小澤廉がパンチパーマに!?12月1日から上映!映画『新宿パンチ』主演・小澤廉インタビュー

2018.11.16
インタビュー
舞台
映画

撮影:大塚正明

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アニメを原作とした舞台に数多く出演し、主演を務めるだけではなく、所属するアイドルグループB2takes!では歌とダンスと幅広く活躍する小澤廉。そんな彼の初単独主演映画『新宿パンチ』12月1日にシネマート新宿ほかにて公開される。メインビジュアルにある小澤廉の髪型は度肝を抜かれるパンチパーマ! そしてストーリーは歌舞伎町でのスカウトと型破りな内容。そんなビジュアルと舞台ながら、物語は小澤廉が演じる道場方正を中心に笑いあり、バイオレンスあり、そして恋愛ありのまっすぐな青春ストーリー。今回はそんな小澤廉にパンチパーマから、共演者について、そして作品の見どころについて訊いてきた。
 

映画『新宿パンチ』ポスタービジュアル


 

道場方正はピュアで優しい奴

──いきなりなのですが、小澤さんが今回の映画『新宿パンチ』で演じられている道場方正はパンチパーマ(実際には癖っ毛)ですが、身近にパンチパーマの方はいらっしゃいましたか?

うちの父がパンチパーマではないのですが、角刈りで強面でした。

──そうなんですね! 小澤さんからはまったく想像がつきません。お父さんとはあまり似ていないのでしょうか?

あ~似ていないかもしれないですね。

──では今回パンチパーマといういわゆる昭和の髪型にしてみて、少しはお父さんに似ている部分を発見したりしましたか?

パンチパーマにしても父には似ていないですね(笑)。父はトラックの運転手なので、職業からの影響もあったのだと思うのですが本当に強面で。

──改めまして、今回の『新宿パンチ』にはどのような経緯で出演することになったのでしょうか?

ありがたいことに主演でのオファーをいただきました。なかなか出来ることではないですし、初の単独主演映画ということで、最初にお話をいただいた時はとてつもなく嬉しかったです。

──そしてやはりパンチパーマにこだわりますが、パンチパーマになる、ということを知った時はどのように思われましたか?

地毛でいっちゃう?(笑)みたいな。やはり気になりますよね。地毛でいくのか、カツラでいくのかという論議になりまして、僕はもし戦争映画の出演のオファーをいただいたら、ボウズにするのは断らないと思っていて、そこにパンチパーマが来たわけで、なので先ほどの「地毛でいっちゃう?」と(笑)。ですが、すでに映画の撮影の次も決まっていまして、今回はカツラでということになったのですが、地毛でやってみたかったなぁ、という思いはあります。あと、カツラにした一番の理由はパンチパーマをした後に、普通の髪型に戻るのでしょうか? と質問したら、直らないので普通に戻すならボウズにするしかないらしいんです。

──えぇっ! パンチパーマってもとに戻らないんですか?

パンチパーマって髪の毛を焦がしているので、元に戻らないそうなんです。

──仮にその後ボウズにしたとして、カツラが必須になりますね。

普段用もカツラを作ることになるかもしれなかったんですね。ちょっと面白いかも(笑)。

──パンチパーマのことばかり話をしてきましたが、誰かパンチパーマの人を思い出しませんか?

思い出しました! 小学生の頃、サッカークラブに入っていたのですが、そこの友達のお父さんがパンチパーマでした。

──ちなみにそのパンチパーマの方のイメージは?

滑舌が悪かったです。

──パンチパーマ関係ない(笑)。その方は今回の道場方正を演じるにあたって、役にたっていますか?

まったく役に立っていません! 今思い出しましたし、参考にはしていませんね(笑)。そういえばいましたね(何かを思い出しながら)。

 

撮影:大塚正明

──そんな道場方正はパンチパーマでも強面にならず、愛されキャラですよね。

方正くんは実際にはパンチパーマじゃないですからね。最強の癖っ毛がパンチパーマに見えるだけで。中身はピュアで優しい奴なんです。

──それは映画冒頭で語られる方正の幼少時代でも分かりますよね。最初はどんな物語が始まったのかな? と思ったのですが、その幼少時代のエピソードが面白くて徐々に引き込まれていくという。

そうなんですよね。あの幼少時代のシーン面白いですよね。そこから歌舞伎町に旅立って。

──方正くんを中心に騒動が巻き起こるという。

方正くんは歌舞伎町にとってどう考えても異物なんですけど、まわりに溶け込むのが上手い。

──映画冒頭で語られているような幼少時代を過ごしたのに、方正くんはもの凄くコミュニケーション能力が高いですよね?

