国立新美術館国際展『MANGA⇔TOKYO』がフランス・パリで開催 日本のマンガ・アニメ・ゲーム・特撮作品と、都市〈東京〉を複合的に展示

2018.11.19
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キービジュアル イラストレーション:吉成曜 (C) Crypton Future Media, INC. www.piapro.net / (C) カラー / (C) 武内直子・PNP・東映アニメーション / (C) 秋本治・アトリエびーだま/集英社 / (C) 創通・サンライズ / (C) TOHO CO., LTD.

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フランス・パリのラ・ヴィレットにて、国立新美術館の国際展『MANGA⇔TOKYO』(ジャポニスム2018公式企画)が、2018年11月29日(木)~ 12月30日(日)まで開催される。

本展は、2015年に国立新美術館で開催した『ニッポンのマンガ*ア二メ*ゲーム』の第2弾となる展覧会であり、また 2018年7月よりパリを中心にフランスで開催中の日本文化・芸術の祭典『ジャポニム 2018:響きあう魂』の公式企画のひとつとして、文化庁、一般社団法人マンガ・アニメ展示促進機構、ラ・ヴィレットとの共催で開催される。

『MANGA⇔TOKYO』では、都市〈東京〉を映し出してきた日本のマンガ・アニメ・ゲーム・特撮作品と、それらフィクションを注入された現実〈東京〉の、複合的体験を提供する。日本のマンガ・アニメ・ゲーム・特撮作品は、都市〈東京〉の特徴や変化を、鏡のように映し出してきた。そのさまざまな描写を、多数の原画や模型、映像などでたどる。

現実の都市の特徴がいかにフィクションを生起し、方向付けてきたのか。また、それらフィクションやそのキャラクターが、現実の都市にいかなるイメージを重層的に付与し、作用をおよぼしてきたのか。本展は、日本のマンガ・アニメ・ゲーム・特撮の展示であると同時に、そこに映し出され、さらには人々の記憶の中で重合された、〈東京〉を展示。「聖地巡礼」など、アニメやゲームが観光資源として注目される中、その意味や可能性に光を当てる。

プロローグ《ミュージアム・ショップ:リトル秋葉原・リトル乙女ロード》

秋葉原の街並み 撮影:後藤武浩

パリに、秋葉原と池袋の乙女ロードが現れる。マンガ、アニメ、ゲーム、特撮の関連グッズなどを扱う店舗を再現展示するとともに、実際にそこで商品を買うことも可能だ。ファンが男女でそれぞれ独特の趣味嗜好を追究し、それぞれ専門店街が秋葉原と池袋に分かれた形で形成されたことも、日本のマンガ、アニメ、ゲーム、特撮と東京という都市との関係を特徴付けている。

プロローグ《1/1000 巨大東京都市模型》

ミュージアム・ショップを抜けると、そこに 1/1000 の縮尺で再現された、幅約17メートル、長さ約22メートルの巨大な東京の都市模型が現れる。そしてこの巨大な都市模型を囲み、見下ろす回廊に沿って、東京を舞台とするマンガ、アニメ、ゲーム、特撮作品の展示が展開される。現実の都市風景に、さまざまな物語の場面やキャラクターの記憶が重ねられて醸成される、〈東京〉の複合的なリアリティを来場者が感得できる構造となっている。

ギャラリー1《破壊と復興の反復》

ヨリコ・ギャラリー1 《破壊と復興の反復》 (C) 2018 OPMA All Rights Reserved. Illustration by Yusuke Yoshigaki

日本では、東京の大規模な破壊や、そこから復興してできた新しい都市風景を描いた作品が繰り返し作られてきた。東京は現実において、地震や火災、戦災などによる大規模な被災と、そこからの復興を繰り返してきた都市だ。その歴史や記憶が、日本の人々にとって、このような作品を受容する際のリアリティの感覚を形成している。つまり、現実の都市とその歴史が、フィクションの重要な基盤となっているわけだ。作中で破壊をもたらす存在が、しばしば人智を越えた神のごとき存在として描かれることも特徴的だ。

ギャラリー2a《東京の日常》プレ東京としての江戸

ヨリコ・ギャラリー2a 《東京の日常》(C) 2018 OPMA All Rights Reserved. Illustration by Yusuke Yoshigaki

