時間と言われている。『キュリオス』は舞台後方の壁にかかっている時計が11:11の時を刻むところからスタートし、11:12になる頃には現実に戻るという設定だ。
『ダイハツ キュリオス』東京公演公開リハーサルの様子。演目は『CONTORTION(コントーション)』 撮影=五月女菜穂
想像をはるかに超えた舞台だった。大道芸人からスタートしたシルク・ドゥ・ソレイユ。彼ら、彼女らが30年かけてサーカスを独自に進化させた様々な技を次から次へと見せてくれる。筆者自身、初めてシルク・ドゥ・ソレイユの舞台を見たのだが、1幕・2幕合わせて2時間15分(途中休憩含む)の舞台を童心に返って楽しんだ。
『AERIAL STRAPS(エアリアル・ストラップ)』 オフィシャル提供
オープニングの「カオス・シンクロ1900」。機関車が駅で停車すると、曲芸師、ジャグラー、ダンサーなどが着飾って登場。アクロバットやパーカッション、振付も加わって自由と活気あふれるお祭りムードを作り出していた。
その後、地上約4メートルの装置の上で、宙返りをする女性を男性がキャッチする人間空中ブランコのような「ロシアン・クレードル」、空中に吊るされた自転車の上で様々な体勢になる「エアリアル・バイシクル」、深海生物を体の柔軟性を使って表現した「コントーション」などなど次々と演目が披露され、観客は魅了されっぱなし。
『ダイハツ キュリオス』東京公演公開リハーサルの様子。作品名は『ROLA BOLA(ローラ・ボーラ)』 撮影=五月女菜穂
筒や板を組み合わせた不安定な装置の上に乗ってバランスをとる「ローラ・ボーラ」やアーティストが交差しながら宙返りをする「バンキン」で、会場の盛り上がりは最高潮に。演者たちの緊張感を感じつつ、大技が成功した時は拍手が鳴りやまなかった。人間の能力をはるかに超えた、神業だと思った。
『ダイハツ キュリオス』東京公演公開リハーサルの様子。演目は『COMIC ACT(コミックアクト)』 撮影=五月女菜穂
客席を巻き込んだ演目も見どころの一つだ。例えば、「コミックアクト」。男性演者が客席から一人の女性を連れ出して、彼女を誘惑しようとするのだが、オウムやティラノザウルス、猫などにことごとく邪魔をされる様子を一人で表現している。それから「シアター・オブ・ハンド」は、その名の通り、アーティストが指だけでストーリーを伝えるシンプルな演目なのだが、最後は客席も巻き込んだ仕掛けが用意されている。
『BANQUINE(バンキン)』 オフィシャル提供
ノリの良い音楽もいいし、演目と演目の間のつなぎもよく練られている。円形舞台を存分に活かしつつ、客席や空中も含めて舞台を展開しており、空間そのものが楽しい。大きな舞台装置はもちろん、小道具も細かく作られていて、シルク・ドゥ・ソレイユ史上最多の426個も小道具があるらしい(笑)。
演出を担当したミシェル・ラプリーズは「『好奇心の世界へようこそ!』私は2001年にシルク・ドゥ・ソレイユの『サルティンバンコ2000』の福岡公演を観た時から、私が制作するショーが、大好きな国である日本で上演されることをずっと自分の夢としてきました。日本の皆様にご覧いただけることが決まった時、大変うれしく思いました。私にとって『キュリオス』は好奇心とともに不思議の世界へ旅することであり、また人生に喜びをもたらすものでもあります。皆様にその創造力と好奇心の贈り物をお届けできることを今からとても楽しみにしています」とコメントを寄せている。
『ダイハツ キュリオス』東京公演公開リハーサルの様子 撮影=五月女菜穂
シルク・ドゥ・ソレイユファンはもちろん、未経験な人でも十分に楽しめる作品だ。ぜひこの機会をお見逃しなく!
『ダイハツ キュリオス』東京公演公開リハーサルの様子。作品名は『UPSIDE DOWN WORLD-BLANCING ON CHAIRS-(バランシング・オン・チェア)』 撮影=五月女菜穂
『ダイハツ キュリオス』東京公演公開リハーサルの様子 撮影=五月女菜穂
『ダイハツ キュリオス』東京公演公開リハーサルの様子 撮影=五月女菜穂
Photos: Martin Girard/ shootstudio.ca © 2014 Cirque du Soleil
Photos: Pierre Manning/ shootstudio.ca © 2014 Cirque du Soleil
<東京>
2018年2月7日(水)~7月8日(日)
東京・お台場ビッグトップ
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