『RADWIMPSの胎盤』の見どころを対バン相手から予想する 2
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RADWIMPS
きのこ帝国
plenty
第2回:きのこ帝国 / plenty
SPICEでは、RADWIMPSの対バンツアー『10th ANNIVERSARY LIVE TOUR RADWIMPSの胎盤』の対バン相手にフォーカスをあて、彼らそれぞれの音楽性や歌うテーマがRADWIMPSとどのような共通点、あるいは共鳴するポイントがあるのかについて考察している。2回目となる今回は、Zepp Tokyoで共演するきのこ帝国と、Zepp Nambaで共演するplentyについて書く。
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「生きること」を主題とした楽曲や、それを歌うアーティストは多い。
一言で「生きること」といってもそのスケール感や向かうスタンスは様々で、観念的な「生/死」を歌う楽曲もあれば、「生きていこうぜ」といったポジティブな応援ソングも存在する。
その中で、身近な事象、日常的な言葉を用いて「今過ごしている日々――生きているということ」を切り取り、ときにストレートにときに比喩的に「生きること」を表していくタイプのバンドがいる。今回の『胎盤』ツアーにはRADWIMPSも含めて、そんな詞世界を持ったバンドが多く揃った印象だが、今回書く2組もまさにそうだ。
2公演目のZepp Tokyoに登場するきのこ帝国と、3公演目のZepp Nambaに出演するplentyが、RADWIMPSとの対バンライブで何を見せるのかに思いを巡らせたときに、前述のテーマが浮かぶ。
きのこ帝国が昨年発表した『フェイクワールドワンダーランド』の、静謐と轟音の向こうから聴こえてくる、透き通った佐藤千亜妃(Vo,G)の歌声で紡がれる、呟くような言葉の数々。あるいはplentyの最新アルバム『いのちのかたち』で――タイトルそのものも含め――一つ一つ丁寧に奏でた楽曲群は何を表しているのか。形は違えど、彼/彼女らの作品の輪郭は、「生きること」である。
繊細さとダイナミズムを併せ持ったギターサウンドが軸という、共通した部分を持つ両者の音像。今回、奇しくも連続してRADWIMPSとの対バンに挑むこととなるが、冒頭でも触れたようにRADWIMPSもまた「生きること」をうたってきたバンドだ。
デビューから『RADWIMPS4 ~おかずのごはん~』のあたりまでは、主に身近な世界で生まれる思いや言葉で「僕と君が生きること」を、『アルトコロニーの定理』以降の作品では、逆説的であったりシニカルな表現と視点で「人間の生きること」、その喜びと残酷さとを表現してきた――ざっくりいうとそういう風に思う。
そしてRADWIMPSが今年に入って発表した、彼らの現在地点ともいえる「あいとわ」や「ピクニック」では、よりシンプルに真っ直ぐに、「生きること」をうたっている。
全ての人間にとって最もシンプルにして最大のテーマと対峙して、様々な視点と音でそれを表現してきたバンドたち。彼らの優しい歌声による共演は、僕たちに何を見せ、何を生むのだろう。
そんな見方で『胎盤』ツアーを観るのも面白い。
11月4日 Zepp Tokyo:米津玄師 × RADWIMPS
5日 Zepp Tokyo:きのこ帝国 × RADWIMPS
9日 Zepp Namba:plenty × RADWIMPS
10日 Zepp Namba:LOVE PSYCHEDELICO × RADWIMPS
12日 Zepp Sapporo:ゲスの極み乙女。× RADWIMPS
16日 Zepp Nagoya:ハナレグミ × RADWIMPS
18日 Zepp Fukuoka:クリープハイプ × RADWIMPS
23日 横浜アリーナ:SPITZ × RADWIMPS
24日 横浜アリーナ:いきものがかり × RADWIMPS
25日 横浜アリーナ:ONE OK ROCK × RADWIMPS