【映画レビュー】『心霊調査室 鬼やば! 投稿された赤鬼映像の真実』ユルすぎるツッコミ待ち心霊ホラー
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『心霊調査室 鬼やば! 投稿された赤鬼映像の真実』 (C)「鬼やば!」製作委員会/(有)十影堂エンターテイメント
SPICE×ぷれシネ特集 第六回
SPICEをご覧のみなさま、いかがお過ごしでしょうか?10月も半分が終わり、ハロウィンが近づいてきました。そう、ハロウィンといえば映画!映画館にレンタルショップ、試写会など色々な方法で楽しめる季節ですね。そんな発想になる皆様にオススメしたいのが、日本初の映画試写アプリ「ぷれシネ」です。
同アプリでは、最新作やDVDの本編を新旧問わず丸々1本を無料で楽しめます。アプリ内の作品一覧から選んで応募すれば、その場で抽選結果も分かり、当選すればそのまま鑑賞可能です。この企画では、SPICE編集部の映画好きライター・フジモトが同アプリを体験し、ネタバレなしの作品レビューで皆さまにその魅力をお伝えしていきます。
○過去の記事はこちらから
第六回に取り上げる作品は、心霊ホラー?『心霊調査室 鬼やば! 投稿された赤鬼映像の真実』です。
■あらすじ
ある日、DVDメーカーの編集部に一通のメールが届く。そこに添付された動画には、数々の心霊動画を収集してきた編集部スタッフたちですら不可解に感じずにいられない、不審な影が映っていた。ディレクターの仁岡(浜田由梨)は影の正体を解明すべく、専門家に映像解析を依頼。鮮明になった映像の中に、仁岡たちは常識では考えられない異様なモノの姿を目にすることになる。さらなる調査を進めるうち、編集部スタッフたちは恐ろしい出来事に巻き込まれていく…。
■ありがちな心霊ホラー思いきや…
主人公・仁岡愛子役の浜田由梨。SPICE編集部が慎重に調査したところ、Fカップということが判明 (C)「鬼やば!」製作委員会/(有)十影堂エンターテイメント
レンタルショップに行くと、ホラーコーナーには山ほど心霊もののDVDが置いてありますね。中でも、POVモキュメンタリーと呼ばれるジャンルのものが、ここ数年で非常に多くなってきております。POV(Point of View Shot)は、主人公やその周りの人物がカメラで撮影した視点で物語が進む形式。モキュメンタリーはドキュメンタリーの体裁をとったフィクションのことです。この二つをあわせたPOVモキュメンタリーは、低予算で臨場感のある映像を作り出すことができるので、あまりお金をかけられないホラー映画で多用されるんですね。
『心霊調査室 鬼やば!』も多分にもれず、POVモキュメンタリー形式を採用しています。ただ、こういった作品は設定が甘かったり、映像の見せ方が雑だと本当に安っぽくなってしまうんです。あらすじを読んでお分かりと思いますが、本作も始まって10数分程度は「あーよくあるPOVものね」と期待を裏切られた気分になる展開でした。ところが…
■怪しすぎる都市俗学者、不審な行動がヤバイ
都市民俗学者役の白石直也。ちょっと髪の毛がすごい主張してます (C)「鬼やば!」製作委員会/(有)十影堂エンターテイメント
えーと…なんというか笑えるくらいに怪しいですね。髪型とか帽子とか顔の肉付きとか…絶妙に怪しい。諸星大二郎マンガの稗田礼二郎的ポジションのキャラなんだと思いますが。主な著書が「日本結界史」「崩壊する都市から~東京が危ない!~」って、ネーミング適当すぎるでしょ!第一印象の怪しさどおり、宮本はその後もどっかで聞いたよな適当な持論をインタビュー形式でとうとうと語りやがります。
その後も、なんだかんだでやたらとツッコミたくなる演出が目白押し。映像解析を依頼する相手も、この人ですからね。
(C)「鬼やば!」製作委員会/(有)十影堂エンターテイメント
よーく見れば気づくと思いますが、この肩書きの人に普通は依頼しないでしょ…。とにかく、それっぽいことやってるけど、よく見るとおかしい…そんな演出ばかりが登場します。そして、途中で気づくんですね…「あれ?これって、ワザとやってるよね?」と。そう、はなからこの映画はPOVホラーのパロディ的な作品だったんです。その中心になっているのが、前述した都市民俗学者・宮本の言動。明らかにおかしいだろそれ!という奇怪な行動ばかりとるので、注目してみてください。相手をする仁岡も一見真剣なんですが、やっぱりおかしいです。
