見所は変身後も繰り広げられる兄弟のやりとり?『ウルトラマンR/B』主演&監督インタビュー

2018.6.29
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アニメ/ゲーム

撮影:八木虎造 左から湊イサミ/ウルトラマンブル役・小池亮介、武居正能シリーズ監督、湊カツミ/ウルトラマンロッソ役・平田雄也

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『ウルトラマンオーブ』『ウルトラマンジード』など、これまでのウルトラマンとは異なるテイストのヒーロー像を描いて人気を博すウルトラマン・ニュージェネレーションズ。その最新作として7月7日より放映スタートする『ウルトラマンR/B』では、主役兄弟が変身する二人のウルトラマンが登場するということで、早くも話題沸騰中。今回は6月7日の東京おもちゃショー2018で行われた製作発表会後に収録した、湊カツミ/ウルトラマンロッソ役・平田雄也、湊イサミ/ウルトラマンブル役・小池亮介、そしてシリーズ監督を務める武居正能のインタビューをお届けしよう。

──まずは今回ウルトラマンを演じることとなったことに対する意気込みをお聞かせください?

平田雄也(以下「平田」):長年愛されてきた歴史のある作品ですので、その作品の一員になれることはすごくうれしいですね。そして、渡されたバトンをしっかり繋いでいかなきゃなということで、ずっと身が引き締まっています。色々とチャレンジもしますけど、まずはしっかりしないと、という思いはありますね。

小池亮介(以下「小池」):ウルトラマンというと誰しもが見た事のある番組だし、憧れの存在ですよね。そういう意識は持ちつつ、たぶん今までのヒーロー像とは違う感じになっていて、憧れというよりも等身大に近いヒーローというか人間味が描かれているので、気合い入れつつも気負いはしないで、等身大で楽しくやっていけたらなと思っています。

──兄弟役という事ですが、お互いの印象は?

平田:亮介は本当に自由ですよね(笑)。マイペースで自由でほんわかしてて誰もが親しみやすい感じですし、湊家のキャストのみんなで一緒にいて話している中で、亮介のターンになると空気がゆっくりになるんですよ。

小池:うそー(笑)

平田:その空気が心地よくて(笑)。特撮シーンの撮影とかもあって、本編撮影は話の間で日にちが空いたりすることがあるんですけど、また撮影が始まると亮介のゆったりした口調を聞いて「帰ってきたなあ」という気分になりますね。

小池:そんな効果あるのかなあ。雄也さんはしっかりされている方なので、そのおかげで僕は自由にできるみたいな安心感がありますね。撮影をやっていても、二人で同じシーンを撮ったりという時には順番的にアニキ(平田)が先に撮ったりするんですけど、それで堂々とこなしてくれたり色々と矢面に立ってくれるので、次に撮る僕は自由にできてるのかなと。気持ち的に安心感を持って演じられるというのがありますね。

武居:本当に彼は自由にやれている感じなんですよね(笑)。

小池:こういうインタビューとかでも先に喋ってもらえますし、シメもおまかせできますし(笑)。

──お二人は好きなウルトラマンや、ウルトラマンにまつわる思い出などはありますか?

平田:幼稚園の時に『ウルトラマンタロウ』の家族が描かれた絵本があったんですよ。そのお母さんバージョンの本を2冊持っていて、実際に作家さんが幼稚園に来て下さった時にサインももらったんです。それをずっと母が大切にしてきて、その十数年後にまさか実際にウルトラマンを演じることになったんで、両親も「(絵本を)持っていてよかった」みたいな感じで言っていましたね。僕もこの前、改めて読んでみたんですよ。端っこが黄ばんだりしているのをみた時に、温かみというか優しい気持ちになれたんで、それがウルトラマンに対する一番最初の憧れというか思い出ですね。僕の変身するウルトラマンロッソが、メインで使うルーブクリスタルがウルトラマンタロウなのも不思議な縁だなと。

小池:僕の思い出のウルトラマンは『ウルトラマンティガ』ですね。ちょっとディープというか大人っぽい話だったり、キスシーンなんかもあったじゃないですか。そういう大人っぽいウルトラマンという雰囲気がすごく印象的で。見ていたのが小さい頃だったんで話はほとんど覚えていないんですけど、ティガ、ダイナ、ガイアの3ヒーローが1セットで好きでしたね。『ウルトラマンガイア』の映画は好きで一番何度も見ましたし、ソフビを戦わせて遊んだり、お面付けて体動かしたり、本当に普通の子どもらしくウルトラマンには親しんでいました。

撮影:八木虎造 湊カツミ/ウルトラマンロッソ役・平田雄也

──お二人とも初の連続ドラマの主演となりますが、それに対する意気込みや現場の感想などはありますか?

