平成最後の初春歌舞伎に尾上菊五郎が意気込み「また違う趣向を」

2018.11.18
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舞台

左から尾上菊之助、中村時蔵、尾上菊五郎、尾上松緑。(提供:国立劇場)

来年2019年1月3日から27日まで東京・国立劇場で行われる初春歌舞伎公演の取材会が11月15日に東京都内で行われ、出演者の尾上菊五郎、尾上松緑、尾上菊之助、中村時蔵が出席した。

平成31年の幕開けを飾る初春歌舞伎公演の演目は、通し狂言「姫路城音菊礎石(ひめじじょうおとにきくそのいしずえ)」。原作を生かしながら新たに台本を補綴し、初春に向けた華やかさと娯楽性に富んだ作品へと仕立て上げる。

監修を手がける菊五郎は、「平成最後のお正月を吉例の通り、このいつものメンバーで開けられることをうれしく思っております」と挨拶。「ここ何年も、ずっとお正月に公演をさせていただいて、いろいろな趣向をやらせていただきまして、お客様もその趣向を期待していらっしゃる方が本当に多く、これがなかなかつらいところ(笑)」と苦笑いしつつ、「今度はまた違う趣向を考えて、お客様をあっと驚かせられるように、そしていつものように初春歌舞伎らしく、明るく楽しくテンポアップした、わかりやすい歌舞伎を作っていきたいと思います」と意気込みを語った。なお菊五郎は本作で印南内膳を勤める。

碪の前を勤める時蔵は、「きっと例年通り、面白い楽しい歌舞伎ができあがると思いますので、どうぞみなさん期待していただければと思います」と期待を煽り、「私は昭和最後の初春芝居にも出ておりまして、それから30年、平成最後の初春芝居に出られるのは感無量で、この30年間にいろんな役を勤めたな、こんなこともあったなと感慨深く思っています。新しい元号となる、再来年の1月も国立劇場で迎えられたらと思っております」と目標を掲げる。

松緑は菊之助と夫婦役を演じる。「2人でこうしてガッツリと相方役をするのは久しぶりですので、僕自身楽しみにしています」と期待を述べ、一方の菊之助は「平成というのはピリオドですが、次の元号へのスタートととらえて、今回の公演を大成功させたいと思っております」と真摯に語った。

平成31年初春歌舞伎公演「通し狂言 姫路城音菊礎石」

2019年1月3日(木)~27日(日)
東京都 国立劇場 大劇場

作:並木五瓶(「袖簿播州廻」より)
監修:尾上菊五郎
補綴:国立劇場文芸研究会

出演
印南内膳:尾上菊五郎
古佐壁主水 / 百姓平作実ハ与九郎狐:尾上松緑
主水女房お辰 / 小女郎狐:尾上菊之助
碪の前:中村時蔵
ほか