平成最後の『新春浅草歌舞伎』開幕~尾上松也、中村歌昇、坂東巳之助らが鏡開き
松竹の安孫子正・副社長、中村錦之助、中村梅丸、中村橋之助、中村種之助、坂東巳之助、尾上松也、中村歌昇、坂東新悟、中村隼人、中村鶴松、中村歌女之丞、大谷桂三、服部征夫・台東区長(右から)
次世代を担う若手の登竜門として知られる平成最後の『新春浅草歌舞伎』が、2019年1月2日に開幕した。毎年恒例となった浅草公会堂での正月興行初日の朝、出演する尾上松也、中村歌昇、坂東巳之助らが鏡開きを行った。
酒を振る舞う尾上松也(左)、坂東巳之助ら
今年の第一部(午前11時開演)では、年始挨拶の「お年玉」、『戻駕色相肩』、『源平布引滝 義賢最期』『芋掘長者』が上演される。また、第二部(午後3時開演)では、こちらも「お年玉」から始まって『寿曽我対面』『番町皿屋敷』『乗合船惠方萬歳』が上演される。
尾上松也
尾上松也は「皆さん、明けましておめでとうございます! 寒いなかたくさんお集まりいただきましてありがとうございます」と切り出してから、「今年の『新春浅草歌舞伎』は平成最後の浅草歌舞伎と銘打ちまして、また、私どもが浅草歌舞伎を持たせていただくようになりまして、5年目ということで、一つの節目かなと思っております」と語る。
笑顔で酒を振る舞う尾上松也(左から2番目)ら
「これまで以上に出演者全員で団結をして、今年の公演は取り組んできたつもりでございます。とにかくみんなでこの浅草歌舞伎を盛り上げようということで、それぞれが昼夜に少なくとも3本の演目に出ております。それぞれが大活躍して、いろんな演目に出演させていただいております」
酒を振る舞う中村隼人(右)、中村鶴松、中村歌女之丞ら
「切磋琢磨していかないといけませんが、今回も先輩方のお力添えを得まして、僕たちも安心して思い切って、1ヶ月間、勤めることができるのではないかなと思います。お客様のためにも、ご指導くださった先輩方のためにも、全力で勤めて、平成最後の新春浅草歌舞伎を最高の形で締めくくれればいいなと思います」と抱負を述べた。
中村歌昇
坂東巳之助
そのほか、中村歌昇、坂東巳之助、坂東新悟、中村種之助、中村隼人、中村橋之助、中村鶴松、中村梅丸、中村歌女之丞、大谷桂三、中村錦之助ら出演俳優が意気込みを述べた。松竹の安孫子正副社長、服部征夫・台東区長も加えて計14名で、2つの酒樽を開いた。そして、早朝から並んだファンたちに酒を振る舞った(なんと一番乗りの女性は午前5時半から並んだそうだ)。
坂東新悟
中村種之助
中村隼人
中村橋之助
中村鶴松
中村梅丸
中村歌女之丞
大谷桂三
中村錦之助
【関連イベント】
◇毎年恒例!「お年玉〈年始ご挨拶〉」
第1部、第2部ともに、開幕に先立ち、出演俳優がご来場の皆様に向け年始の挨拶。挨拶する俳優は交代制。ご贔屓にしている俳優の公演回に観劇するのも楽しみの一つ。演目の解説や歌舞伎の見方、ユーモアあふれる挨拶や『新春浅草歌舞伎』の思い出話など、俳優ごとにトークの内容は様々で、普段は見ることのできない姿を見られるチャンス。舞台と客席の距離をぐっと縮める毎年恒例の大人気企画だ。
◇今年も開催「着物で歌舞伎」の日=1月20日(日)第二部
観客が着物着用で観劇する日。劇場スタッフも着物姿でお出迎え。正月らしい華やかさを味わうことができる。今年は1月20日第二部に実施。「着物で歌舞伎」の日にの来場客には記念品の進呈も。一昨年より復活し、好評を得て、今年も開催する『新春浅草歌舞伎』公演ならではのイベント。
◇公演を彩る!「浅草総見」=1月12日(土)第二部
ロビーにて浅草の芸者衆が来場客をお出迎え。この日に合わせ、地元・浅草の人々も多数観劇、年始の挨拶を交わす様子がみられる。今年は1月12日第二部に開催。地元に愛される初春の催しならではの光景だ。
取材・文・撮影=五月女菜穂
公演情報
■場所:浅草公会堂
■出演: 尾上松也/中村歌昇/坂東巳之助/坂東新悟/中村種之助/中村隼人/中村橋之助
2. 源平布引滝 義賢最期(げんぺいぬのびきのたき よしかたさいご)
3. 芋掘長者(いもほりちょうじゃ)
2. 番町皿屋敷(ばんちょうさらやしき)
3. 乗合船惠方萬歳(のりあいぶねえほうまんざい)