そう考えて観ると、宮本役の白石直也と、仁岡役の浜田由梨の演技は素晴らしいですよ。これを期に注目するといいんじゃないでしょうか、この二人。特に白石の「なんだかイラっとする胡散臭さ」は最高でした。
■傑作にもなりえはずなのに…惜しすぎるCGのクオリティ
『心霊調査室 鬼やば! 投稿された赤鬼映像の真実』 (C)「鬼やば!」製作委員会/(有)十影堂エンターテイメント
以上のような変則的な構成だけではなく、本作ではエンドロールにも面白い仕掛けが待っています。ここで明かすと面白くないので詳しくは書きませんが、「ツッコむべきところは思ったよりたくさんある」とだけ記しておきます。ちなみに本作の尺は43分。さらに、エンディングのオチを知れば本作がゲームのような形で楽しむ作品だということもわかります。
ただ、本作には一点だけ、ちょっと残念な部分があるんですね。それはCGのクオリティが思いのほかよろしくないということ。物語が進むにつれ、異形のモノ…タイトルにも入っているので書いちゃうと「鬼」なんですが…これが徐々に姿を現します。この「鬼」の造形自体はなかなかに不気味なんですが、いかんせん動きがCGくさい。このクオリティがもう一段階高ければ、びっくりするほどの傑作になったかもしれません。いや、このCGもパロディ演出の一環なのかしら…?
さて、本作に興味を持った方はさっそくぷれシネで試写会に応募して見てください。応募の方法は簡単!
①itunesまたはApp storeでアプリをダウンロード
②会員登録(メールアドレスと希望するパスワードを入力)
③ログイン
③観たい作品を選んで「受付中」の部分をタップ!
これだけで応募が完了し、その場で当選の結果もわかります。当選決定から24時間の間は、いつでも同じ作品を観ることができるので、通勤や通学、ちょっとした待ち時間をつぶしながら気軽に鑑賞するのもいいですね。
現在公開されている作品の定員は50~100名。ただし、抽選ではなく先着で当選が確定するものも多いので、人気作は早めに応募したほうが良さそうです。
また、鑑賞後は「シェア」ボタンをタップして、TwitterやFacebookに感想を投稿することもできます。感想を投稿すると、次回からの試写会の当選確率が上がるそうです!フジモトもさっそく投稿してみました。
なお、ぷれシネでの『心霊調査室 鬼やば! 投稿された赤鬼映像の真実』配信は11月4日まで。期間中でも、先着100名に達すると申し込めなくなるのでご注意を。
現在配信中の作品と応募期間はこちら。
心霊調査室 鬼やば! 投稿された赤鬼映像の真実
(2015年/日本/43分)
監督:渡邊和哉
構成:本橋幸弦
出演:浜田由梨、白石直也、勝俣英明、小方夏姫(ナレーション)
予告編
尾曲がり猫の時
『尾曲がり猫の時』 (C)Three W Film
監督:荻野欣士郎
出演:粒良安里、小澤綾子、村岡克彦、堀川りょう、長谷川愛紗、小祝麻里亜
試写期間:10月21日まで
募集定員:先着100名
ブッチ・キャシディ - 最後のガンマン -
『ブッチ・キャシディ -最後のガンマン-』 (C) 2010 Eter Pictures AIE, Nix Films AIE, Arcadia
監督・脚本:ダニエル・ベガ・ビダル、ディエゴ・ベガ・ビダル
出演:ブルーノ・オダール、ガブリエラ・ベラスケス、カルロス・ガソルス
Androidアプリへの対応は現在調整中。SPICEは毎週オススメの作品とともに進捗をお伝えしていくので、お待ちください!
価格:無料
カテゴリ: 写真/ビデオ
言語: 日本語、英語
販売元: HIROFUMI SOYAMA
(C) simpleplus / (C) precine
App store: https://appsto.re/jp/d4uL6.i ※iPhoneからアクセス可能
iTunes: https://itunes.apple.com/jp/app/pureshine/id982863363?mt=8
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