極上のライブ・エンターテインメントで夢と感動を! 『ディズニー・オン・クラシック ~まほうの夜の音楽会 2018』
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Presentation licensed by Disney Concerts. (c) Disney
ディズニー・アニメーションや映画、テーマパークの音楽を、オーケストラの生演奏とニューヨークのミュージカルシーンで活躍するヴォーカリストたちの歌声でお届けする、極上のライブ・エンターテインメント『ディズニー・オン・クラシック』が、2018年9月22日(土)文京シビックホールにて開幕、12月24日(月・祝)まで約3ヵ月間にわたり全国27都市51公演を開催する。16回目の全国ツアーとなる今回は、2002年から指揮・編曲を務めてきた、ディズニー・オン・クラシックの“顔”でもあるブラッド・ケリーのラストツアーでもある。
今年の公演のテーマは「Find Your Hero ~そして君のもとへ」。このツアーの初日前日となる21日、公開リハーサルが行われた。その模様をお伝えする。
第一部は、東京ディズニーリゾート35周年“Happiest Celebration!”テーマソング「Brand New Day」で幕を開けた。今公演に出演する8名のヴォーカリストたちが登場して力強い歌声を会場に響かせ、華やかなオープニングとなった。歌いながら、ポップで楽しいパフォーマンスもこなし、この“幸せな祭典”を盛り上げる。
Presentation licensed by Disney Concerts. (c) Disney
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続いて披露されたのは「ミッキーマウス スクリーンデビュー90周年『蒸気船ウィリー』」。1928年に公開された、ミッキーマウスが正式に映画デビューした短編映画の映像に合わせたオーケストラのライブ演奏による再現は、世界で初めての試み。ミッキーマウスのスクリーンデビュー90周年という記念すべき年にふさわしい企画だ。コミカルなアニメーション映像と見事にシンクロした演奏、そしてヴォーカリストたちや打楽器奏者が絶妙なタイミングで汽笛や口笛、動物の鳴き声などの効果音を発し、実に楽しく見ることができた。90年前に作成されたこの作品から既に、ディズニー作品は音楽が重要な役割を果たしていることを感じられ、ますますこの後に登場するディズニー楽曲への期待が高まった。
『蒸気船ウィリー』 Presentation licensed by Disney Concerts. (c) Disney (C)1928 Disney
『蒸気船ウィリー』 Presentation licensed by Disney Concerts. (c) Disney (C)1928 Disney
次のプログラムは「アラン・メンケン・セレクション」。『リトル・マーメイド』『アラジン』『美女と野獣』など数々のディズニー・アニメーション映画の音楽を生み出し、8回ものアカデミー賞受賞を誇るアラン・メンケンの、誰もが一度は耳にしたことがある名曲ばかりのセレクションとなっている。「パート・オブ・ユア・ワールド」「ホール・ニュー・ワールド」など、いずれの曲も煌めきと甘美さを備えたメロディーで聴衆を魅了した。
『リトル・マーメイド』 Presentation licensed by Disney Concerts. (c) Disney (C)1989 Disney
『美女と野獣』 Presentation licensed by Disney Concerts. (c) Disney (C)1991 Disney
『アラジン』 Presentation licensed by Disney Concerts. (c) Disney (C)1992 Disney
第一部最後のプログラムは「オーケストラと光のコンチェルト:東京ディズニーシー アクアスフィア・プラザ~デイ」。東京ディズニーシーのメインエントランスを入ると、水の惑星“地球”を表現した「ディズニーシー・アクアスフィア」というパークのシンボルが目に飛び込んでくる。このアクアスフィア周辺では雄大な音楽が流れているのだが、これは日本音楽界の巨匠・冨田勲によるオリジナル曲。デイタイムとナイトタイムでは異なる音楽が流れており、このコンサートではゲストの冒険心をかき立てるデイタイムの音楽が演奏された。優雅でありながらもどこか勇ましさを感じさせる楽曲は、様々なバリエーションのテンポ、音色、曲調で幾重にもその表情を変え、パークに一歩足を踏み入れたときのようなワクワクとした高揚感が胸に沸き上がってきた。
休憩を挟んで始まった第二部は、ミュージカル仕立てのアニメーション映画『ヘラクレス』をメインフィーチャー。アラン・メンケンが手掛けた名曲揃いで、神々の荘厳さを感じさせる重厚なオーケストラ楽曲と、ノリがよく楽しいゴスペル楽曲がバランスよく構成されている。ヴォーカリストたちによるセリフやシーンの再現と、スクリーンに映し出される映像のおかげで、映画のダイジェスト版を見ているように楽曲を堪能できるのが嬉しい。“本当のヒーロー”を目指して数々の苦難が待ち構える修行へと旅立ったヘラクレスの心情と、映画の主題歌である「ゴー・ザ・ディスタンス」の『自分の本来立つべき場所を探し求める』というメッセージが、ヴォーカリストの力強い歌声とオーケストラの演奏で見事に表現されており、胸に響いてきた。
『ヘラクレス』 Presentation licensed by Disney Concerts. (c) Disney (C)1997 Disney
『ヘラクレス』 Presentation licensed by Disney Concerts. (c) Disney (C)1997 Disney
『ヘラクレス』 Presentation licensed by Disney Concerts. (c) Disney (C)1997 Disney
『ヘラクレス』 Presentation licensed by Disney Concerts. (c) Disney (C)1997 Disney
このコンサートを通じて、ディズニーの世界においていかに音楽が重要なファクターになっているかを再確認することができた。人の心を躍らせ、鎮め、喜ばせ、感動させることのできる音楽の持つ魔法は、ディズニーが私たちに見せてくれる夢と感動の世界の骨組みであり、彩りであるのだ。
Presentation licensed by Disney Concerts. (c) Disney
オーケストラのコンサートでもありながら、ロックやポップスのライブのようだったり、ミュージカルのようだったり、様々な表情を見せるライブ・エンターテイメントに酔う、夢のような一夜となった。
取材・文=久田絢子
公演情報
■指揮・編曲:ブラッド・ケリー
■出演者:コーリー・モセロ、オースティン・リバーズ、ディロン・ヒープ、ギャリソン・カーペンター、エイドリアン・エラー、アリー・シーボルド、アナ・マルク、セシリア・スノー
■ナビゲーター:ささきフランチェスコ
■演奏:オーケストラ THE ORCHESTRA JAPAN