牧阿佐美バレヱ団『白鳥の湖』~「初めてのバレエ観賞」にはとくにおすすめ、原典版に忠実な古典の名作
撮影:鹿摩隆司
牧阿佐美バレヱ団は、2018年9月29日(土)、30(日)に『白鳥の湖』を上演する。
『白鳥の湖』は演出や振り付け、ストーリー展開など様々なプロダクションがあるが、このバレエ団が上演するのは、プティパとイワノフ振り付けによる原典を忠実に再現しているテリー・ウエストモーランド版をベースとしたものだ。ときには非常に斬新で現代的な振付の『白鳥の湖』もあるが、原典版の荘厳で詩的な味わいを継承している牧阿佐美バレヱ団の『白鳥の湖』は、王道バレエの原典を観てみたいという方々はもとより、とくに初めて古典バレエにふれる方々にはうってつけの作品と言えよう。
撮影:鹿摩隆司
また今回の公演は「バレエ・エデュケーション・シリーズ in Bunkyo」と銘打った公演。2015年から提携している文京アカデミー主催のもと、29日の公演の際、開演前に「『白鳥の湖』公演前の作品鑑賞教室」を、公演後にはバックステージツアーが開催される。
「公演前の作品鑑賞教室」は川島京子氏(早稲田大学講師)を講師として招き、作品の生まれた背景や見どころなどをレクチャー。バックステージツアーは舞台裏のセットや衣装などを間近で見ながら、牧阿佐美バレヱ団のミストレスがバレエを上演する際の舞台裏の様子などを語るもので、一般的にはなかなか見ることのできない、貴重な機会だ。
今年3回目を迎えたこれらの講座は、いずれも定員に対し、それを上回る応募がある人気のもので、「バレエの見方の参考になる」「身近に感じられた」と参加者の評判も高いという。興味のある方はぜひこちらにも参加してみてはいかがだろう。
ベテラン&初主演のペアが登場
主演を務めるのは29日が青山季可&菊地研、30日は清瀧千晴&阿部裕恵だ。
青山と菊地は「白鳥の湖」を含め、同バレエ団で数々の主演を務めており、ベテランペアならではの深みのある踊りが期待される。
清瀧もまた「ドン・キホーテ」「リーズの結婚」「ロメオとジュリエット」などの主演をこなしているが、なんと「白鳥の湖」の主演は今回が初という。2017年に「ドン・キホーテ」で主演デビューをした阿部は着々と経験を積み重ね、躍進ぶりの目覚ましい期待の若手で、やはり彼女も初めての「白鳥の湖」主演となる。
2幕の白鳥たちのコールド・バレエ、3幕の民族色豊かなディベルティスマンなど、見どころも詰まっており、ベテランペア、初主演ペアと、それぞれ違った味わいの舞台が楽しめるに違いない。ぜひこの機会に古典の王道を堪能してみては。
撮影:鹿摩隆司
文=西原朋未
公演情報
■会場:文京シビックホール 大ホール
青山季可・菊地研(9/29主演)
阿部裕恵・清瀧千晴(9/30主演)
ほか、牧阿佐美バレヱ団
■指揮:アンドレイ・アニハーノフ
■演奏:東京オーケストラMIRAI
■音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
■美術:ボブ・リングウッド
■公式サイト:http://www.ambt.jp/
『白鳥の湖』公演前の作品鑑賞教室
■日時:2018年9月29日(土)13:30~14:30
■会場:文京シビックセンター内施設
■講師:川島京子氏(早稲田大学講師)
■対象年齢:小学生以上~大人
■定員:30名(予定、多い場合は抽選)
■参加費:9月29日または30日の「白鳥の湖」公演購入者は無料。公演購入者以外の方はお1人様500円(講座当日徴収)
■詳細:http://bunkyocivichall.jp/news_detail?id=571
『白鳥の湖』バックステージツアー
■日時:2018年9月29日(土)18:15~19:00(予定)
■会場:文京シビックセンター 大ホール
■講師:挾間祥子氏(牧阿佐美バレヱ団 バレエ・ミストレス)
■対象:9月29日または30日の「白鳥の湖」公演購入者(中学生以上)
■定員:30名(予定、多い場合は抽選)
■参加費:無料
■詳細:http://bunkyocivichall.jp/news_detail?id=572