藤原竜也と椎名桔平が初タッグでW主演！注目の舞台『レインマン』取材会レポート

トム・クルーズとダスティン・ホフマンが共演し、アカデミー賞主要4部門受賞などした1988年公開のアメリカ映画『レインマン』の舞台版が、今年7月から上演される。2006年、日本にて世界で初めて舞台化され、2008年ロンドン・ウエストエンドにて新たに舞台化された本作品。4月4日、東京都内で取材会が行われ、出演する藤原竜也、椎名桔平、中越典子、上演台本・演出を担当する松井周が出席し、意気込みを語った。

この日の取材会は、映画の中での重要なシーンにちなみ、会見はカジノバーで実施された。

兄レイモンドを演じる椎名は「（2006年の日本版で）やったことのある『レインマン』ですが、役が変わりました。（前回は弟役だったが）今回はお兄さん役の方で挑戦させていただくことになった。頑張るので、よろしくお願いします」と挨拶。

弟チャーリーを演じる藤原は「誰もが知っているこの作品を、演出の松井さんがどういう風に稽古を進めていくのか、舞台化していくのか、非常に僕らも楽しみ。素敵なメンバーが集まって、いいスタートが稽古で切れるんじゃないかなという、手応えがあり、期待もしている。精一杯やっていきたい。多くの人に来てもらいたい」と話した。

チャーリーの恋人スザンナを演じる中越は「『レインマン』という素晴らしい作品の舞台に参加させていただくということで、とても嬉しくて、すぐにやりたいとお返事させていただいた。映画はとても印象的で、悲しくグッと胸にくるお話。（椎名と藤原の）このお二人の兄弟の化学反応がとても楽しみで、その中に溶け込んで私も入っていけたらなぁと思う」と語った。

演出の松井は「映画『レインマン』は本当に傑作だと思うが、舞台にするからには、生の感覚、ライブの感覚を伝えたい。強力なキャストに恵まれて、人間の息づかいが感じられるような舞台にできたらなと思っている」。

−−名作映画だが、この舞台の見どころは？

藤原　まだ全くわからないですけど（笑）、新しい『レインマン』が出てくるんじゃないかという手応えがあるんですね。真面目に稽古場に向き合って、日々稽古をしていく。いろんな発見をしながらいい作品になっていけばいいなぁと思いますが、こればかりは稽古入ってみないとわからない。松井さんに聞いてもらえたら（笑）。

松井　中越さんが仰っていたけれど、化学反応・化学変化ですね。このキャストで、このチーム・スタッフだからこそできることを地味だけれど、淡々と毎日実験するように稽古して完成させられたらなと思います。

−−弟のチャーリーは2006年に椎名さんが演じて、映画ではトム・クルーズが演じた。プレッシャーは？

藤原　そうですね……ありがたいのは桔平さんが演じられているので、わからないことは教えてもらおうかなと思っています。桔平さんと今回初共演なので、映画でもテレビでもなくこういう演劇の場で初めてご一緒できるのは嬉しいです。わからないことは周りの人に助けてもらって作り上げていけたらなぁと思います。

−−椎名さんからアドバイスは？

椎名　いえいえ、僕よりもトム・クルーズよりも男前の藤原君ですから（笑）。まっすぐに演劇の道を歩んでいたという印象があるけれど、そういう方と舞台という空間でご一緒できる喜びでいっぱいですね。

−−兄のレイモンドはダスティン・ホフマンが演じてる役ですね。

椎名　前回僕がチャーリー役をやった時は、お兄さんは橋爪功さんだった。橋爪さんの、ダスティン・ホフマンさんにも負けない名演を毎日見てきましたので、逆に言うと、知らない方がやりやすいかな。それほどの演技を見ていますので、逆に一度自分の中でフラットに戻して、あれこれ考えていきたいなぁと思います。6月ぐらいから稽古に入ると聞いていますが、ゆっくりとこれから練っていきたいと思います。

−−実は初共演のお二人ですが、お互いの印象は？

椎名　お若い時からよく見ていましたから、もう少し少年というか…正直、今日初めて一緒にいて、大人で男性的で……大きくなっているなぁと……（笑）。

藤原　今年36になります（笑）。桔平さんは舞台が初めて一緒でよかったなと思いましたね。稽古は入ってみないとわからないですけど、隣にいてくれて頼り甲斐のある先輩。僕も俳優としても36才になりますから、新たなスタートというで、桔平さんにいろいろ学んでいきたいなと思います。

−−最後に一言お願いします！

椎名　今言えることはなかなか少ないですが、テーマは普遍的で、家族を描いた名作。親と子、兄弟の関係性において、愛情の裏返しの憎しみがすごく強いところから始まります。そこから物語を経て、本当の愛情に移り変わっていくさまはどんな時代でも変わらないんじゃないかな。それだけ強いメッセージを届けられる作品だと思いますので、ぜひ見に来ていただきたいと思います。

藤原　本当に期待されている舞台ですから見にきてくれた方が「『レインマン』見てよかった」というような演劇をこのメンバーで作っていきたいと思います。ぜひ夏来ていただけたらなと思います。

取材・文＝五月女菜穂