Czecho No Republic、バンドの歴史と最新の姿を感じさせた5周年ライブ

2015.10.21
レポート
音楽

Czecho No Republic

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Czecho No Republic
『聖なる行進TOUR スーパーファイナル × 一夜限りの結成5周年スペシャル』
2015.10.17 Zepp Diver City

2013年1月に、サポートメンバーとして参加してきたコーラス/ボーカル/パーカッションのタカハシマイと、ギターの砂川一黄を正式にメンバーとして迎え入れ、今年で結成5周年を迎えるCzecho No Republic。10月17日にZepp Diver Cityで行なわれたライブは、3rdアルバム『Santa Fe』を引っさげた全国11ヵ所11公演のツアーファイナルであったことに加え、5周年という節目を記念したスペシャルな1本だった。まさに、『聖なる行進TOUR スーパーファイナル × 一夜限りの結成5周年スペシャル』と題されたタイトルどおり、Czecho No Republicというバンドの歴史と、最新のCzecho No Republicをしっかりと感じさせてくれた、実に満足度の高いライブとなった。

Czecho No Republic

真っ白な衣装を身に付けた5人がステージに立つと、オーディエンスは右手を高く掲げ、大きな歓声を彼らに向けた。1曲目は「Oh Yeah!!!!!!!」。2014年の11月にシングルとしてリリースされたこの楽曲は、アルバムでは3曲目に置かれているが、広がりを魅せる鮮やかなループ感がオープニングに相応しい光を放ち、オーディエンスを一気に引き寄せた。この曲中では、早くも銀テープが放たれ華やかにライブを彩った。間髪入れずに畳み掛けられたのは「Amazing Parade」。メジャー2作目のアルバムの1曲目を飾っていた曲である。透き通るタカハシの歌声と絶対的な相性の良さを見せつける武井優心(Vo/B)のまろやかな歌声と、テンポ感のあるマーチングを描き出す5人が放つ音の粒たちは、大きく揺れるオーディエンスの波の上をコロコロと転がっていく印象だ。3曲目には『Santa Fe』から柔らかな流れが心地よく響いた「Heart Beat」を届けるなど、始まりは比較的最近のCzecho No Republicで幕を開けた。

Czecho No Republic

「今日はスーパーファイナルということなんで、『Santa Fe』の曲もやるんですけど、5周年なんで昔の曲もガンガンやっていこうと思うので。全然ライブでやっていない曲もあるんで、どんだけ盛り下がるか楽しみです!」

武井がこの日のライブの主旨を説明するMCを挟むと、オーディエンスはその武井の言葉から、期待を寄せたていたライブタイトルに込められていた意味を確信し、歓喜の声を上げた。そんな言葉に続けて届けられたのは、この5人で最初にメジャーに行ったときにリリースした楽曲「ネバーランド」(メジャー1stアルバム『NEVERLAND』収録)を届けると、オーディエンスはその力強く走り抜けるような明るいポップロックに思いっきり体を揺らし、飛び跳ねた。

Czecho No Republic/武井優心(Vo/Ba)

6曲目には上手ギターの八木がCzecho No Republicに加入して初めてやった曲であるという、八木自身がボーカルをつとめる「絵本の庭」を、7曲目には同じく八木がボーカルをつとめる童話の中の一欠片を思い描かせるようなファニーな世界観を放つ「Fun, Fun, Fun, Fun, Fun」を届け、オーディエンスを魅了した。

Czecho No Republic/八木類(Gt/Cho/Syn)

Czecho No Republic/タカハシマイ(Cho/Syn/Per)

Czecho No Republic/砂川一黄(Gt)

Czecho No Republic/山崎正太郎(Dr)

ボーカルはボーカル、ギターはギター、ベースはベース、ドラムはドラム、鍵盤は鍵盤、と、それぞれの役割りのみを全うする普通のバンド形態とは違うのがCzecho No Republicの魅力。時にギターが鍵盤を奏で、時にボーカリストとして唄を歌い、時に曲が求める音を追求するために、それぞれがメインで担当する楽器を置き、ドラムの山崎以外は全員鍵盤でCzecho No Republicの音を生み出していくという型にはまることの無い音作りをしている自由さが、Czecho No Republicという唯一無二な個性を創り出しているのだと、この日のライブを見て、改めて彼らの音の在り方に向き合えた気がした。

