楠本桃子のゲームコラムvol.67 冬の終わりに肝試し! ホラーゲーム4選
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※公式サイトより引用
今回のゲームコラムでは、4本のホラーアドベンチャーゲームを特集!
寒い冬ももうすぐ終わり、春へと向かう今日この頃。冬の最後にさらなる寒さを体験させてくれる恐怖のホラーADVを紹介します。
【ひぐらしのなく頃に 祭】
※製品紹介サイトより引用
社会現象とも呼べる大ヒットを巻き起こした『ひぐらしのなく頃に』シリーズは、竜騎士07氏が原作の同人ゲームです。同人ゲームでありながら、そのクオリティの高いストーリーやキャラクター、そして独特の世界観から、ゲームだけではなくアニメや漫画など、多くのメディアミックスが展開されました。
そんな『ひぐらしのなく頃に』シリーズのシナリオが10本という大容量で収録されたADVが本作です。「鬼隠し編」、「綿流し編」、「祟殺し編」といった有名なストーリーに加え、書下ろしシナリオまで用意されている本作は、シリーズのファンはもちろん、気になっていたけれど手を出せていない、という新規の方にもおススメの一本。
ゲームのシステムとしては、選んだ選択肢によりシナリオが分岐する、といったオーソドックスなもの。明るいギャグも散りばめられている日常と、惨劇が起きる非日常。そのコントラストがあまりにも見事なため、背筋が寒くなる感覚が絶えず続きます。
日本の村社会とその閉鎖性が描かれたシナリオは、日本特有のおどろおどろしい恐怖が表現されています。今どきの可愛らしいキャラクターも、シナリオによっては恐怖の象徴となってしまうところがまた魅力的。自分なりに推理をしながら惨劇の真相にたどり着くのも良し、ひぐらしの世界にどっぷりと浸って物語の行く末をただただ見守るも良し。
大人気ゲームのシリーズを一気にプレイできる『ひぐらしのなく頃に 祭』。大ボリュームな作品なので、作品の世界を隅々まで楽しむにはマストな一本です。狂気と恐怖で疑心暗鬼に陥ることのないよう、ご注意ください!
【流行り神 警視庁怪異事件】
※公式サイトより引用
本作は都市伝説を題材としたホラーADV。
“コックリさん”や“チェーンメール”、“赤マント”といった、誰しもが一度は聞いたことのあるような都市伝説がシナリオのテーマとなっています。“警視庁怪異事件”といったタイトルからもわかる通り、本作の主人公は警視庁の刑事。都市伝説を題材にした奇妙な事件を解決していくことが本作の目的となります。
本作ではプレイヤーの行動により、科学的な操作を行うルート、オカルトを許容しつつ進めていくルートが選択される、という独自のシステムが存在。専門用語や元ネタの都市伝説の説明を読めるデータベースも読みごたえがあり、『流行り神』の世界にどんどん引きずり込まれてしまいます。サウンドノベルや読み進めていくだけのADVとは異なり、自分で推理を行いながら事件の真相に近づいていくことが必要なので、推理モノが好きなプレイヤーにおススメです。プレイヤーの選択により物語が大きく変化し、ゲームオーバーも存在するため、ゲーム性の高いADVとなっています。
都市伝説がテーマ、と聞いてしまうとあまり怖くないのかも……と思われがちですが、本作はホラーゲームの中でも恐怖の体感レベルは高いと個人的には思いました。迫力のあるグラフィックと、恐怖を煽る演出がこれでもか! というレベルで襲ってくるので、深夜のプレイは気を付けてください。様々なハードでリメイクされているため、今からでも手に取りやすい作品です。シリーズものとして新作も多く発売されているので、今後もまだまだ『流行り神』の世界を楽しむことができそうです。
【ナナシノゲエム目】
※公式サイトより引用
本作はゲーム性が高いホラーADV。
プレイヤーは「プレイをすると一週間で死んでしまう」というゲームの謎を解く、ということが目的となります。ニンテンドーDS用のソフトである本作は、DSの機能を最大限に活用したホラーゲーム。DSを縦にして一人称視点で3D画面を操作するモードと、DSを横にして呪いのゲームをプレイしていく2Dモードを交互に活用していきます。
プレイすると死んでしまう呪いのゲームの謎にせまる、という本作は、実際にその“呪いのゲーム”をプレイしなければならない、というメタ的要素がプレイヤーの恐怖心をくすぐります。現実世界とゲーム世界を行き来しながら本作をプレイしていると、「まさかこのDSも呪われているのでは……?」といった他ゲームでは味わうことができない恐怖と常に戦うことになります。
本作は、現実世界と類似した世界設定だからこその面白さの演出が秀逸! ゲームプレイ時にはヘッドフォンをつけてのプレイがおススメ。立体的な音響で恐怖が倍増します。また、マルチエンディングが採用されているため、主人公の行動によりエンディングも変化。そしてそのエンディングが様々な議論や考察を巻き起こしています。呪いのゲームの結末は、思いもしなかった形で迎えるかもしれません……! 真相は是非、その目で確かめてみてください。
【学校であった怖い話】
※製品紹介サイトより引用
本作はサウンドノベル形式のADV。6人の語り手の中から一人を選択し、様々な恐怖体験を聞いていきます。語り手を選択する順番や選択肢によりシナリオが変化し、シナリオによってはSFやギャグなど、ホラーだけではないストーリーが展開されます。
とにかくシナリオ数が多く、全てのシナリオをみるためには周回プレイが必要となりますが、選択肢や分岐が多く、周回プレイ時にもどんどん新しいストーリーが語られていくので、飽きることはありません。ひとつのシナリオも選択肢により異なる展開を見せるので、全シナリオ制覇の難易度は高め。グラフィックも実写が採用されているため、よりリアリティが高く恐怖心をくすぐられます。
スプラッター、心霊、人間の狂気、後味の悪い話、気味が悪い話……。
人間の恐怖心と不快感を煽るストーリーの多さは、本作はピカイチ。色々な種類の恐怖を体験したい方にぴったりなゲームです。怖いだけではなく、笑える話や切ない話など、ほっと一息つけるストーリーが散りばめられていることも本作の特徴。是非、シナリオコンプリートを目指してみてください。ゲームアーカイブスとバーチャルコンソールでもダウンロードが可能なので、いつでもどこでも怖い話を持ち歩くことができます。
ハードに指先を動かすゲームプレイではなく、のんびりと小説を読むようなペースで進めることができるADVですが、文章、音楽、演出と、小説には無い臨場感を体験することができます。深夜にひとりプレイをするホラーADVは、没入感もひとしお! 私自身も、怖すぎて眠れない、といった失敗を繰り返してきました……。皆さんも是非、寒い日の肝試しを試してみてください!