不思議ですよね。ただ方正くんは流されやすいですよね。スカウトはちょっと、って言いつつも、言いくるめられてスカウトの仕事をするようになったり。幼少の頃から流されやすくて、まわりに合わせるということが自然と出来ていたのかもしれないですね。だからすぐに溶け込めたのかも。

──とはいえ、歌舞伎町に来たらすぐにナンパしていたりして、そもそもの素養はあったのかもしれないですね(笑)。

たぶん怖いもの知らずなんでしょうね。歌舞伎町のルールも知らずに、キャバクラだったり、ガールズバーに入っていったり。そういうことって怖いもの知らずじゃないとできないし、それにバカですよね(笑)。

──日本に暮していれば、「歌舞伎町は怖いところ」という情報って少なからず入っていると思うんです。なのに遠慮なくどんどん行けてしまっている。

あと、単に世間知らずなのかもしれないですね。

──そういう方正くんの性格について、監督からの演技指導などは最初にあったのでしょうか?

そういう指導はなかったですね。自然な芝居をしてくれって言われました。やっぱり2.5次元の舞台で演技している小澤廉を見ていてくれたのもありますし、舞台の演技では映画では通用しないと思っていたと思うんです。僕もそう思っていましたし、だからキャラクターの事細かな性格の説明はなかったです。

──では、台本を読みながら自分で作りこんでいったと。

監督も撮影の際に、ちょいちょい方正くんの性格について説明はしてくれたんですけど、僕が台本から読み取って、たぶんこんな性格なんだろうなと、作っていった感じです。

──なるほど。小澤さん自ら道場方正というキャラクターを作りこんでいったと。では劇中でナンパをされていますが、リアルでナンパはされたことはありますか?

まったくないです(断言)。僕、女性に対して凄く人見知りしてしまうんです。高校生の時にダンス部に入っていたのですが、女子の方が多くて、女子とはなかなか仲良くできなかったんです。

──では方正くんのキャラクターは小澤さんと真逆なんですね。

小澤 方正くんみたいに女性にフレンドリーに語りかけられるなんて憧れますね。

──100人に振られてもへこたれないメンタル。

凄いですよね。童貞だけどたぶん悟っているんじゃないんですかね。

 

撮影:大塚正明


男臭いところも多い映画『新宿パンチ』

──舞台では主演を演じられることが多かったですが、映画では初主演になります。演技をされる際にどのような違いがあったのでしょうか?

違いは、一緒に演じている役者さん達との一緒にいる時間が短かい人がいたり、長い人がいたりという、極端だったということですね。舞台だと出番が長くても、短くても、稽古場に一緒にいる時間が長いんです。僕は人見知りなので、男女問わずすぐに仲良くなるっていうのが、なかなか苦手なんです。舞台では稽古場で長くいることで仲良くなっていくことが出来るのですが、今回の『新宿パンチ』では共演した皆さんもっと仲良くなりたかったなぁと思っています。

──そんな映画の撮影現場の中で一番仲良くなったのは、やはり宮崎秋人さんですか?

秋人くんとは前に共演していたので、劇中だけではなく僕の兄貴分なところもあって。秋人くんがいてくれたおかげで緊張せずに撮影に入れたので感謝しています。あと、この映画の秋人くんの髪型凄くかっこいいんです!

 

映画『新宿パンチ』場面カット

──秋人さん確かにかっこいいですよね。

秋人くんファンは必見です。

──そんな秋人さんがいたことで、スムーズに撮影出来たとのことですが、とはいえ主演で出ずっぱりでした。撮影で大変だったことはありますでしょうか?

凄くタイトなスケジュールで撮影したのですが、城定監督のチームは手際が良すぎて、役者としてはストレスフリーな現場でした。それが凄く有難かったですね。初主演ということもあってとにかく楽しかったです。

 

撮影:大塚正明

──歌舞伎町での撮影は大変だったのでは?

歌舞伎町は怖い一面もあるのですが、事務所のレッスン場が近くにあるので、慣れ親しんだ場所で撮影できたというのが楽しかったですね。いつも来ている場所で撮影するっていうのが新鮮でした。

──では大変だったことはあまりないのでしょうか?

ナンパしているシーンと、警官に追われているシーンは、周りの人たちが「事件か、事件か?」ってなって恥ずかしいというか、気まずいというか、ちょっとオドオドしちゃった瞬間がありました。

──そういう時ってカメラもちょっと離れていますしね。

そうなんです。でもナンパのシーンは凄く楽しんでできました。ナンパのシーンって実はセリフが無くって、全部アドリブなんです。

──全然、ナンパもできますね! そして歌舞伎町での撮影というと、宮崎秋人さんとの喧嘩シーンも印象的でした。

秋人くんが殺陣が上手いっていうことは前に共演した時から分かっていたので、今回のケンカシーンでは僕が足を引っ張らないようにしないと、と思っていました。秋人くんが引っ張ってくれたのもありますが、お互いの関係性もしっかりと入った状態で演技をすることができたので、役者としてあのケンカシーンを演じるのは楽しかったです。

──かなりネタバレになってしまうのですが、ケンカの最後に二人が寝転がって話をする時のなさけない感じもまたいいんですよね。男的にいいシーンですよね。

ありがとうございます(笑)。今回の作品は男女ともに楽しめる作品になっていると自信を持って言えます。一つ、役者・小澤廉の殻を破った作品だと思っています。

──確かに凄くストレートなお話で、男女ともに楽しめますね。

男臭いところも多いですしね。

──そこにチョイチョイ細かい笑いも入っていて、ストーリーが重くならないのもいいですよね。

感じてくれました?ありがとうございます(笑)。

──最後の方のシーンでバッティングセンターのブースから出る時に、扉にぶつかっていたり(笑)。

あれ、監督に止められるんじゃないかなってオドオドしながらやっていたんです(笑)。

──えっ? アドリブなんですか?