平田:長い期間スタッフさんやキャストの皆さんと一緒に作品を作っていくので、「いつもの」スタッフさん、「いつもの」キャスト陣といった「いつもの」が多い中で、いかに日々を何気なく過ごさずに、一日一日を大切に「湊カツミ」として生き続けられるかなという所に僕は重きを置いています。もうクランクインして三ヶ月ぐらい経つんですけど、新鮮な気持ちで毎日このシーンを大事にしていこうと心がけています。

小池:連続ドラマは同じ役をずっと演じて、その成長を実感していけるというのがすごく楽しいですね。舞台とかだと短い時間の中で演じるわけですけど、連続ドラマで長い期間の中で同じ役を演じるというのは、自分が日々生きているのと同じテンポで役としても生きられるから、その実感を噛みしめながら役として成長できるというのにやりがいをすごく感じます。

──ファンの方に見てほしい湊カツミ/イサミの見所はありますか?

平田:カツミの不器用さを見て欲しいですね。人としてしっかりしていて、熱くて真面目で何事にも真剣に取り組むで、そんな中に生まれてくる人間的に不器用な部分。それが逆に魅力的だなと感じるので、そこに注目していただけると嬉しいですね。

小池:イサミの成長を見てもらいたいですね。まだ10代の大学生のイサミが、ウルトラマンになることを通じてどう成長していくかを暖かく見守ってもらいたいですね。
 

『ウルトラマンR/B(ルーブ)』キービジュアル


続いて、『ウルトラマンオーブ』『ウルトラマンジード』の各話監督を務め、今回の『ウルトラマンR/B』でメイン監督を務める武居正能監督に、作品内容などについてうかがってみた。

──「兄弟でウルトラマンになる」という歴代シリーズにない初の試みを考えついたきっかけはなんでしょう?

武居正能(以下「武居」):兄弟ウルトラマンに関しては、僕だけじゃなくシリーズ構成の方や円谷プロなどの企画担当など色々なところで考えて生まれてきた設定ですので、最初からウルトラマンが二人居て、共闘して戦っていくところの面白みを特にクローズアップしていきたいですね。最近のウルトラマンは複数人出るシリーズが多いですけど、主役はあくまで一人だったので、『R/B』はあえて最初から二人でいこうと。難しい挑戦なんですけど、それにチャレンジしてみたいという、作品に関わるみんなの思いがこんな設定になったところですね。

──発表会では戦い馴れてないロッソとブルの同士討ちのシーンもあると語られていましたが、そういう部分も兄弟ウルトラマンならではなのでしょうか?

武居:ウルトラマンが二人で怪獣が一体だったり複数だったりするわけですけど、二対一の共闘感を特撮で描くのが非常に難しいんですよ。プロレスなら一人の相手に二人がかりで攻撃するみたいなもんですから、卑怯に見えたりパワーバランスが崩れてしまったりもする。敵の怪獣は強く見せなくちゃいけないし、二人のウルトラマンが最初から完成されたウルトラマンだとストーリーとして物足りなくなってくるんです。そこで兄弟二人が協力しながらどんどん成長していくという要素が活かせるかなと。キャラクター設定としても、演じるキャスト二人も若いですから、成長というものをわかりやすい形で表現できたらなと考えています。

──今回はメイン監督を務められますが、いままで手がけた『ウルトラマンオーブ』『ウルトラマンジード』とは違った個性をどのように描かれていくのでしょうか?

武居:『ウルトラマンオーブ』から監督をやらせていただいているんですけど、シリアスな回が多いんですよ(※)。元々そういうウルトラマンが好みではあるので、そういうところを突き詰めてきたんですけど、今回のシリーズはわかりやすいコメディやハートフルなストーリーを中心に、その逆を行きたいと。だから話の主題に兄弟や家族を置いてみたんですよ。そこから新しいウルトラマン像を打ち出していければなというところですね。

※昨年の『ウルトラマンジード』ではウルトラマンゼロのピンチを描いた前後編第7話「サクリファイス」第8話「運命を越えて行け」や、最終決戦直前の前後編となる第22話「奪還」第23話「ストルムの光」を監督。

──主演のお二人に対する監督の印象は?

武居:正直言って、けっこう役そのままだなと思っています。不本意かも知れないけど(笑)。彼らとはオーディションもして、役を決める段階でほとんど迷わず「この二人がいい」と推していったんで、二人からにじみでるモノがキャラクター性に近しいなと。どんどんやっていくうちに本人達のキャラクターを盛り込んでいったというのもあるんですけど、元々持っているモノが役にはまっているなというのは最初から思っていました。もちろん、いい部分がね(笑)。

──逆に平田さんと小池さんは監督にどんな印象を?

平田:熱いです!

武居:暑苦しい?

撮影:八木虎造 湊イサミ/ウルトラマンブル役・小池亮介

平田:苦しいはつけてないです!(笑)演出中も、普段の何気ない時のウルトラマンの話も、ウルトラマンへの愛と熱さと圧がとにかく本当に凄いんです。そして「どういう映像を作りたいか」というビジョンがしっかりしている監督ですので、僕達も監督の船に乗るというか、おんぶさせてもらう…?

