パリ散歩で見つけた路上アート vol.3
6 AVENUE JEAN AICARD
わたしは誰?
いつものパリ20区。
中華街とイスラム街の手前の大通りを通り過ぎ、いつもなにするわけでもなく、交差点の広場に集まる移民の男性たちの喧噪を後ろに、人通りの少ない路地の突き当たりで出会った路上アート。
近所のご老人や子供たちが遊ぶ、小さな公園沿いの突きあたり。
あの喧噪は随分遠い過去のように感じられる静けさの中に時々聞こえる子供の声。
そうかと思えば、また訪れる静粛。
そんな空間に、ふと現れた不思議な顔。誰かの顔と、誰かの髪の毛と、誰かの目と……。
見れば見る程、誰かに見えるけれど、見れば見る程、誰だかわからない。
隣あわせたブルーの窓ガラスにも映り込み、もう一つの顔が現れて。
まるで、不思議の国の入り口の番人のよう。