都市的な破壊と復興という非日常の合間には、市井の人々の日常生活が息吹く。これより時代ごとに3つのセクションに区切り、日常生活を描写した作品群を通して、人々の生活の場としての東京とその変遷を見てゆく。

ギャラリー2b《東京の日常》
近代化の幕開けからポストモダン都市、そして現在まで

ヨリコ・ギャラリー2b 《東京の日常》 (C) 2018 OPMA All Rights Reserved. Illustration by Yusuke Yoshigaki

日本は19世紀後半からの急激な近代化、そして第二次世界大戦での敗戦を経て、20世紀後半にはめざましい経済発展を遂げた。この間、東京の都市としての姿も、そこで人々が営む日常生活も、めまぐるしく変化することになった。都市部の発展それ自体は、世界各地で見受けられた現象である一方、日本ではそのような都市やその生活者の変化の過程が、日本のマンガやアニメやゲーム、特撮の中で、とりわけ20世紀後半以降、多角的かつ多様に映し出されてきた。

ギャラリー2c《東京の日常》現在

ヨリコ・ギャラリー2c 《東京の日常》 (C) 2018 OPMA All Rights Reserved. Illustration by Yusuke Yoshigaki

20世紀末以降、日本は経済的な低迷期に入った。作品の世界でも、東京を華やかなメトロポリスとして演出するよりも、スーパーからの家路といった微視的な風景を切り取り、生活の機微を祝福したり、そこに差す影を見つめたりするような表現が目立つようになった。そして首都の中心性に代わって、その中の個々の街区の個性やストリートカルチャーが、物語の舞台装置として顕在化するようになる。ここで紹介される作品には、東京の生活の「今」が克明に描き出されている。

ギャラリー3《キャラクターvs.都市》

ヨリコ・ギャラリー3 《キャラクターvs.都市》 (C) 2018 OPMA All Rights Reserved. Illustration by Yusuke Yoshigaki

この展示では、さまざまなマンガ・アニメ・ゲーム・特撮作品の中に投射された東京を紹介する一方、最後のセクションでは、逆に現実の都市空間に召喚されたり、作用をおよぼしたりするキャラクターたちに目を転じる。街に現れたキャラクターたちは、その知名度やアイキャッチングな魅力によって、さまざまな商品やサービスの販売促進をはじめ、企業や公共機関、自治体などのマスコットやアバターを務めている。さらに、特定の場所と関連付けられることにより、観光
資源として力を発揮する事例も現れる。

『MANGA⇔TOKYO』展オリジナルキャラクター
「ヨリコ」と「ヴィッピー」

「ヨリコ」と「ヴィッピー」 (C) 2018 OPMA All Rights Reserved. Illustration by Yoh Yoshinari

地球外からのVIP来訪者と、その案内係を担当することになった本展覧会スタッフという設定で、「ヴィッピー」と「ヨリコ」というオリジナルのマスコットキャラクターを作成。ヴィッピーは、一説には「漫画」の語源に関連するとされるヘラサギという鳥を模している。ヨリコは、展覧会のポスターやキービジュアルで、様々なキャラクターにコスプレをして代理役を務める。展示会場内では、セクションごとのテーマを説明するイラストやトリビア解説に登場し、コミュニケーターの役割を担う。

キャラクターデザインとイラストはアニメ『リトルウィッチアカデミア』で監督を務めた吉成曜(よしなりよう)。キャラクターの設定やデザインには、キュレーターの森川嘉一郎、デザイナー、アート・ディレクターのコヤマシゲト、グラフィックデザイナーの草野剛(くさのつよし)も協力。 また、セクションごとのテーマを説明するコンセプトイラストは、芳垣祐介(よしがきゆうすけ)が担当している。

イベント情報

MANGA⇔TOKYO
会期:2018年11月29日(木)〜12月30日(日)(32日間)
会場:ラ・ヴィレット (フランス・パリ)グランドホール(211 Avenue Jean-Jaures 75953 Paris France)
開館時間:日、月~木 10:00~19:00 金・土 10:00~20:00(会期中無休)
入場料:15 ユーロ(一般)
ジャポニスム 2018:https://japonismes.org/
国立新美術館展覧会ページ:http://www.nact.jp/exhibition_special/2018/MANGA-TOKYO/
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