『ヤン・リーピンの覇王別姫 ~十面埋伏~』が2019年2月に上演、中谷美紀がナレーションを行う特別番組も放送
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2019年2月、Bunkamura30 周年記念の一貫として『ヤン・リーピンの覇王別姫~十面埋伏~』が上演される。ソロダンス“孔雀の精霊”で一躍有名になった中国の国宝級ダンサー ヤン・リーピンが芸術監督に徹し、洗練の極致まで練り上げた本作。ダンスの殿堂 ロンドンのサドラーズ・ウェルズ劇場での初演以降、オーストラリア、イスラエル、中国各地など世界を牽引する数々の劇場やフェスティバルを熱狂の渦に巻き込んだ話題のパフォーマンスだ。
奇蹟の舞姫ヤン・リーピンが新たに手掛けたのは、中国史上最も壮大な物語の一つとして知られる『覇王別姫』。京劇やチェン・カイコー監督の映画、司馬遼太郎作『項羽と劉邦』などでお馴染みの項羽と劉邦の戦い、虞美人の悲恋を、中国の伝統と様々なジャンルのダンスを融合させた斬新な世界観で現代に蘇らせた。
本公演はヤン・リーピンのもと、中国の伝統舞踊や武術、太極拳、ヒップホップ、バレエ、コンテンポラリーダンスなどの類まれなる個性的なダンサーたちが集結。世界的舞踊家であり、演出家としても名高いヤンが、彼らの個性や生まれ持ったエネルギーを際立たせる振付に注力し、それぞれの役を魅力的に見せていく。戦いを彷彿とさせる男性的でアクロバティックなダンスやスタイリッシュな群舞。次々と展開される圧巻のダンスシーンは目が離せない。なかでも、京劇の伝統に則り、男性が演じる虞美人は、本作の見どころのひとつだ。項羽との生死を超えた壮絶な愛を演じ、両性具有的な妖艶な舞は、場面を追うごとに観客を物語の中に引き込んでいく。稽古時に、ヤンを始めダンサーとスタッフ全員が思わず涙ぐんだという虞美人と項羽のデュエットは必見だ。
そして、美術・衣裳デザインは、映画『グリーン・デスティニー』でアカデミー賞最優秀美術賞を受賞し、『孔雀』(2014年)でもタッグを組んだ鬼才クリエイター ティム・イップが務め、独自のアジア的美学で、鮮烈な舞台を作り上げた。さらに目を引くのは、舞台上方から吊り下げられた 2 万本ものハサミ。西楚と漢、項羽と劉邦が刀を抜いて対峙している緊迫感や登場人物たちの運命の暗示など様々なシーンを表現するハサミは、アメリカを中心に国際的に活躍する美術家 ベイリー・リュウが手掛けている。彼女の作品に感銘を受けたヤン・リーピンの熱烈なアプローチによって、このコラボレーションが実現した。また、悠久の時を経ても時間は不変であることを示し、開場中から終演まで紙を切り、文字や人型を作り出す切り絵師、物語の終盤には、血や命のはかなさを意味する赤い羽根が舞台上を埋め尽くすなど、見どころはつきない。新たなステージに到達したヤン・リーピンが創り上げる世界感を、劇場で体感しよう。
また、本公演の特別番組『この愛に生きて~ヤン・リーピンが泣いた日~』の放送が、11月18日(日)BS-TBSにて決定した。ナレーションを中谷美紀が務め、ヤン・リーピンが作り上げた『覇王別姫』を中国各地での最新取材による貴重な舞台映像と共に、その創作の源に迫る。
ヤン・リーピン(楊麗萍) コメント
ヤン・リーピン
中国では誰もが知る歴史物語『覇王別姫』を現代に蘇らせたいという思いから、この作品を手掛けました。波乱に満ちた中国史の大河、想像を絶するハサミの闇、心をゆさぶる生死を超えた愛、残酷な美を象徴するクライマックスの赤い羽毛―この舞台では、何かがあなたを待っています。日常から遠く離れて、ぜひ足を踏み入れてください。
<プロフィール>
中国雲南省大理の少数民族、白(ペー)族出身。一度も舞踊教育を受けることなく、天性の才能と創造力により国内外で評価される舞踊家になった。1986 年、自身の制作によるソロダンス『孔雀の精霊』で一躍有名になる。以後、多くの国との芸術交流を積極的に行い、舞踊芸術の普及と探索に努めてきた。演出家としても優れた才覚を発揮し、これまで Bunkamura オーチャードホールでも上演された、大ヒット作『シャングリラ』(2008、2010、2016 年)をはじめ、『クラナゾ』(2011 年)、『孔雀』(2014 年)は大好評を博し、話題をさらってきた。
秦の始皇帝の没後、天下は乱れ、各領主が割拠した。なかでも優勢を誇るのは西楚の覇王・項羽。一方、弱小だった漢の劉邦が勢力を拡大していた。西楚(項羽)と漢(劉邦)の度重なる激戦の末、漢軍に包囲され孤立する項羽。最期を悟った項羽は最愛の虞美人に別れを告げ、虞美人は足手まといになるまいと自害する……。
「埋伏」とは待ち伏せの意で、「十面埋伏」は文字通り全方位に敵が待ち伏せしている状態を指す。項羽軍は劉邦軍に追い込まれ、四方八方から包囲され極めて危険な状況に陥った。この戦いにちなんで作られた「十面埋伏」は中国十大古曲のひとつで、中国琵琶の高度な演奏技法を駆使した勇壮でドラマティックな楽曲。本作では、中国琵琶奏者により生演奏される。
公演情報
■会場 Bunkamura オーチャードホール
■公演日程 2019年2月21日(木)~2月24日(日)
■芸術監督・演出・振付 ヤン・リーピン
■出演 ヤン・リーピンカンパニー ※ヤン・リーピンは出演いたしません。
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■主催 TBS/Bunkamura/Albax
■後援 中国大使館/BS-TBS
■公演公式 HP http://www.bunkamura.co.jp/orchard/lineup/19_liping/
放送情報
稀代のアーティスト、ヤン・リーピンが洗練の極致にまで練り上げた『覇王別姫』。中国各地での最新取材による貴重な舞台映像と共に、その創作の源に迫る!彼女が思わず涙した、その理由とは……?