THE CONVOY SHOW vol.35『星屑バンプ』止まれない男たちがまた走り出す！　ゲネプロレポート

1984年結成より活動をつづけ、歌、タップ、ダンス、お芝居をノンストップで繰り広げるエンターテインメント集団、THE CONVOY SHOW。2017年9月に好評を博した「星屑バンプ」が、2018年9月7日（金）より博品館劇場でふたたび上演される。

東京公演は17日（月）までとなり、その後大阪、札幌、新潟、仙台、福岡、 名古屋を巡演。7日の開幕前に行われたゲネプロ（本番さながらの総通し稽古）の模様を、写真とともにレポートする。

再び走り出す、星屑たち

今どきの若者「ビックバンジェッツ」のメンバーを演じるのが、佐久間雄生、本田礼生、伊藤壮太郎、加藤良輔。今どきのおやじ（？！）「東京シャイニングブラザーズ」を演じるのが、今村ねずみ、瀬下尚人、黒須洋壬。オープニングはこの7名による、ダンスパフォーマンス。

ジャケットスタイルにサングラス姿がかっこいい！　……と思いきや、いざ芝居が始まると登場したのは、着ぐるみの牛とペンギン。デパートの屋上で行われるファミリーイベントの控室で、ぬいぐるみショーの出番が終わったところらしく、着ぐるみ越しにも息を切らしている様子が笑いを誘う。頭をはずし素顔をみせると、2人とも結構いい大人（瀬下、黒須）！

そこに駆けこんでくるのが、戦隊ヒーローの扮装をした「ビックバンジェッツ」の4人組（佐久間、本田、伊藤、加藤）だ。手には、ピンク色のマスクをもっている。

「この仮面をかぶれる方は、いませんか！？」

ヒーローショーの出番を前に、メンバーの一人が熱中症で倒れてしまったというのだ。折よく控室に戻ってきた、クマの着ぐるみのタカイ（今村ねずみ）。他の2人にはサイズがあわなかったピンクのマスクも、ガラスの靴のようにぴったり。急きょ代役を務めることとなるが、「東京シャイニングブラザーズ」はある条件を出した。

「俺たちと、ちょっとした未来にいってみないか？　俺たちのショータイムに出てもらう……！」

ノンストップの大人げない笑い

劇中ではいわゆる"おやじギャグ"だけでなく、パクリネタや昭和のネタが次々に登場する。ジャジーなナンバーが流れはじめたと思えばアニソンのアレンジ曲だったり、個性的なファッションだと思えば、国民的アニメのコスプレだったり。

大人げないほど笑いをとりにいく大人（おやじ）たちに巻き込まれ、ビックバンジェッツのメンバーは、ともにダンス・コンテストに出ることになる。

自由すぎる大人3人に、若者4人が苛立ちを感じるのも（爆笑しながら）うなずけてしまう、そんなおやじたちと、それでも行動を共にしたのは「ダンスをする時の、おっさんたちの目の輝き」だった。

プロフェッショナルなダンス

次々に繰り出されるギャグ、すっと胸に届くまっすぐな台詞、ストレートな物語。そんな芝居にダイナミズムを生むのが、圧巻のダンスと歌とタップのパフォーマンスだ。

群舞ではステージ上の振動が客席にも伝わってくるような、熱気と高揚感を覚える。劇中に使われる楽曲はJPOPからEDMまで幅広く、ラップも披露される。歌唱シーンでは思わず一緒に歌いたくなるはずだ。

すべてのキャストに見せ場がある点も、公演の魅力のひとつ。仮に出演者のうち誰か1人を目当てにきたとしても、見ているうちに全員のファンになってしまうだろう。

2017年より加わった本田礼生をはじめ、伸びやかに挑むように熱く踊る若手メンバーと、それを時には脇で支えるように、懐深く受け止める今村、瀬下、黒須らベテランメンバー。劇中の設定と現実とが、何度も重なってみえ胸が熱くなった。

夢に生きるを応援してくれるエンタテイメントショー

ビックバンジェッツの4人は、不安や葛藤と向きあいながらも、ふざけてばかり（に見える）の東京シャイニングブラザーズの胸を借り、パフォーマーとしての矜持に触れる。

夢をあきらめないことを応援し、体現してみせてくれる大人たちに、元気をもらえる約2時間30分。パフォーマンスは文句なしに格好良く、おやじギャグは徹底的にくだらない。その中に一本筋の通ったエンタテイメント精神を見逃さないでほしい。

さらに終演後、興奮冷めやらぬ会場にメンバーが再登場。「はじまり」を意味するタイトルのロックナンバーがBGMに流れる中、THE CONVOY SHOW vol.36「ONE！」の上演決定が発表された。2018年12月14日（金）から17日（月）にTBS 赤坂ACTシアターにて11名のメンバーがそろっての公演となる模様。「星屑バンプ」の夢の続きを見る気持ちで、今後のTHE CONVOY SHOWにも注目したい。