【DPF 2018 クイックレポ】THE→CHINA WIFE MOTORS 「俺は燃えてるやつがロックンロールやと思う」言葉通りの痛快ステージ
THE→CHINA WIFE MOTORS
DEAD POP FESTiVAL 2018【CHAOS STAGE】 THE→CHINA WIFE MOTORS
少しずつ陽が傾き、『DEAD POP FESTiVAL』1日目も終盤に差しかかってきた。CHAOS STAGEに登場したのは、世界を股にかけるスリーピース・ロックンロールバンド・THE→CHINA WIFE MOTORS 。17年にわたりライブハウスを主戦場とする、紛れもないSiMの盟友のうちの1組だ。
THE→CHINA WIFE MOTORS
THE→CHINA WIFE MOTORS
「ポップとは無縁の俺たち、THE→CHINA WIFE MOTORS!」。TSUNEHIKO KAJITA(Vo)が挑発的な口調で言い放つと、1曲目「a rain day」を皮切りに、バンドとしては最小単位のシンプルなスリーピース・サウンドが熱く会場に響き渡った。人懐こいメロディが心地好く転がる陽性のロックンロール「Baby Alright」、性急なビートにギターをドライブする「Wednesday to let me down」。問答無用にかっこいいギター、ベースドラム、歌。それらが重なり合うだけで、ロックンロールは最強だ。チャイナワイフのライブは、そんなシンプルなことを信じさせてくれるステージだ。
THE→CHINA WIFE MOTORS
「古い仲のSiMが、このタイミングで俺らを『DEAD POP FESTiVAL』に呼んでくれました。明日から俺たちはアメリカツアーに行きます。出られてよかった」。世界中を飛び回るチャイナワイフだけに、少し時期がズレていたら、今回の出演は叶わなかったのかもしれない。フィールドには、すでにライブを終えたSUPER BEAVERの面々も集まり、そのステージに熱い視線を注いでいた。
性急に刻まれるビートの上をいなたいギターが転がる「666」から、リズム隊が繰り出す濃厚なグルーヴに自然と体を動かしたくなる「Working Class Song」。自分たちの出自がどこで、何を大事にしたいのかを明確に持つ3人だからこそ、その音は揺るぎない。『DEAD POP FESTiVAL』については、「“壁を壊せ”というテーマは最高やな。いろいろな壁があるけど、俺は燃えてるやつがロックンロールやと思う。ヒップホップだって、ハードコアだって、ロックをやってるやつは、俺のなかでロックンロールや思ってる」。そんなふうに熱く語りかけ、ラストナンバー「Too Much Monkey」では、でたらめな高速ビートにのせて、TSUNEHIKOが「ロックンロールは好きですか!?」と咆哮。周りがどうとか一切関係なし。自分の信念を貫いてゆく、こんなロックンロール大馬鹿野郎が大好きだ。
文=秦理絵 撮影=Yasumasa Handa
THE→CHINA WIFE MOTORS