アドリブです(笑)。

──細かい笑いが随所に入っていますよね。

結構、みんな細かいアドリブを入れて笑いを取りに行っていますね。秋人くんも僕の頭をはたくところとか、結構アドリブで。いろいろなところで、かなり頭はたかれています(笑)。
 

撮影:大塚正明


笑いに包まれた「初ビジネスキッス」の現場

──出演者の皆さん、ノリノリだったんですね。男臭さというと、矢柴俊博さんがかっこよかったです。

現場にいた時もかっこいいと思ったんですけど、映像で見たらさらにかっこよくて。一つのセリフでも、いろいろなものが凝縮されているんです。それに矢柴さんがいるだけで現場の空気が変わる。凄い役者さんなんだなって思います。

──さらにヒロイン・ルミ役の吉倉あおいさんと二人のシーンも多かったですが、いかがでしたでしょうか? びっくりしたのですが吉倉あおいさんお若くて、小澤さんよりも年下なんですよね?

最初は年上だと思っていました。あと、あおいさん足がめっちゃ長くて、僕は結構足が速い方なんですけど、二人で一緒に走るシーンで「僕が合わせるのから、(早く走るの)無理だったら言ってね」って言っていたんです。で、全力で走ったんですけど、あおいさん普通についてきていて「あれっ?おかしいな」と思って、後で「50m何秒だった?」って聞いたら、「7秒前半です」って。僕が6秒後半なのでほぼ同じという。演技も凄く自然で。ルミさんに部屋で二人で過ごすシーンは凄く引っ張ってもらった感じでした。実は今日、インタビューに用意されているプロフィールを見て、年下だって知りました。大人っぽいんですよね。
 

映画『新宿パンチ』場面カット

──そんなルミと方正のキスシーンもありましたが、いかがでしたでしょうか?

初ビジネスキッスですよ(笑)

──ビジネスキッス(笑)。新しいですね。

そんな初ビジネスキッスはですね、どんな思い出になるのだろうとワクワクして臨んだんですね。そのシーンのリハーサルでスタッフ全員が笑い始めてですね。初ビジネスキッスの思い出は笑いに包まれるという、得難い体験をしました。

──あまり言ってしまうとネタバレになってしまうのですが、なかなかないキスシーンですよね。

普通はねっとりとしたキスをして、現場もシーンとして、キュンとしたなんて感想をもらえるのかな、なんて思っていたんですけど。まさか爆笑で終わるとは……。

──でもある意味、小澤廉ファンは納得するかなと思いました。

それは僕も思いました。エッチな感じが一切なくて。でもいい思いです。初ビジネスキッス。

──「初ビジネスキッス」使わせていただきます(笑)。そして最後の質問です。どんな人に今回の映画『新宿パンチ』を見ていただきたいでしょうか? そして見どころもお願いいたします。

『新宿パンチ』は男女ともに楽しめる作品になっているので、いろいろな人に見てもらいたいです。そして見どころは方正くんが歌舞伎町にやってきて、いろいろな人が方正くんと関わることである意味、その人の膿が出されていく。あと笑いもあって、ケンカシーンもあって、恋愛もある。本当にめまぐるしく物語が進んでいきますので、最後まで楽しんでいただけたらと思います。ぜひたくさんの人に見てもらえたら嬉しいです。

今回インタビューして思ったのは、小澤廉と演じる方正との共通点は、人を優しくさせるところ。初主演映画『新宿パンチ』の舞台は歌舞伎町だが、ストレートな青春映画。小澤廉の自然体の演技をぜひ男女問わず、楽しんでもらいたい。映画『新宿パンチ』は12月1日シネマート新宿ほかにて公開。

12/1公開「新宿パンチ」予告


 


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取材・文:林信行(SPICE編集部)

上映情報

映画『新宿パンチ』

 

2018年12月1日(土)からシネマート新宿ほかで公開
 
監督:城定秀夫
脚本:永森裕二、城定秀夫
 
出演:
小澤廉
吉倉あおい
毎熊克哉
宮崎秋人
鈴木隆仁
矢柴俊博
 
配給:AMGエンタテインメント
 
映画『新宿パンチ』公式サイト:http://shinjuku-punch.com/
 
(C)2018『新宿パンチ』製作委員会
 

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