森村泰昌『「私」の年代記』展がシュウゴアーツで開催 森村芸術の34年間の軌跡をたどる
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森村泰昌, モデルヌ・オランピア 2018 2017-2018, Chromogenic print, transparent medium, frame, 210x300cm, ed.5
森村泰昌の『「私」の年代記』展が、2018年10月20日(土)〜11月24日(土)まで、東京・六本木のシュウゴアーツで開催される。
森村泰昌, 肖像双子習作, 1989, 拡散転写方式印画, 10.7x14.7cm
森村は、自らが「20世紀・昭和を出自とする日本の芸術家である」ということに自覚的だ。日本は明治維新後は西洋文明・文化に影響を、太平洋戦争後はアメリカ文明・文化を、さらに古くは中国文明・文化の影響を強く深く受けてきた。そうした日本の「古層」的な文明文化受容の精神構造を前提に、森村は自らの芸術のあり方を追い求めてきた。そこには、時代精神と歴史精神の両側面に立脚しようとする森村の決意・態度が伺える。
森村芸術とは、自分ではない何かになる試みを続けながら、自分であることの意味を問い続ける営みの集積だ。他者及び他者の芸術成果・歴史的事件に対する独自の分析を加えながら、自分の身体を用いて写真・映像・パフォーマンス表現をすることを考えれば、森村芸術とは、成果としての撮影作品だけではなく、実践としての現場もまた森村芸術の重要な一部を占める、と言ってもいいかもしれない。森村が作品において現場感の表出を大事にしているのは、その表れだ。
森村泰昌, 彼方のチェ・ゲバラ, 2007 拡散転写方式印画, 14.7x10.7cm
本展は、森村芸術の34年間の軌跡を、「現場」作品とも言うべきポラロイド方式の写真(拡散転写方式印画)を通して辿るものになっている。撮影現場を自らが生き、創造する場として常に大事にしてきた森村芸術のエッセンスがそこにある。
また、本展にあわせて、森村泰昌の作品集をシュウゴアーツより刊行。森村本人が展覧会のために選び抜いた貴重なポラロイド方式の作品群に加え、本展にて国内初公開となる新作「モデルヌ・オランピア 2018」や最新エッセイなどを収録。1985年から現在に至るまで、途切れることなく取り組んできたセルフポートレイトの試みを一望できる内容となっている。
森村泰昌, 変容する電気服, 2010, 拡散転写方式印画, 13.1x10.2cm each
森村泰昌, 振り向くフェルメール, 2008 拡散転写方式印画, 13.1x10.2cm
森村泰昌, 素顔のゴッホ, 1985 拡散転写方式印画, 14.7x10.7cm
イベント情報
作家名: 森村泰昌
会期: 2018年10月20日(土) – 11月24日(土)
会場: シュウゴアーツ 106-0032 東京都港区六本木6丁目5番24号 complex665 2F
開廊時間: 火〜土曜 午前11時 – 午後7時(日月祝休廊)
オープニングパーティー:10月20日(土) 午後6時より
書籍情報
148x182mm / ハードカバー / 96頁 / 41点作品画像掲載 / 日英バイリンガル / 1,000部限定
定価:2,700円(税込)
刊行:2018年10月20日
テキスト:森村泰昌
デザイン:ニコール・シュミット
発行・編集:シュウゴアーツ
ISBN:978-4-909835-00-0