小池:「おんぶに抱っこ」?

平田:いや、監督を抱っこはしないですから!(笑)

武居:これです、この関係が役のままなんです(笑)。

平田:つまり監督にすべてを預けつつ、自分達は出来ることを精一杯がんばらせていただくという感じです。とにかく熱いです!

小池:監督はアサヒ(湊アサヒ役:其原有沙)に弱いんだなと僕は思っています(笑)。撮影って長い時間続くじゃないですか? そんな現場で監督はいつもビシッと指示を出しているんですけど、アサヒが現場に居る時は「アサヒぃ…」って感じで雰囲気が和らぐんですよ。

武居:まあ、それは否定しないけど(笑)。弱いというより接し方の問題ね。

小池:熱いっていうエピソードとしては、次の撮影が重要なシーンだと前の日から「明日、オレ一番気合い入れてくっから!」と前もっておっしゃるんですよ。

武居:なんか迷惑っぽいね?(笑)

小池:それを色んな人に言っていて、カメラマンさんとかは「ああ、そーかそーか」って感じなんですけど、監督が熱く突っ走ってくださっているという感じですね(笑)。

──専門学校時代の同級生で、様々な作品でも組まれている田口清隆監督もシリーズに参加されていますが、そのことについて何かしら思うところはありますか?

武居:思うところはありますよ。単純に同級生というわけじゃなくて、学生時代から一緒に自主映画とか作っていましたし、僕が『ウルトラマンコスモス』で助監督をやっていた時は最終クールで彼に代わってもらったりしていたので。その頃よく飲み屋とかで「いつか二人で同じシリーズの監督をやれたらいいな」とか言っていたんですよね。ついさっきもLINEで「発表会の中継見たよ」とかやりとりしていましたし(笑)。特別な気持ちはありますね。彼の方が先に監督としてデビューしましたし、ウルトラマンシリーズでも人気のある監督なんで、自分は彼の背中を追う立場ですね。今回の作品で肩を並べるというとアレですけど、彼のウルトラマンとは違うモノを作っていきたいなとは思っています。

──監督が注目してほしいポイントは?

武居:とにかく子ども達に楽しんでもらえる作品にしたいですね。特にコメディの部分に力を入れて、見ていて笑える作品を目指しているので。湊家の面々や愛染社長などのやりとりの面白さに注目していただけたらと思います。あとウルトラマンでは最近あまりやらないテイストのことを特撮でもやっています。もの凄く派手なことはやっていないですけど、ちょっと違う方向性に振っていますので、そこも注目していただければと。

──湊兄弟のやりとりも注目でしょうか?

武居:これは一番の見所ですね。

平田:変身してからも色々ありますからね。

武居:そのへんは見てのお楽しみということで(笑)。


インタビューで語られた要素以外にも、発表会でも語られた興味深い舞台設定や、ウルトラマンオーブと同じ姿をした謎の黒いウルトラマンなど、様々な見所満載の『ウルトラマンR/B』。ウルトラマンファンは7月の放送開始を期待して待とう。

インタビュー・文:斉藤直樹 撮影:八木虎造
 

放送情報

『ウルトラマンR/B(ルーブ)』

2018年7月7日(土)放送開始
放送時間:毎週土曜日9:00~9:30
放送局:テレビ東京系6局ネット他
話数:全25話
製作:円谷プロダクション・テレビ東京・電通
出演:平田 雄也・小池 亮介・其原 有沙・深水 元基・山崎 銀之丞
監督:武居 正能・田口 清隆・市野 龍一・辻本 貴則 ※しんにょうの点は一つ・
   伊藤 良一・神谷 誠
シリーズ構成:中野 貴雄・武上 純希・伊藤 公志
脚本:中野 貴雄・武上 純希・伊藤 公志・柳井 示羊緒 ※「示羊」は一字・
   安達 寛高・根元 歳三・小林 雄次
   小林 弘利・勝冶 京子・足木 淳一郎・森江 美咲・皐月 彩

番組公式サイト(テレビ東京・あにてれ):http://ani.tv/rb/
作品公式サイト(円谷プロ・円谷ステーション):http://m-78.jp/rb/

(c)円谷プロ (c)ウルトラマンR/B製作委員会・テレビ東京

イベント情報

『ウルトラマンフェスティバル 2018』

■期間

7/20(金)~8/27(月)
第1部 / 7月20日(金)~8月6日(月)
第2部 / 8月8日(水)~8月27日(月)
※休業日 8月7日(火)

■時間

10:00~17:30(最終入場17:00まで)

■会場

池袋・サンシャインシティ[文化会館4F展示ホールB]
〒170-8630 東京都豊島区東池袋3-1 (東京メトロ有楽町線 東池袋駅直結)

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