英国ロイヤル・バレエ団プリンシパル、ローレン・カスバートソン、ROHシネマシーズンの『くるみ割り人形』を語る
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ローレン・カスバートソン
ロンドンのコヴェント・ガーデン、ロイヤル・オペラ・ハウス(ROH)で上演されたロイヤル・バレエ団、ロイヤル・オペラによる世界最高峰のバレエとオペラを、映画館で鑑賞できる人気シーズン、「英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン」が今年も順次公開中だ。日本では東宝東和株式会社配給のもと、TOHOシネマズ系列を中心とした全国の映画館で上映される。今シーズン4作目は2019年2月1日(金)より、世界中で愛される冬の風物詩、ロイヤル・バレエ『くるみ割り人形』が公開される。
ロイヤル・バレエ『くるみ割り人形』 (c) ROH
このほど、前々シーズンの『くるみ割り人形』の“金平糖の精”、また『不思議の国のアリス』の“アリス”などでシネマシーズンに出演し、世界中の観客を魅了した英国ロイヤル・バレエ団の人気プリンシパル、ローレン・カスバートソンがシネマシーズンの魅力やオススメの演目について語ってくれた。
ローレン・カスバートソン
「世界中のお客様に観ていただけて素晴らしいわ。映画館での上映によって、たくさんの方に観てもらえてファンが増えるのは本当にうれしいの」と、魅力的な笑顔で話すローレン。「大きなスクリーンでバレエやオペラを観ると出演者をアップで観られるわ。舞台の細部まで味わうことができるし、ロングショットによるフォーメーションも楽しめるわ。演じる私たちとしては、自分が画面いっぱいに映っておかしな気分よ。でも舞台ではいつも集中しているからカメラがいても気にならないの」と、大画面で観る醍醐味と出演者ならではの心境も教えてくれた。
映画館で公演を見ることが好きで、出演していない演目は出来るだけシネマシーズンで観るようにしているというローレン。最近観た作品は『くるみ割り人形』だといい、「イギリスのクリスマスの雰囲気を味わいたいなら『くるみ割り人形』は絶対にお勧めよ。いつも大人気の作品で記録的な動員数を誇っているの。伝統的なバレエの名作よ」と語った。
ローレン・カスバートソン
1984年初演のピーター・ライト版は、数ある『くるみ割り人形』の決定版ともいわれ、現地では
ローレンも演じた金平糖の精は、かなり難易度の高いことでも知られており、今シーズンでは、2018年でロイヤル・バレエ入団20周年を迎えたロイヤル・バレエを代表する世界的スター、マリアネラ・ヌニェスが演じている。本作の幕間では、彼女の芸術性を称えて製作されたスペシャル・ショート・フィルム「NELA」が本邦初公開され、シネマシーズンでしか見ることのできない貴重な作品となっている。そして王子役は、日本でも”王子”の愛称で親しまれている、おなじみのワディム・ムンタギロフが務める。
The Nutcracker. Vadim Mutagirov as The Prince and Marianela Nuñez as The Sugar Plum Fairy. ©ROH, 2018. Photographed by Alastair Muir
また、若手スターの登竜門ともいわれている注目のクララ役、今シーズンは愛らしい新星アナ・ローズ・オサリヴァンが演じる。ちなみに、ローレンが金平糖の精として『くるみ割り人形』のシネマシーズンに登場した2016/17シーズンでクララ役を演じていたフランチェスカ・ヘイワードは、今年12月に全米公開される映画『キャッツ(原題)』へ出演が決定し、スター街道まっしぐらである。
Anna Rose O'Sullivan as Clara ©ROH 2016. Photographed by Helen Maybanks
さらに、ハンス・ピーター役には、テクニックに定評のある若手マルセリーノ・サンベ、今シーズンでファーストソリストに昇格した日本人ダンサー、金子扶生が「花のワルツ」の“主役”である薔薇の精で出演している。
The Nutcracker. Artists of The Royal Ballet as the Snowflakes. ©ROH, 2015. Photographed by Tristram Kenton
