こんな日本アーティストがパリで活躍中 【第3回】
二口正和さん
パリで活躍中の日本アーティスト「画家 二口正和」
【今回のアーティストのプロフィール】
画家 二口正和 さん(62)
富山県生まれ。1976年に東京造形大学絵画科卒業。ル・サロン展風景画家賞(90年、92年)、銅賞(08年)、ナショナル・デ・ボザール展特別賞(04年)ほか受賞多数。
パリのアーティストというと、一番に思い浮かぶのが「画家」ではないでしょうか。
今回はフランスに画家として住んで30年以上という、油絵画家の方にお話をうかがってきました。
ーーどうしてパリで画家になろうと思ったのですか?
二口:僕は幼い頃から、絵を描くのが好きで好きでしょうがなかったんです。そんな僕を見た親は、文句を何一つ言わず、大学まで絵を学ばせてくれました。そして絵を学んで行く中で「いつか本場のパリで絵を描いてみたい。」というのが夢になったのです。
その念願のパリ行きがかなったのが1981年、28歳のときでした。妻とともに一年間滞在した後、日本へ一度戻りましたが、1985年から再びパリに戻り、現在にいたるまで制作を続けています。
フランスの光の透明感と柔らかさが伝わってくる二口さんの作品
ーーパリに来てからの画家としてなにか変化はありましたか?
二口:日本の光と違い、フランスの光は澄んでいます。その光に魅せられ、さらに絵を描きたいと思うようになりました。
再びパリに妻と子供を伴って戻って来た際、「半端な気持ちで終われないぞ。」という覚悟のようなものもあり、ひたすら描き続けました。この後、相次いで日本で両親が亡くなり、そのことが画業を続ける大きな決断の後押しとなりました。
パリで絵を描く生活をするなかで、日々「なんのためにパリに来たのか?」を自分にいくどとなく問いかけ、時間の使い方も変わり、甘えがなくなったと思います。
ーー今後の活動について
二口:憧れ続けていたパリで 、僕はずっと好きな絵を描き続けてくることができています。そして、いつも変わらず「いい仕事をしたい、芸を深めたい。」の一心です。これからも素直に好きなものを描いていけたらいいなと思っています。
二口さんは風景画の中でも、夜の街を描くことが多いという