浅草軽演劇集団・ウズイチ『シャフ~vol.3~』で俳優デビュー~注目の若手俳優・鈴木康介にインタビュー
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鈴木康介
芸能事務所レプロエンタテインメント(以下、レプロ)が主催する「浅草軽演劇集団・ウズイチ」。レプロ初の演劇ユニットが第3弾となる舞台『シャフ~vol.3~』を2018年11月27日(火)から東京・浅草九劇にて上演する。
ウズイチ前回公演舞台写真
“車夫(シャフ)” ーーそれは人力車を引く者たちの事を言う。本作は、車夫に魅了されてその世界に入った4人の男たちの物語だ。日本全国に店を構える観光人力車専門店“えびす屋”。その浅草店で働く4人は人気、実力共に全国トップクラスとなった。そんな彼らに試練が訪れる。えびす屋が5年に一度開催する、車夫の技術を競う全国大会に東日本代表チームとして出場することになったのだ。大会に向けて修行に出た彼らに待っていたのは鬼コーチと厳しい特訓の日々。挫けそうになる彼らはある日、鬼コーチの意外な過去を知ってしまう。そして明かされる、敵対する西日本代表チームとの繋がりとは……。冬空広がる浅草で、男達の熱い戦いが今、始まる!
今回新たに加わったメンバーの一人が鈴木康介。レプロに今年8月に所属したばかりで早くも初舞台を踏む注目株だ。そんな鈴木に初舞台に向けた今の心境を聴いた。
ウズイチ前回公演舞台写真
――鈴木さんがウズイチに入ったのはいつ頃ですか?
今年9月にこのウズイチのオーディションがある事を知り、受けてみて合格したんです。以前からモデルの仕事はしていたのですが、ずっと俳優という仕事に憧れていて、やってみたいと思ってウズイチに入ったんです。
――俳優を目指す、というからには何かきっかけがあるのだろうか、と思うんですが?
さかのぼると僕が小6の時、『東京DOGS』(フジテレビ系列)というドラマにハマって、警察官になりたいと思ったんです。そこから発展して「人に影響を与えられる仕事ってすごいな」という想いが自分の中に芽生えて。気持ちがアガらない人や人生に迷っている人に僕が希望や夢を与えたら……そんな仕事って何だろう?と思った時に、そのドラマの事を思い出し「あ、俳優だ」と気が付いたんです。そこから俳優になろうと思いました。
でも僕は演技の勉強をした事がなく、さてどうしようかと思っていたら、若手俳優の育成を目的としている「ウズイチ」の存在を知り、ならば僕としてはウズイチを「登竜門」だと思って、ここで演技、芝居の基礎を身に着けてたいと思ったんです。
――実際のウズイチを知って何か気づき等はありましたか?
第2回のウズイチの公演を観た時、ものすごく迫力のある舞台に「凄い!」って思ったんです。舞台を観る前は「ウズイチ=育成の場所」というイメージが強かったので、実際は皆見ている方向、目指している方向がバラバラなんじゃないかなって思いこんでいたんです。でもそんなことは全然なく、一つの良い舞台を作りたい、というまとまりを感じたんです。いい意味でのギャップを感じました。
――ウズイチに入り、具体的に演技の勉強を始めてみて、今は演出家さんなどにどういった事を教えてもらっていますか?
「舞台を大きく見せる事」。身体などを使って、迫力のある芝居をするにはどうしたらいいか。これはウズイチに入ってから今もずっと言われています。最初は言われている意味がよくわからなくて、自分ではめいいっぱい動いているつもりだったんです。でも自分の演技を録画したものを見せてもらって「ああ、そういう事か!」と自覚しました。演出家さんはストレートに指摘はせず、役者自身に考えさせてくれるんです。だから指摘された事を僕らは持ち帰って、いくつか案を考えてまた稽古場に持ち寄るんです。
もう一つ「声を通す」。僕はどちらかというと声が広がってしまうタイプなので、一直線に声を飛ばす練習をしています。もっともっと勉強しないとな(笑)。
ウズイチ前回公演舞台写真
――今回のウズイチでは「イケガミ」という役をもらったそうですね。イケガミとはどんな人物なのでしょうか?
まだ稽古中なんですが、今の段階では本心とは違う事を言ったりするキャラクター。だから僕はイケガミという人物を演じるだけでなく、イケガミ自身が演じているもう一人の自分も演じないとならないんです。本心では言いたくない事も強がって口にしたりするので、今、表現する難しさを感じています。一発目から難しい役が来たなあ、と(笑)。僕自身、相手の事を思ってストレートではなく変化球を投げるように言う事が多く、そういう点ではイケガミと通じるところはあるんですけどね。
また、今回「車夫」という仕事を愛する、イケガミのまっすぐな想いは何かに熱中している時の僕とどこか似ているように思います。
――初めての俳優活動で大変な事のほうがまだ多いとは思いますが、その一方ですごく楽しい!と思う瞬間はどんな時ですか?
芝居について熱く語りあっている時。そして熱い台詞を言う時は「今、自分がイケガミに入り込んでいる!」と思いながら演技をしています。まだまだ学ぶ事の方が多い日々ですがそういう瞬間がすごく楽しいんです!
――特に憧れている方、俳優の目標にされている方はいらっしゃいますか?
昔からずっと市原隼人さんが大好きなんです。熱い演技を観てかっこいいなーと思っているんです。
――最後に、俳優になられてから、映像の仕事を目指す方もいれば、生の舞台を活動の場にする方もいると思いますが、鈴木さんは強いていうならどちらを目指しているのでしょうか?
どちらもやりたいんですが(笑)、最終的にはやはり舞台の方で生き残れたらな、と思っています。
取材・文・撮影=こむらさき
公演情報
■日時:2018年11月27日(火)~2018年12月2日(日)
■出演:赤城龍一 稲垣政成 近江征志郎 小原汰武 神坂優心 白石惇也 鈴木康介 寺田直生 仲井間稜 宗綱弟
シンジ役:小原汰武
キンイチ役:神坂優心
ユズル役:赤城龍一
ハカセ役:近江征志郎
キタザワ役:白石惇也
マサキ役:稲垣政成
ヒデトシ役:宗綱弟
カズマ役:仲井間稜
キョージュ役:寺田直生
イケガミ役:鈴木康介
■脚本・演出/正安寺悠造(DACTparty)
■振付/塩野拓矢(梅棒)
■音楽/太田要 伊東正美
■作詞/山本由樹
■公式サイト:https://asakusa-kokono.com/independent/uzuichi/