Czecho No Republic

武井はこの日、曲が出来た背景を節々にMCとして差し込みながら次の曲へと繋げていったのだが、それによって聴き手は、Czecho No Republicが歩んできた景色を改めて色濃く振り返ることが出来ていたように思う。“絶対に売れる!”と確信し、初めてミュージックビデオを撮ったというほんわかソング「マサチューセッツ」や、“歌詞の中に具体的な街の名前が出て来る曲がカッコイイと思っていて、そういう曲を作りたかった”という曲説明を挟んで届けられた、5人になってライヴで演奏するのは初めてだという「魔法」など、当時のエピソードを盛り込んで届けられた曲たちも、それぞれの魅力でオーディエンスを盛り上げていった。

Czecho No Republic

中盤では、『Santa Fe』の曲たちが中心に届けられていたのだが、アルバムのコンセプトでもあったという、【流行を意識せず、やりたいことをやった】という曲たちで、オーディエンスを音で解放していったのだった。“自由に躍ってほしい”という彼らの想いが、真っ直ぐに伝わったと感じる会場のノリは、まさに彼らが求めて景色であったに違いない。

Czecho No Republic

後半に届けられた「Festival」では、素晴しく息の合った音の粒たちを放ち、本編ラストには、『Santa Fe』を作っていた流れの中で1番最初に作られた曲であったという「Beautiful Days」が届けられた。いままでのCzecho No Republicであったらこの曲はやっていなかっただろうという、不思議な浮遊感を持ったこの曲は、とても優雅にフロアを泳いだ。まさに、それは“ここから先のCzecho No Republic”を思わす新たな一歩を感じた瞬間だった。

Czecho No Republic

アンコールでは、メンバー一人一人が今の素直な気持ちを言葉にする時間を設け、オーディエンスと一緒に記念撮影。そして、バンドで成功するのは難しいことだなと痛感しながら必死でもがき、自らを“幽霊船”だと思いながらも自分たちを信じて音を放っていたという言葉と共に、ここに到るまでの心情と過程を歌った「幽霊船」を最後に届けた。

さらにダブルアンコールに応え、5年間やり続けてきた時間を改めて振り返り、今、ここまで続けてこられたことへの感謝を言葉にし、この日の本当のラスト曲となった「ダイナソー」を演奏。この曲を作った当初、一緒にこの曲を歌ってくれる声が多ければ多いほど素敵だなと感じていたという武井は、「今日、やっとこの曲が完成する気がします」と語っていたが、この曲が会場に響いたとき、この曲は、もっともっと大きな声で歌われるべき楽曲だと感じた。

彼らの未来が、この先、もっともっと大きく広がってくれることを願って———。

文=武市尚子 撮影=山川哲矢

Czecho No Republic

 

SET LIST
Czecho No Republic 2015.10.17 Zepp Diver City
『聖なる行進TOUR スーパーファイナル × 一夜限りの結成5周年スペシャル』

1. Oh Yeah!!!!!!!
2. Amazing Parade
3. Heart Beat
4. ネバーランド
5. イメージ
6. 絵本の庭
7. Fun,Fun,Fun,Fun
8. マサチューセッツ
9. 魔法
10. クワーキーワールド
11. エンドルフィン
12. Clap Your Hands
13. Enpty Your Mind
14. MUSIC
15. Call Her
16. Festival
17. No Way
18. Firework
19. Beautiful Days
20. For You
21. オルゴール
EN1. Good Bye
EN2. 幽霊船
EN3. ダイナソー

 

ライブ情報
10月24日 (土) 岡山県・山陽学園大学 / 短期大学 体育館
10月25日 (日) 茨城県・常磐大学 体育館
10月30日 (金) 東京都・赤坂BLITZ
11月01日 (日) 東京都・豊洲野外音楽広場
11月12日 (木) 東京都・Shibuya eggman
11月22日 (日) 栃木県・宇都宮大学第一体育館
11月27日 (金) 宮城県・仙台RENSA
11月29日(日) 東京都・豊洲PIT
12月10日 (木) 京都府・KYOTO MUSE
12月15日 (火) 東京都・渋谷duo MUSIC EXCHANGE
12月28~31日 (月) 千葉県・幕張メッセ国際展示場1~11ホール、イベントホール ※出演日未定