乃木坂46・桜井玲香が意気込みを語る ーー日本初演から10年、ミュージカル・サスペンスの ヒット作『レベッカ』

2018.9.28
インタビュー
舞台

桜井玲香

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20世紀前半から活躍した女流小説家ダフネ・デュ・モーリアが1938年に発表した「レベッカ」。1940年にはアルフレッド・ヒッチコックが映画化し、アカデミー賞2部門を受賞するなど、ヒッチコック映画の最高傑作のひとつに数えられるように。そんなゴシックロマンの金字塔がミヒャエル・クンツェ(脚本/歌詞)、シルヴェスター・リーヴァイ(音楽/編曲)のヒットメーカー・コンビによりミュージカル化されたのは2006年。濃密な脚本、登場人物の心理をダイナミックかつ幻想的な旋律でつづる名曲の数々で唯一無二のミュージカル・サスペンスとして再構築した。日本初演はその2年後、2008年にシアタークリエのオープニングシリーズのミュージカル公演第1弾として開幕した。2010年には帝国劇場で上演。そして2018年、3度目の日本版公演が決定した。

レベッカという一人の女性の死に隠された謎に迫る本作。南仏で出会ったマキシムと結婚する「わたし」は、マキシムが所有するマンダレイの屋敷に住むことになるが、そこは亡くなった先妻のレベッカの影に支配されていた。

桜井玲香

「わたし」を演じるのは、大塚千弘、平野綾、乃木坂46の桜井玲香のトリプルキャスト。本作で東宝ミュージカルに初出演となる桜井玲香は、「ミュージカルを見るのは好きなのですが、出演は夢のまた夢という感じで、こんなに早くお話をいただくことができて戸惑っています」と胸の内を明かす。

オーディションで掴んだ大役。「歌はまだまだ習い始めたばかりなので、もう気持ちでやるしかないなという感じでオーディションを受けました。(受かった理由は)今のこの現状じゃなくて、準備期間も含めて、その先を期待してくださったと思うので、ちゃんと応えられるようにしっかり準備しておきたいと思います」と気を引き締める。

桜井玲香

アイドルグループ乃木坂46で活躍する桜井、舞台作品はより解放されると語る。「アイドルは皆の憧れの存在でいなければいけないので、常にキラキラした笑顔で、かわいらしい姿を見せなきゃいけない。お芝居は負の感情や汚い部分を見せることもあります。そういう意味では芝居では自分の全てを解放できて、ある意味リラックスしています。同じステージでも全く違いますね」。

そんな桜井を見て驚くファンもいるという。「先日も『半神』という作品で、醜い役をしました。なぜだかお芝居でいただく役は普段のキラキラアイドルを微塵も感じないような役が多いので、「誰を見ているのかわからない」というお声をよくファンの方にいただきます」。

桜井玲香

乃木坂46といえば昨今、生田絵梨花もミュージカル作品に多く出演している。今回、オーディションを受ける前から生田に相談していたそうだ。「出演が決まったことを伝えると、いくちゃんもすごく喜んでくれて、「私なんてまだまだだけど、何かあったらいつでも聞いて」と言ってくれたので、心強いです。楽曲の中で悲しい感情とかを表に出さないといけないのが難しいという話をしたときに、「私も悩んだけど、そこは解放するしかないよ!」という言葉もかけてくれました」。

『レベッカ』のオープニングは「わたし」の歌から始まる。「静まり返った中で果たして第一声を震えずに発することができるのか……。初演で大塚千弘さんが歌われている場面を観たとき、すごいと思って震えました。ちょっと緊張します」と話す。緊張しやすく、ライブの前も「どうやったら今から帰ることができるか」と考えることもしばしばだという。「乃木坂46のステージでは、始まる前に毎回、メンバーと円陣を組むのですが、キャプテンをやっているので一言いうときは、それすらも緊張して顔が真っ赤になります。だから『レベッカ』も相当緊張するんだろうなって。ただ、「わたし」はすごく強い女性なので、そこは気持ちを切り替えて頑張らないとって」。

桜井玲香

大塚千弘、平野綾とのトリプルキャストについては「ありがたい」と話す。「私がまさかこのカンパニーに入ることになるとは夢にも思っていなかったので、トリプルキャストが発表されたときは焦りの方がすごく大きかったのですが、お二人とも素晴らしい方ですし、これから一緒に稽古をしていく中で、自分の個性を出しつつ、素晴らしいお手本であるお二人からいろんなものを盗めたらと思っています。すごく勉強になるんだろうなと思って今から稽古が楽しみです」と期待を寄せる。

「同じものを演じているのに、日によって生きているように変わるところが気持ちいい」と舞台の魅力を語る。日本初演から10年となる『レベッカ』、「初演が好きというファンの方もたくさんいらっしゃって、今回の再演も期待されている方も多いと思います。衣裳やキャストなど新しくなるのですが、初演の魅力をしっかり追いつつ、今回の『レベッカ』の良さをしっかり上乗せして、さらにパワーアップしたものをお届けできたらと思っています」と意欲を見せた。

桜井玲香

ミュージカル『レベッカ』は12月20日(木)~28日(金)、梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティで上演する。

取材・文・写真=岩本和子

公演情報

『レベッカ』ツアー公演
2018年12月1日(土)~ 4日(火)東京・シアター1010(プレビュー)
2018年12月8日(土)、9日(日)愛知・刈谷市総合文化センターアイリス大ホール
2018年12月15日(土)、16日(日)福岡・久留米シティプラザ ザ・グランドホール
2018年12月20日(木)~ 28日(金)大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
2019年1月5日(土)~2月5日(火)東京・シアタークリエ
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