日本三大花火大会のひとつ「大曲の花火」をど真ん中で楽しめる席が登場！　全国の花火師が集結し、情熱とプライドをかけて花開かせる

──大曲の花火はとても歴史が深いとお聞きしています。

秋田県の大仙市（旧大曲市）で花火が打ち上げられるようになった歴史は古く、江戸時代まで遡ります。当時は五穀豊穣、商売繁盛、家内安全を祈る神社祭典に人々が花火を奉納する習わしがあり、紀行家・菅江真澄が描いた『月の出羽路』（1826年）の民族行事『大曲の郷の眠流』など、史実にも登場しているんですよ。第2次世界大戦などで中断した時期もありますが、1948年に再開して以来、現在まで絶えず続けられています。

──当大会ならではの特徴や自慢できるプログラムを教えてください。

大曲の花火大会は『全国花火競技大会』と言い、全国で開催されている競技大会の中で最も権威のある大会とされています。競技種目は“昼花火の部”、“10号玉・芯入割物の部”、“10号玉・自由玉の部”、“創造花火の部”の4部門で競い合い、最も優秀だと認められた総合優勝者には「内閣総理大臣賞」が与えられます。これは全国でも土浦全国花火競技大会と本大会のみであり、花火業界で最高の名誉とされているものです。そのため、全国の花火師が情熱とプライドをかけて出品しています。

──花火が採点されるのですから、花火師の皆さんも力が入りますね。

もちろん、競技種目とは別に行なっている特別プログラムもいくつかあります。まずは、前年度の内閣総理大臣賞受賞者による“エキシビション花火”。今年は茨城県の野村花火工業株式会社さんが打ち上げます。また、大曲の地元業者4社が共同で制作する“大会提供”は、約6分間のワイドスターマインです。打ち上げ幅は約900メートルもあり、初めて見た方は、その視界に入らないほどの大きさに驚かれるでしょう。そして、打ち上げ終了後に観客がライトを振って花火師に感謝を伝える“エールの交換”なども名物です。

──当日は大変盛り上がることが想像できます。

大会当日だけでなく、開催前一週間は“大曲の花火ウィーク”として大曲駅前にある花火通り商店街を中心に地域全体で盛り上げていきます。昨年は「光、音、食」をテーマに、様々なイベント開催しました。今年も計画しておりますので、ぜひお楽しみに。

──今年のテーマ、およびその理由をお聞かせください。

メインテーマは「行雲流水」、サブテーマは「あいよりあおし」です。「行雲流水」は、形を持たない雲や水のように、常に変化しつづけ、ありのままの自然体でいるということ。「あいよりあおし」とは、常に進化をし続けること、師を超えるということです。これまで100年以上にわたり開催し続けてきた大曲の花火の歴史を、常に未来を向いて進化し続けながら引き継いでいこうという“決意”と“覚悟”を表現しています。

──今年は鑑賞エリアにも力を入れているとお聞きしました。

今年はご来場いただく方々に、これまでよりも快適にご鑑賞いただけるよう、“パイプイス席セット券エリア”を特設しました。アスファルトに舗装し水はけが格段に良くなったエリア一帯に、パイプ椅子を設置する予定です。ここは会場のど真ん中を対象エリアとしていますので、まさに特等席です。

──スタッフの皆さんが試行錯誤し、回を重ねるごとにより良くしていこうと努力されていることがとてもわかります。

昨年は二度の水害に遭い、開催が危ぶまれましたが、警察、消防、ボランティアなど多くの方々の支援により無事開催することができました。今年も全国からお越しになる観覧客の皆様のために、何としても開催したいと思っております。

──大仙市は“花火の街”としての知名度がとても高いですね。なんでも、新しい施設がオープンするとか。

今年（2018年）8月に“花火伝統文化継承資料館 はなび・アム”が誕生します。花火文化の歴史と魅力を伝えるべく、全国の花火師と花火ファンから数々の花火資料をお預かりし、展示します。実物資料を展示したり、デジタルアーカイブで展開したり。花火の歴史やしくみを知ることのできる常設パネルコーナーやスクリーン設置など、花火に関する体験コーナーをいくつも設けており、まさに花火づくしの内容になる予定です。

──最後に、全国の花火ファンの皆さんへメッセージをお願いします。

ありがたいことに、当大会に訪れる方の中には「また大曲の花火が見たい」「また来たい」と言ってくださり、その後も幾度となくリピートしてくださる方も多くいらっしゃいます。我々もその声に応えることができるよう、事前準備から本番当日の運営まで、全力で取り組む所存です。関係者だけでなく、大仙市民全体も一丸となり盛り上げていくべく準備しておりますので、全国の皆様のお越しをお待ちしております。