ローレンはインタビューの中で、シネマシーズンを通してロイヤル・バレエを初めて見るお客様に向けた見どころを聞かれると、「ロイヤル・バレエは細部が魅力的なの。バレエの熱烈なファンでなくても美しい衣装やセットを見るだけで楽しめるわ。ヘアメイクなども見事だし、見どころが満載よ!シネマでは最高の作品が厳選されているので、どの作品を観ても満足してもらえるわ」と自信を覗かせた。彼女のインタビュー特別映像も届いたので、ご覧いただきたい。
【動画】ローレン・カスバ―トソン インタビュー
新しい主要キャストたちで贈る話題のバレエ『くるみ割り人形』。この機会に映画館の大きなスクリーンで素敵なバレエの魔法を細部まで堪能してみてはいかがだろうか。
Artists of The Royal Ballet in The Nutcracker © 2015 ROH. Photograph by Tristram Kenton
手品師で発明家のドロッセルマイヤーはねずみをやっつける罠を発明したが、ねずみの女王は復讐のために彼の甥ハンス・ピーターに呪いをかけ、くるみ割り人形の姿に変えてしまった。呪いを解くためには、くるみ割り人形がねずみの王様を倒し、そして彼を愛してくれる娘が現れなければならない。シュタルバウム家のクリスマス・パーティに招かれたドロッセルマイヤーは、この家の娘クララにくるみ割り人形を贈る。夜中に目覚めたクララは、ドロッセルマイヤーによって魔法の世界に招かれ、ねずみの王様とおもちゃの兵隊たちの戦いを目撃する。クララの助けによりねずみの王様が倒され、くるみ割り人形の魔法が解かれてハンス・ピーターの姿に戻る。クララとハンス・ピーターは雪の王国を経てお菓子の国へ行き、金平糖の精や王子に出会う。美しく賑やかな祝宴の後、夢から醒めたクララは、見覚えのある若者とすれ違う。そしてドロッセルマイヤーの部屋に、ハンス・ピーターが帰ってきた。
【動画】『くるみ割り人形』予告編
上映情報
『くるみ割り人形』The Nutcraker
Nutcracker (c) ROH
【音楽】ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
【指揮】バリー・ワーズワース
【出演】
ドロッセルマイヤー:ギャリー・エイヴィス
クララ:アナ・ローズ・オサリヴァン
ハンス・ピーター(ドロッセルマイヤーの甥)/くるみ割り人形:マルセリーノ・サンベ
金平糖の精:マリアネラ・ヌニェス
王子:ワディム・ムンタギロフ
コロンビーヌ:エリザベス・ハロッド
兵士:ポール・ケイ
ヴィヴァンディエール:ミーガン・グレース・ヒンキス
ねずみの王様:ニコル・エドモンズ
アラビア:メリッサ・ハミルトン、リース・クラーク、テオ・ドゥブロイル、デヴィッド・ドネリー
中国:アクリ瑠嘉、レオ・ディクソン
ロシア:ポール・ケイ、ケヴィン・エマートン
葦笛:イザベラ・ガスパリーニ、エリザベス・ハロッド、アシュリー・ディーン、エマ・マグワイア
薔薇の精:金子扶生
薔薇の精のエスコート:ウィリアム・ブレイスウェル、トリスタン・ダイヤー、ベンジャミン・エラ、ヴァレンティノ・ズケッティ
■劇場・期間
北海道 ディノスシネマズ札幌 2019/2/1(金)~2019/2/7(木)
宮城 フォーラム仙台 2019/2/1(金)~2019/2/7(木)
東京 TOHOシネマズ日比谷 2019/2/1(金)~2019/2/7(木)
東京 TOHOシネマズ日本橋 2019/2/1(金)~2019/2/7(木)
東京 イオンシネマ シアタス調布 2019/2/1(金)~2019/2/7(木)
千葉 TOHOシネマズ流山おおたかの森 2019/2/1(金)~2019/2/7(木)
神奈川 TOHOシネマズららぽーと横浜 2019/2/1(金)~2019/2/7(木)
愛知 TOHOシネマズ名古屋ベイシティ 2019/2/1(金)~2019/2/7(木)
京都 イオンシネマ京都桂川 2019/2/1(金)~2019/2/7(木)
大阪 大阪ステーションシティシネマ 2019/2/1(金)~2019/2/7(木)
兵庫 TOHOシネマズ西宮OS 2019/2/1(金)~2019/2/7(木)
福岡 中洲大洋映画劇場 2019/2/1(金)~2019/2/7(木)
※上映時間は、公開日が近づいてきた頃に上映劇場へ直接問い合わせを。
公演情報
■NBS公式サイト:https://www.nbs.or.jp/stages/2019/royalballet/